治療と慰安の選択

手技療法には、整体治療、カイロプラクティック、オステオパシー、あん摩・指圧・マッサージなど様々な治療法があります。

法律的には、「治療」という言葉は、医師、歯科医師以外には認められておらず、我々の行う行為は、「施術」と言うのだそうですが、ここではあえて治療という表現を使わせていただきたいと思います。

目の前の患者様を、何とかして良くして差し上げたいとの思いから行われる施術は、ある意味で治療と呼べるのではないでしょうか。

しかし、一般的には治療に対して、以下の様な解釈がなされています。

゛病気という名前で呼ばれる個人的状態に対し,それを回復させるか,あるいは悪化を阻止しようとしてとられる行為をいう。その内容は,病気を診断し治療することであるが,実施にあたるのは近代的社会では法律的にその資格を独占的に与えられている医師が中心になるところから,医師の行う行為一般に拡大されることもある”  (出典:世界大百科事典 第2版)

医学の父ヒポクラテスは、「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す」と表現しました。この言葉の意味するところは、人の体にはもともと「治ろうとする機能(自然治癒力)」があり、医師の役割というのは、その機能の補助にすぎず、治療や医療行為というのは治る機能を補助するものである、としているのです。

西洋の諺に、「神が治し、人が金をとる」というものがありますが、実際に体を治しているのは、人を生かしている見えざる力であります。これを神と呼んだり、自然治癒力と呼んだりと、様々な表現がありますが、最終的にはこのような力の働きで良くなっているのです。

それでは、何でもかんでもこの大いなる自然治癒力にだけ任せていればよくなるのかと言ったら、その様なことはありません。やはり、「人事を尽くし天命を待つ」の言葉の様に治療行為を通して、自分に与えられた使命を全うするということが大切かと思います。

患者様が自ら治ってゆくのを補助することが治療の目的であるならば、医師以外のものであっても、その志を持って行われた行為は、治療と呼べるのではないかと私は思っているのです。

逆に、たとえ医師であっても、経営のために過剰な検査や投薬を繰り返すだけの医療なら、それは真の意味での治療とは呼べないのではないでしょうか。

しかし、これには患者の側にも問題が無いとは言えません。沢山の検査をしてくれ、沢山の薬を出してくれる先生が、良い医者であり良い病院であるとの間違った考えがあるためです。ある意味、過剰なサービスを患者が要求するため、医療サイドもそれに応えるような形になってしまっているのです。

我々の業界でも過剰サービスや慰安行為はあります。特にあん摩・マッサージ・指圧の世界には多いのです。いわゆる慰安マッサージと言うもので、その場しのぎ的に患者(お客さん)の辛い所や、揉んでほしい所を施術するものです。

でも、これでは中々症状の改善には至らないのも事実です。実は私もマッサージ師ですし、この業界での実務経験もあるのです。

私も、本当に効果の出る治療法を求めていたのですが、お金のためにマッサージのアルバイトをしていた時期もありました。

ただし、この様な時でも目指していたのは、本当に治療のできる手技療法家になることでしたので、マッサージのためのマッサージはしてこなかったのです。今行っているマッサージは、全て将来、治療家になるための触診の勉強だと思ってやっていました。だからどんな時でも辛いと思ったことは一度もありません。好きなことをやるための通過点なので、当然と言えば当然ですが、そのためだったら何をやっても楽しかったのです。

そうやって一生懸命マッサージに励んでいたので、お客様からも気に入って頂き、多くの指名を頂ける様になっていました。実はそこのマッサージ所は、固定給であったので、いくら指名を頂いてもお給料は全く上がらなかったのです。それでも、お客様に気に入って頂いたことが嬉しくて、更に仕事に励みました。

同僚からは、「こんなところで指名をもらったって意味がない!」と嫌味を言われたりもしましたが、私はそれは違うと思いました。どんな場末のマッサージ所でも、そこでお客様の心をつかむことは、将来自分で独立開業するときに必ず役立つと思っていたからです。

独立開業した今の立場から言えることは、あの時の判断は間違っていなかったということです。そして、あれがあったからこそ、今の自分があると思っています。

慰安マッサージの利点は、手っ取り早く結果を出せるということです。マッサージを受けるお客さんも、治る治らないに関係なく、揉まれている過程の気持ちよさを求めに来ている方が大半なので、あくまでも刹那的な快楽が第一の目的なのです。

これは、「嫌なことがあったら、酒を飲んで忘れてしまおう!」というのとよく似ていて、酔いが醒めたらまた元の現実に引き戻されてしまうのです。慰安マッサージの効果もその場だけで、コリや痛みの症状はすぐに元に戻ってしまいます。

「それじゃあ、やっぱり、本当に効果のある、治療を目的とした施術の方がいいじゃないですか!」と皆様はお思いでしょうが、実にこれがなかなか難しいのです。

下手な治療家の治療を受けるくらいなら、慰安マッサージを受けていた方が、まだましともいえるのです。マッサージなら当たりハズレの差は少ないですが、下手な治療を受けたら本当にヤバイこともあるのです。歩いて治療院に行ったのに、帰りは這って帰るという笑えない話も現実にはあります。

治療を目的とした手技療法で、結果を出すということは意外と難しく、私も日々研鑽を積んでおりますが、いまだ満足のいく治療には至っておりません。

この難しさゆえに、慰安という安易な逃げ道を選択してしまう治療家もいます。

慰安マッサージが全く無意味というわけではなく、それはあくまでも真の治療という柱がしっかりしている上での補助という立場であればよいと思っています。

あん摩もマッサージも指圧も、無目的に慰安的に行うのではなく、その手技に意義や目的や価値を持たせれば、治療を目的とした立派な手技に様変わりするのです。

大切なのは、どの様な思いで治療に当たるのかということで、これによって結果は大きく変わります。

ただし先程も述べたように、手技療法において、純粋に治療を求めて道なき道を歩むということは、あえて、いばらの道を選ぶようなもので、本当に厳しい世界なのです。

それでも私は、安易に慰安的な施術に逃げるのではなく、少しでも患者様の苦痛が楽になる道を追求していきたいと思っております。

狭い門からはいれ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。

そして、そこから入って行く者が多い。

命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。

(マタイによる福音書7:13-14、口語訳聖書) 

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