頚椎は鍛えられない

頚椎損傷

先日、インターネットニュースを見ていたら、プロレスラーの高山善廣さんが、頸髄損傷で首から下が全く動かない状態であるとのことで、私も大変ショックを受けました。子供の頃からプロレスや格闘技は好きで、よく観ていたこともあり、高山さんは好きなレスラーでした。

以前にもプロレスラーの三沢光晴さんがバックドロップという技を受けた後、頚髄離断という事故に見舞われ、お亡くなりになりました。本当に残念なことです。レスリングや柔道、相撲などの格闘技や、ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツも頸椎を痛めやすいスポーツです。

私も、書生時代にアマレスの選手で頸椎損傷を起こし、腕にしびれと痛みが出て、尚且つ筋力低下もともなっていた方を見たことがあります。そこの治療院は、男性患者は上半身裸にならなくてはいけなかったので、そのアマレス選手も裸になってもらったのですが、筋骨隆々としたヘラクレスの様な体にびっくりしたものです。

首は弱い

しかし、こんなにも頑強な体をした選手でも、その首は様々なストレスにさらされ、破壊されていたのです。頸部の筋肉はブリッジなどで鍛えることができますが、その他の部位である頚椎椎間板や椎間関節、靭帯などは基本的に鍛えることはできません。逆に激しいトレーニングや、スパーリングなどで、靭帯や椎間板、関節軟骨、関節包などの軟部組織は、消耗し微細な損傷を繰り返していきます。

その結果、頚椎の退化病が進行し、変形性頚椎症などの退行変性疾患にかかってしまうのです。こうなってしまうと、骨棘(こつきょく)などの頚椎の変形も進み、脊髄神経や末梢神経を痛めやすくなってしまいます。

私が以前カイロプラクティックを学ばせていただきました、シオカワ・スクール・オブ・カイロプラクティックの塩川満章先生におうかがいしたお話で、今でも印象的に覚えているものがあります。それは、角界のプリンスと言われた、先代の大関貴ノ花のことです。

塩川先生の治療室に貴乃花が訪れたときには、首を痛めていて、手に力が入らず、指の間に挟んだ紙を引き抜くと、力なく簡単に抜けてしまったそうです。相撲に怪我はつきものですが、やはり相当に疲労や損傷が蓄積していたのでしょう。

レスラーや力士など激しく体を鍛えている人でも、他の部位と比べ、首だけは脆弱なのです。

ギリシャ神話に登場するアキレスの話は有名です。無双の強さを誇ったアキレスですが、唯一の弱点である踵(アキレス腱)を射られ死んでしまいます。この神話にちなんで、アキレス腱を弱点としたり、弱い部分を形容する際にアキレス腱が例え話に出ることがあります。

確かにアキレス腱は、断裂しやすい部位だと思います。ただ、アキレス腱が切れたとしても、命に別状があるわけではありませんし、手術をして繋ぐことも可能です。

しかし首の場合はその複雑さからそう簡単にはいきませんし、生命にかかわる部分でもあります。首は頭を支えていますし、最大の中枢である脳からの神経が細い首の中に集約されているのです。頸髄の太さは小指の太さくらいで、直径は約1cm前後です。これだけ細い部分に、脳から全身へ、全身から脳へと様々な情報が集まっているため、一度問題が生じると重篤な症状に陥ることもあるのです。

身体には手首、足首などと、の付く部位がありますが、これらも痛めやすい部位です。やはり細くなっている部分は力学的に弱いのです。よく使われるボトルネックという言葉もありますが、人間の首にも当てはまる問題です。

頸椎はそれ程弱い部分で、どなたもでも痛める可能性があるのです。有名な方でも首を痛めた方は沢山います。

皇后美智子様の頸椎症性神経根症。THE BOOMのボーカル宮沢和史さんも、頸椎症性神経根症。盗塁王5度の阪神の赤星憲広外野手は、中心性頸髄損傷。韓流スターのヨン様こと、ペ・ヨンジュンさんも、頸椎椎間板ヘルニアになっています。ロックバンド・X JAPANのYOSHIKIさんは、頸椎椎間孔狭窄症と頸椎椎間板ヘルニアの手術をしました。

冒頭に示した、プロレスラーや力士以外でも、様々な形で首に無理がかかり、変形性頸椎症と呼ばれる退化病や、椎間板ヘルニアなどを発症し、その結果としての神経障害に苦しんでいます。

以前のブログ「頚椎椎間板ヘルニアと肩こり」でもご紹介しましたが、スマホの長時間の使用は、首に大変ストレスをかけますので、本当に注意しなくてはなりません。

日常のちょっとした負担の積み重ねにより、徐々に頸椎に変形や損傷が起こり、かなり悪くなってから初めて症状として表面化するのです。

この様な状況になる前に頸椎や骨盤などのバランスを整えることは、大変有効な予防法になると思います。機械でも動きの悪い所は錆び付き、アライメントの悪い所は摩耗が激しくなりします。

これは肉体も同じです。整体治療を通して頸椎の機能を正常に保ち続けることと、日常生活の中で、首に無理をかけないことが肝要だと思います。

================================

肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

全国どこでも遠隔施術も承ります。https://www.taniithiryousitu.com/distant-healing/
札幌市営地下鉄中島公園駅から徒歩1分と好アクセスです。

ご予約は TEL: 011-211-4857 にお電話下さい。

腰痛や肩こりの改善なら札幌市の整体|国家資格あん摩マッサージ指圧師の谷井治療室トップページへ

北海道札幌市中央区南9条西4丁目3-15AMSタワー中島1503号室


健康と医療ランキング

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村