頚性神経筋症候群と頚椎

第1頚椎 アトラス
第1頚椎 アトラス

カイロプラクティックなどにおいて、頚椎は大変重要な治療箇所です。頸椎は機能的にも頭を支えており、脳から全身へ、全身から脳へと伝達される神経が集まっている要所になります。

また、首は前後左右と様々な方向に動かすことができるかなり自由度の高い部位です。その反面、弱い部分もあり、頚椎ヘルニアや頚椎症性神経根症、むち打ち(頚部捻挫)、頚部脊柱管狭窄症など障害の出やすい部位でもあります。

さて、治療においてメジャーポイントとなる部位は、どの様なところになるかというと、その部位が全身にどの程度の影響力を及ぼしているかということになります。影響力の大きい所は、その部分が変われば、その影響下にあるその他の部分全てにも連鎖的に影響が伝播し、改善が期待できます。

逆にあまり影響力の無い部位では、そこが変わっても他への影響が少ないため、全身状態の改善には至らないことになります。この様なポイントをマイナーポイントと呼びます。

カイロプラクティックの世界では、上部頸椎を施術するテクニックが、私の知っている範囲ですが、いくつか存在します。カイロプラクティックの創始者であるD.D.パーマーの息子、B.J.パーマーによって開発された、HIO(Hole in one、またの名をターグルリコイル)テクニックがその代表です。

このテクニックは、メジャーポイントを頚椎1番ないし2番と定めアジャストするテクニックで、これにより全身を調整しようと考えられたテクニックです。B.J.パーマーは、人間の根源的な生命エネルギー(イネイト・インテリジェンス)の宿る場所は、脳幹部だと考えていました。

頚椎
頚椎

その脳幹に一番近い脊椎が、頚椎1番ということで、ここを治療すれば最も効果的にイネイト・インテリジェンスが働くと考えたのです。頚椎は下の画像の様に最上部の1番(C1)から、最下部の7番(C7)までの7つの椎骨によって構成されています。

第1頚椎は、上から見ると環状の形をしているため環椎とも呼ばれ、第2頚椎は、歯突起という軸状の部分が特徴的なので、またの名を軸椎と呼びます。火葬場で骨上げの際、喉仏(のどぼとけ)と呼ばれるのは、この第2頚椎です。正面から見ると、仏様が坐禅をしている姿に似ているところからその様な呼び名が付きました。

この頚椎1番と2番の間には正中環軸関節(せいちゅうかんじくかんせつ)という、ほかの頚椎にはない特殊な形状の関節が存在します。この頚椎1番と2番の二つで、首の回旋運動の約50%を担っているのです。

この回旋の可動域の大きさだけを考えても、この上部頚椎の重要性が分かると思います。

頚椎1番のことをアトラスと呼びます。アトラスとはギリシャ神話に出てくる神様のことで、巨躯を以て知られ、両腕と頭で天の蒼穹を支えるとされる神様で、冒頭の図がそれになります。

頭を下から支える頚椎1番をアトラスになぞらえて、その様に呼んでいるのです。因みに頚椎2番は軸椎の名の通り、アクシス【axis】と呼ばれ、アクシスは軸という意味なので、軸椎はそのままの意味になっています。

ここまで、上部頚椎について構造と機能についてお伝えしましたが、第1頚椎は、後頭骨と環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)と呼ばれる関節で結ばれています。第1頚椎が歪むと、首の上に頭が正しく乗らなくなります。頭部には脳や目、耳、鼻などの感覚器官も存在するため、頭の位置が定まらないと大変な不都合が生じます。

頭痛、吐き気、めまいなどの症状は第1頚椎や第2頚椎の影響が強いので、ここをカイロプラクティックのテクニックであるターグルリコイルテクニックでアジャストすると、これらの症状が軽減または消失することが多いのです。

とにかく上部頚椎がこの様な歪みの状態になると、身体は防御反応として筋肉を緊張させます。その結果、肩こり、めまい、頭痛、吐き気、耳鳴りなどの症状や自律神経のバランスを崩し様々な不定愁訴が出るようになるのです。この時の第1頚椎の歪みは小さすぎてレントゲンやMRI、CTなどでは判別できません。

頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん、Cevical Neuro Muscular Syndrome)、略して頚筋症候群(けいきんしょうこうぐん)とも呼ばれる傷病名の疾患があります。

首の筋肉(頚筋)の異常により、頭痛めまい、吐き気、耳鳴り、自律神経失調症などが起こる疾患があります。東京脳神経センター理事長・脳神経外科医の松井孝嘉(まつい たかよし)先生が、難治性の不定愁訴の患者の首後方にある筋肉に共通の異常を発見したことで命名された疾患群のことです。

この 頚性神経筋症候群 も、当院の施術が最も効果を示す疾患で、他院でなかなか治らない症状も、当院オリジナルの頚椎矯正が著効を示しております。

人間は数十ミクロンの歪みも、感じ取っているのです。例えば歯と歯の間に、何か食べ物が挟まると、大変不快に感じます。この時歯の間に挟まったものの厚みは、数十ミクロンなのです。

頚椎も同じで、たった数十ミクロンの歪みが発生しただけでも、身体はそれを不快だと判断し、筋緊張が起きます。

これを、肩や首がこっているからと、単にマッサージをして筋肉だけを緩めようとしても、根本の頚椎の歪みが残ったままでは、すぐに筋肉は固まってしまいます。やはり、なぜ肩や首がこったのか?という根本的な原因を調べ、その部位を治療する必要があるのです。

そのために、谷井治療室では、キネシオロジーテストと触診を重要視しております。これによりメジャーポイントの特定がかなりの精度でできます。その際メジャーポイントとして特定される個所に、頚椎1番などの上部頚椎が含まれることが多いのです。

頚椎1番には、あまたの治療法が存在しますが、当院では患者様に負担の少ない、安全な、独自の施術法を採用しております。頚椎1番を正確に矯正することは、その影響力から考えると、全身の治療をすることと同じであるとも考えられます。頚椎1番は、それ位大切な部位なのです。

実際の臨床では、その他の部位の調整も絡めていきますが、メジャーポイントとしての頚椎1番がしっかり調整されていると、その他の調整箇所が少なくて済みますし、劇的に症状の改善が起きることも少なくありません。

以前、技は1ミリずれたら効かないと言った人がいました。人間である以上、完璧ということはできませんが、少しでもその精度を高める努力をこれからも続けていきたいと思っています。

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