整体治療と病院の診断の違い

今回のテーマは、「診断」についてです。日々の臨床の中で、腰痛、肩こり、手足の痛みや痺れなど、様々な症状の患者様の施術に当たらなければなりません。

医師以外には、診断権がありませんので、私達の様な、あん摩・マッサージ・指圧師や、鍼灸師、柔道整復師などの国家資格を所持している者でも、椎間板ヘルニアです!とか、脊柱管狭窄症です!などと診断を下すことはできません。

医師ですら、X線撮影装置やCT、MRI、超音波診断装置などの画像診断装置が無ければ、もはや正確な鑑別診断を行えないのが現状です。

この様な診断機器が普及していなかった一昔前では、X線撮影装置以外は徒手検査法や打腱器などの簡単な器具を使った検査が主でした。あとは医師の技能によるところが大きかったと思います。

今時の医師は、内科医でも聴診や打診、触診などの検査もほとんど行わないように思います。CTやMRIなど、これだけ素晴らしい検査機器が普及してしまうと、当然の結果だと思いますが、なんだか人間として扱われていないような気もします。

現実問題としては、大病院では一人の医師が受け持つ外来の患者数が多すぎて、ゆっくり診察している時間がとれないということと、高度な検査機器による診療報酬も病院経営上必要になるので、しかたがないのかもしれません。

あとは、聴診や打診などで直接検査すると、セクハラと勘違いされてしまうという、難しい時代でもあるようです。これも昔の様に聴診器を当てて検査をするのが当たり前であったならば、今でもセクハラとは言われなかったでしょうが、問診をとったらすぐ機械による検査に回される時代では、変に勘繰られてしまうのかもしれません。

アメリカなどでは、カイロプラクティックでも、オステオパシーでもレントゲンの撮影が許されていますので、それをもとにした診断がなされるのが通常ですが、日本ではカイロプラクティックもオステオパシーも医療として法制化されていませんので、レントゲンなどの診断は許されません。

それでは、医師以外の者で施術を生業とする、あん摩・マッサージ・指圧師、鍼灸師、柔道整復師、整体、カイロプラクティック、オステオパシーなどの施術者はどのように診断というものを捉えているのでしょうか。

我々の診断の第一義は病名を付けることではないということです。どこをどのように施術をするのかということを調べるのが、私達の診断の主な目的です。要するに、施術の見立てをすることが一番の目的で、これが診断即治療へとつながるのです。

もう一つの検査の目的は、目の前の患者様が施術の適応範囲なのか、それとも、我々の施術の適応外で、専門医療機関への受診を、おすすめしなくてはいけないのかの判別に、諸々の診断技法が用いられるのです。

腰痛や肩こり頭痛、めまいなどで、私の治療室を訪れる患者様の中には、病院でレントゲンやMRIなどの検査をすでに受けている方もいます。今は便利な時代で、自分のレントゲンやMRI画像をスマホで撮影し、それを私に見せて下さる患者様もおります。

これを診ますと、確かに頸椎の椎間が狭くなっていたり、腰椎の椎間板がヘルニアになっていたり、脊柱管が狭窄していたりと、その画像から様々な情報を得ることができます。本当に便利な時代です。

先日ある理学療法士の方がこんなことを言っていました。「昔の臨床の現場は、技術優先であったが、今は画像優先に変わった」とハッキリ述べていました。これだけ体の内部が、手に取る様に映像として見ることができる様になると、経験や勘に頼っていた旧来の診断法が、なんだかレベルの低いものに感じられてしまうのも無理はありません。

ここで面白いデータがあります。腰痛の85%は、原因不明で、レントゲンやMRIなどの検査で、医学的に因果関係のハッキリしている腰痛は、たったの15%だというのです。(厚生労働省

もう少し詳しく説明しますと、MRIなどの検査で、明らかに腰痛の原因となる病変が見つかることが、腰痛全体の15%で、残りの85%は、レントゲンやMRI、CTなどの検査を行っても、原因の特定に至らないということなのです。

さらに面白いのは、画像上、明らかに椎間板ヘルニアなどの病変があるにもかかわらず、全く腰痛の症状が無い人も多くいるのです。

レントゲンやCT、MRIなどの検査機器は、確かに診断の決め手となる大変な働きをしていると思いますが、これとて万能ではないのです。まずこれらの撮影には技術的な様々な問題がありますし、たとえきれいに目的の部位の撮影が行われたとしても、それを読影する能力には個人差もあるし、名医と言われる先生でも、100%間違いのない画像診断を行うことは不可能だと言われています。

基本的にこれらの画像は2次元の静止画像であるため、病変や構造は映し出しますが、その機能までは分からないのです。仮に動画を撮影したとしても、関節の細かい機能を視覚だけを頼りに診断するのは無理だと思います。

現代医療は、画像や検査データのみで原因を突き止めようとしていますが、これはある意味視覚化されたデータにばかり頼っている手抜きだと思いますし、データは見るが、目の前の患者は見ないという、おかしな現象が起きていると思います。

視覚偏重の結果、85%もの腰痛患者の原因がわからないままなのです。人間の持てる能力を最大限活用して、心の通った検査を行えば、もう少し取りこぼしは減るのではないかと思っております。

整体やカイロプラクティック、オステオパシーなどの施術を行う私たちは、高価な画像診断装置は使えませんが、そのぶん人間の能力を向上させて、温かみのある検査や施術を行うことができるのです。私も初心に帰って、これらの事を真摯に受け止め、日々の臨床に取り組みたいと思っています。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を改善する整体治療院 「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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