メタボリックシンドローム

今回ご紹介する書籍は「コレステロールと中性脂肪を下げる裏ワザ」栗原 毅(くりはらたけし)著、日東書院から出版されています。

コレステロールや中性脂肪と関連の深いものに、メタボリックシンドロームがあります。メタボとは、内臓脂肪型肥満+脂質異常、高血圧、高血糖の危険因子が2つ以上ある状態です。この状態ですと動脈硬化が急速に進み、心筋梗塞や脳梗塞の危険度が高くなってしまいます。

ウィリアム・オスラー博士

有名な内科医、ウィリアム・オスラー博士は「人は血管とともに老いる」という名言を残しました。

長寿者の共通した特徴は、血管が若かったということです。コレステロールや中性脂肪がそのカギを握っています。今回はそのポイントをお伝えさせていただきます。

脂質異常

  • 高LDLコレステロール血症…LDLコレステロールが多すぎ。LDLコレステロール140mg/dl以上
  • 低HDLコレステロール血症…HDLコレステロールが少なすぎ。HDLコレステロール40mg/dl未満
  • 高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)…中性脂肪が多すぎ。中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上

実はコレステロールは悪者ではないのです。細胞膜の材料となったり、ホルモンや胆汁の主成分である胆汁酸の材料にもなる。食事から20~30%、肝臓から70~80%合成されます。

コレステロールは肝臓で合成され血液に乗って各臓器に運ばれます。肝臓から血中に運ばれるコレステロールをLDLコレステロールと言い、血液中から肝臓に運ばれるコレステロールをHDLコレステロールと言います。

超悪玉コレステロール(小型LDLコレステロール)は、本来のLDLコレステロールより酸化しやすい。中性脂肪が多い人ほど、小型LDLが多い。対策としてはまず中性脂肪を減らすことが大切です!

慢性的な生活習慣の乱れがコレステロール異常の原因(食べ過ぎ、偏食、運動不足など)です。

HDLコレステロールの不足が動脈硬化の原因になります。喫煙、肥満、運動不足がHDLコレステロールを下げてしまいます。60mg/dl以上が理想。

LDLコレステロールは、100mg/dl以上なくてはいけない。またLDLコレステロールが低いと、がんにかかりやすい。

動脈硬化は、LDLが高いだけではおこらない。HDLが低いと確実に動脈硬化になる。また、高血圧、高血糖、喫煙、ストレスなどが重なり合った時に起こる。

コレステロールを下げるのに本来薬はいらない。病院でたいていスタチンという薬を処方します。しかしこの薬は、飲むと体がだるくなり、元気がなくなるという副作用がある。それは、この薬がコエンザイムQ10をブロックしてしまうから。コエンザイムQ10は、体内の細胞の活性化をうながす一番重要な酵素。

中性脂肪は炭水化物(=糖質)の食べ過ぎで上昇し血液中に溜まり過ぎた状態で、肝臓に中性脂肪がたまると脂肪肝です。

中性脂肪が高い人は血液がドロドロの状態。ご飯、麺類、パン、果物、アメやせんべいなど炭水化物(=糖質)のとりすぎや不規則な生活や運動不足が原因。

中性脂肪が増えるとHDLコレステロールが減り超悪玉コレステロールが増加する。

中性脂肪が高くなる前に、まず脂肪肝ありき。脂肪肝の人は狭心症や心筋梗塞の発症率が通常の2倍以上高いことがわかっています。

健康診断の血液検査でALT(GPT)20以上は脂肪肝。基準値は10~30IU/lとされていますが、著者は17で肝臓に脂肪がたまり始め、20を超えると、ほぼ脂肪肝の状態と述べています。

現在日本人の3人に一人は、20以上です。そして3000万人の人が脂肪肝であると推定されます。一番の原因は肥満です。自分でBMIをチェックしてみるといいでしょう。

最近、急速に注目されるようになった病気の一つにナッシュという肝臓の病気があります。非アルコール性脂肪性肝炎という病名です。ナッシュは必ず脂肪肝から発症します。悪化すると肝硬変や肝臓がんに進展することがあります。そのため、脂肪肝は、絶対に避けなければいけません。

脂肪肝は日本人の4人に1人。ナッシュは国内に300万人の患者がいます。

脂質異常症は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血など動脈硬化が原因で起こる重篤な病気の危険因子。

女性は脳梗塞や心筋梗塞など動脈硬化によって引き起こされる病気になりにくい。それはエストロゲンという女性ホルモンのおかげです。しかし更年期以降はエストロゲンの分泌が減るので、コレステロール値が急激に上がり、脂質異常症になりやすい。食生活や運動などで改善することが大切です。

脂肪肝、脂質異常症、糖尿病は原因が同じです。病気の源流を改善して、できれば病気になる前に予防をすることをお勧めいたします。

中性脂肪が増えると、HDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールが増加します。さらに小型LDLコレステロールも発生し、動脈硬化を引き起こします。

厚生労働省の報告では、BMIが30以上の肥満男性は、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患の発症リスクが30未満の人に比べて1.8倍高いとされています。さらに高血圧、高血糖、などの危険因子は、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを格段に高めます。

危険因子が一つなら5.1倍、二つなら9.7倍、3~4つ重なると31.3倍に跳ね上がります。

未病とは

未病とは、「未だ病にあらず」という意味で、病気ではないけど健康でもない病気に至る前の半健康状態を言います。

2300年前の中国最古の医学書である「黄帝内経」の中で、「聖人不治已病治未病:聖人は既病(きびょう)を治すのではなく、未病を治す」名医はすでに病気になってから治療するのではなく、病気に至らないうちに治療を行い、病気を起こさせないという意味です。

すなわち、未病を治療できる医師が優れた医師であると、中国では漢の時代にすでに言われていたのです。

貝原益軒
花菱, CC BY-SA 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0, via Wikimedia Commons

わが国でも、江戸時代初期に記された貝原益軒の「養生訓」に、「養生の道は、病気に罹る前に謹むにあり」との一節があります。

生活習慣病は食事や運動を改善することで良くなります。これからは自分の健康は自分で守っていく時代で、医師に頼りきりになるのではなく、自分の「意志」が試されると思います。

心臓の血管が詰まり始めると予兆を感じることも

心臓の血管が動脈硬化で詰まり始めると以下のような症状が出ることがあります。首こりや肩こり、腕や背中の痛みめまいなど一見すると筋骨格系に原因がある症状ですが、心臓の関連痛ということがあるので注意が必要です。

  • 胸、首、左肩、腕、胃、下あご、左の奥歯、背中などがひどく病む
  • 動悸や息切れ、吐き気がする。
  • のどが詰まる感じがする。
  • めまいがする。
  • 手足がしびれる。
  • 足がむくむ。
  • 激しく汗をかく。

この様な症状が出たら病院に行って心臓の検査を受けましょう。

脳と動脈硬化

動脈硬化の症状を最も強く受けるのは脳の血管です。脳の病気を知らせる前触れには以下のものがあります。

  • 物が二重に見える。
  • 手足が痺れペンや箸などを落とす。
  • 舌がもつれ、言葉がうまく出てこない。
  • 食べ物が飲み込みにくくなる。
  • めまいがする。
  • 頭痛がする。

この様な症状が出たらすぐに専門病院に行きましょう。

大動脈瘤・大動脈解離・閉塞性動脈硬化症

大動脈瘤や大動脈解離、閉塞性動脈硬化症という病気は命にかかわる病気ですが、これらも動脈硬化が原因で起こる疾患です。閉塞性動脈硬化症の症状は、細い血管や、末梢血管に動脈硬化が起こる病気で、下肢に起こることが多く、足の冷え、痺れ、歩行時の足の痛みなどの症状が表れることがあり、脊柱管狭窄症坐骨神経痛などと間違われることもありますので注意が必要です。

脂質異常症と膵炎・胆石

膵液が膵臓自身を消化しようとするのが急性膵炎です。40~50歳代以上の男性に多く見られます。軽いと腹痛だけですが、重いとお腹や背中を激痛が襲います。

胆石にはコレステロールを主成分とするコレステロール系結石があります。体内の消化しきれなかったコレステロールが結晶化すると考えられています。

中性脂肪と食生活

中性脂肪を増やさないために、食生活を見直すことが大切です。以下を参考にしてください。

  • 朝食をとる。
  • 夜遅く食事をとらない。
  • まとめ食いはやめる。
  • 早食いをやめる。
  • 食べる順序を野菜、海藻類の様に糖質の少ないものから食べる。
  • もったいないをやめる。(食べ過ぎになる)
  • ご飯や甘いもの果物などをできるだけ控える。
  • 食事日記をつける(食事内容、時間、場所など)冷たい飲み物を控える。(血液の流れを悪くし、ドロドロにしてしまう→内臓脂肪をため込む要因になる)
  • GI値(グリセミック・インデックス:血糖値の上がるスピードを数値化したもので55以下を低GI食品としています。)の低い食品を食べる。

GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています。

GI値の高いものの例

  • フランスパン 93
  • 食パン 91
  • 精白米 84
  • うどん(生)80
  • じゃがいも 90
  • にんじん 80
  • キャンディー 108
  • チョコレート 91
  • ドーナツ 86
  • ケーキ 82~75

☆GI値だけでは語れないのは、その食品の総カロリー数がどうかも大切だからです。

余った炭水化物(=糖質)は、体内に中性脂肪として蓄積される。フルーツやスイーツ、ごはん、パン、麺類、ジュースは糖質が多く含まれるので、一度にたくさん摂り過ぎないよう注意が必要です。

フルーツの果糖が脂肪をつくる

果糖は肝臓に運ばれ、脂肪になります。現在、「酸化」とともに「糖化」が注目されています。果糖やブドウ糖などの糖質が、血液や皮膚のタンパク質と結合して、老化の原因となる。

果糖はブドウ糖の10倍も糖化を起こしやすい。最近の果物は甘くなるように品種改良がされていますので、食べ過ぎは注意が必要です。

食物繊維は不足しがちな栄養素

食物繊維には次の2種類があります。

  • 水溶性食物繊維…コレステロールや中性脂肪を排出する作用がある。海藻、こんにゃく、山芋、きのこ、オクラ、リンゴ、バナナ、レモンなど。
  • 不溶性食物繊維…便秘解消効果あり。野菜、きのこ類

ビタミン・ミネラル

LDLコレステロールが活性酸素によって酸化されると動脈硬化が進行します。

  • 抗酸化物質…赤ワインやお茶に含まれるポリフェノール、緑黄色野菜の天然色素であるカロチノイドやフラボノイド、アントシアニンなどが抗酸化物質の代表的なもの。

とくにβ―カロテン、ビタミンC、ビタミンEの3大抗酸化ビタミンは、活性酸素を除去して、LDLコレステロールの酸化を防ぐ作用がある。

また、ビタミンB群もエネルギーの代謝に深くかかわるため、動脈硬化だけでなく肥満の予防にも効果があります。

ミネラルも代謝には大変重要で、体内では合成されない必須ミネラルがあります。

主要ミネラル…ナトリウム、塩素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、イオウ

微量ミネラル…鉄、亜鉛、銅、マンガン、コバルト、クロム、ヨウ素、モリブデン、セレン

栄養補給は食事が基本。不足が気になる場合、サプリを活用。

お酒は適量であれば動脈硬化を予防する効果もありますので、飲める人は楽しんでご活用ください。

コレステロールと中性脂肪を整える食べ物

コレステロールや中性脂肪を整える食べ物、それは「オサカナスキヤネ」の食品です。

  • オ…お茶(農薬注意)、(オリーブオイルを加えてもよい)
  • サ…魚
  • カ…海藻
  • ナ…納豆(※)
  • ス…酢(黒酢やバルサミコ酢は良い)
  • キ…きのこ
  • ヤ…野菜
  • ネ…ネギ類

※納豆にはナットウキナーゼが含まれているから、血栓溶解に効果的との記載がありましたが、酵素はタンパク質ですので、消化管でアミノ酸に分解されてしまいます。ですから、納豆を食べたから血栓が解けるとは考えられません。

医療用の繊維素溶解酵素剤のウロキナーゼも静脈注射で直接血管内に入れるのです。納豆を食べて血栓が消えるとなれば、ウロキナーゼも注射でなく飲んでも効くということになります。

しかし、納豆にはそのほかの良い部分もたくさんありますので、食べた方がいいと思います。

その他のおすすめ食品

豆腐…豆腐のタンパク質グリシニンに中性脂肪を減らす効果がある。大豆レシチンはHDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす作用があります。

羊肉…L-カルニチンを含む羊肉がおすすめで、脂肪燃焼や脳の活動を活発にする作用があります。

運動

運動には動脈硬化の予防効果があります。筋肉トレーニング、有酸素運動、ストレッチなどを交えて適度な運動を楽しんで行うとよいでしょう。

運動は腰痛肩こりの改善にも有効です!

あとは睡眠、入浴をうまく活用し、ストレスを減らし、禁煙を実践するとさらに効果が高まります。

まとめ

コレステロールや中性脂肪、動脈硬化の改善には、病気が悪くなる前に「未病」の段階で予防に努めるのが一番です。

安易に薬に頼るのではなく、食生活の改善や運動、睡眠などの生活習慣を改めることで改善できます。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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