最高の体調

健康の原点は、狩猟採集民の生活にある!

今回ご紹介する書籍は、「最高の体調」 鈴木 祐 著 、発行:クロスメディア・パブリッシングです。

文明病が体を蝕んでいくということで、現代社会の中に病気になる原因が潜んでいると考えられます。

アメリカ疾病管理予防センターによると、1950年代の肥満率は10%を下回るレベルだったのが、2010年代には、35%まではねあがりました。

また、1890年代までさかのぼれば、肥満そのものが珍しかったということで、例えば相撲取りの小結ぐらいの体形でも「異常者」として扱われ、見世物小屋で働かされたとの記録があるそうです。

では、肥満の原因を社会が豊かになって、食べ過ぎと運動不足という個人に責任をなすりつけて問題が解決するのでしょうか?

そこで登場したのが、「進化医学」というものです。進化論をベースに人間の病気の正体を考えていく学問のことで、ダーウィニアン・メディスンとも呼ばれています。

現在の人類の基礎が形作られたのは、およそ680~700万年前で、1~2万年前にようやく石器時代から農耕生活に移動します。

そうすると、少なく見積もっても、人類は600万年にわたって狩猟採集生活を続けてきたことになります。そのため進化の過程で古代の環境に最適化しています。

人類は自然の中で獲物を追い、太陽の運行とともに暮らし、少数の仲間と語り合うようなシンプルな生活に本質的にはなじんでいるのです。ヒトの脳と体はそんな環境の中でこそパフォーマンスを最大限に発揮する様に進化してきたのです。

肥満研究の第一人者、ブルース・キング教授は、「人間の消化器系・感覚(味覚と嗅覚)・脳の食欲中枢は、およそ200万年前に発達した。これらの機能は、古代の狩猟採集民たちが暮らした環境に適応している。ほとんどカロリーが低い食品しかなく、食事にありつけないことも多かった時代だ。そのため私たちの脳の報酬系は出来るだけカロリーの高い食べ物を探すように進化した。ところが、現代の先進国に住む人間は、食料の豊富な『肥満環境』に生きている」

人類に備わった生存システムが現代の豊かな環境ではうまく働かず、古代ではありえなかった「肥満」という現象が現れたというわけで、人類の進化と現代のミスマッチが進化医学の根幹になるのです。

しかし、もともとヒトはハイカロリーな食事を好むように設計されているので、意志の力だけで肥満に立ち向かうのは時間のムダです。

次に、長寿と炎症についてのお話です。1997年、フランスのアルルでジャンヌカルマン氏が122歳で息を引き取りました。彼女は「世界一の長寿」としてギネスブックに認定された人物で、85歳でフェンシングをはじめ、100歳まで自転車でパリの街を走り抜け、114歳では女優として見事なセリフ回しを披露しました。

日本でも、2017年に105歳で亡くなった日野原重明医師が有名でしょう。それでは、カルマン氏や日野原医師のようなスーパー高齢者は、何が違うのでしょうか?

2016年、慶応大学医学部のチームが、スーパー高齢者の調査を行った結果、体の炎症レベルが異常に低いことがわかりました。このことから、健康的に年を取るには、『炎症対策』が大切になることが分かります。

炎症で最近注目されているのが、慢性炎症です。

慢性炎症で特に注意しなくてはいけないのが内臓脂肪で、内臓脂肪が分泌する炎症物質が臓器に炎症を引き起こします。

体調と炎症の関連も注目され、体調不良の場合は、体内の炎症がかなり進んでいる可能性があるのです。

では狩猟採集民の炎症状態はどうかというと、1989年人類学者のスタファン・リンデベリ氏は、パプアニューギニアで暮らすキタヴァ族のフィールドワークを実施しました。

220人に血液検査などを行ったところ、脳卒中や動脈硬化にかかるケースはなく、糖尿病の発症率はおよそ1%ほど(日本の発症率は15%)。

80代の高齢者が認知症にかかることもなく、癌の割合もほぼゼロに近い状態でした。その他のフィールドワークでも、伝統的な部族には慢性炎症に由来する病気がほぼ存在しないと報告されています。

  • 狩猟採集民=外傷や感染による短中期的な炎症がメイン。激しい発熱や嘔吐など周囲が見てわかる症状が出る。
  • 現代の日本人=体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン。誰にでもわかるような症状は表に出ず、少しずつ不調が進行する。

狩猟採集の民族と私たち日本人との違いは何なのでしょう?その判断に使える考え方を以下に示します。

  • 多すぎる:古代には少なかったものが、現代では豊富過ぎる。
  • 少なすぎる:古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる。
  • 新しすぎる:古代には存在していなかったが、近代になって表れた。

例えば、「多すぎる」の代表例は「カロリー」です。私たちの脳と体は「低カロリー」には対応できるが、「高カロリー」を処理するようには設計されていません。

次に睡眠と炎症について考えてみたいと思います。カリフォルニア大学が2016年に72件のデータをメタ分析したところ、次のような結果が得られました。

  • 平均の睡眠時間が1日7~9時間の範囲を逸脱すると体内の炎症マーカーが激増する。
  • 夜中に何度も目が覚めてしまうような場合も、体内の炎症は増える。

2015年、人類学者のジェローム・シーゲル氏は、ナミビアやタンザニアで狩猟採集民の睡眠を調査しました。

彼らの平均睡眠時間は6.9~8.5時間で、この点は先進国と変わりません。しかし、睡眠のパターンは正確で、日暮れから3時間後には必ず眠り、毎朝7時には自然と目を覚まします。

夜中に何度も目が覚めてしまうケースは一度も確認されず、みな一晩で完全に体力を取り戻していました。

炎症と関連のあるのは、物質的なものばかりでなく、「孤独」などメンタル的なものも関係するのです。

2015年にプリガムヤング大学が行ったメタ分析により、孤独感はタバコや肥満と同じくらい全身に炎症を起こし、早死にのリスクを高めることが分かっています。

孤独とともに不安という感情も健康に大変関係があるのです。2013年にワシントン大学が44カ国のデータをまとめたメタ分析の結果、不安障害を患う人の数は全世界で13人に1人もの割合に達するとのことです。

日本でも2011年の厚労省調べでは、不安障害の治療を受けている患者の数はおよそ157万人に上ります。

不安障害が文明病と呼ばれる理由は、2017年にWHOが世界26カ国で行った調査では、不安障害の患者数はアメリカやオーストラリアでは、8%前後だったのに対し、ナイジェリアのような発展途上国ではたったの0.1%にしか過ぎないのです。

現代の先進国の人々と、狩猟採集民の人とは、不安の質が違うといわれています。先進国の人の不安は「ぼんやりした不安」で、狩猟採集民の不安は「はっきりした不安」が多いそうです。

例えば狩猟採集民の生活では、猛獣に襲われれば戦うか逃げるかの二者択一を選ぶしかありません。食べ物が見つからなければ、サバンナを探し回るか、飢えを我慢するだけです。もし病気になっても、休息か栄養を摂る以外に選択肢はありません。これらはどれもシンプルで対処しやすいという利点があります。

いっぽう我々日本人は様々な悩みを抱えています。仕事もブラック企業であったり、年功序列や終身雇用も崩れ、だれもがリストラの対象になりえる時代です。

さらに、SNSの発達により多くの人とつながれるようになりましたが、その反面、様々なトラブルも多くなりました。

不安は記憶力、判断力を奪い、死期を早めるというデータも出ています。

現代人がここまで不安をこじらせたのは何故でしょう?

人類の進化の中で不安の機能とは、「アラーム」の役割と著者は述べています。生存の危機に対し、事前に対策をとれるようアラームを鳴らすのです。

不安の機能が分かったところで、「現代の不安における遺伝のミスマッチとは?」の問題ですが、その答えは「未来の遠さ」です。

古代人類のターニングポイントは農耕の開始です。狩猟採集民が農耕生活を始めたのは1万1000年~2万3000年前のことです。農耕がもたらした変化の中で、もっとも現代人への影響が大きいのが「時間感覚の変化」です。

農耕を効率よく進めるためには、長期的なタイムフレームが欠かせません。狩猟採集民の場合は、今日明日の心配が主だったのが、農耕が始まってからは「遠い未来」を心配する様になったのです。(種を蒔いてから収穫するまで長い時間がかかる様になった)

農耕によって食料が安定して確保できるようになり、狩猟採集の様に今日明日の心配をしなくてよくなりました。しかし、ヒトにはもともと「心配」や「不安」をもつという本能が残っています。

飢餓の心配がなくなっても、漠然とした心配が残ります。これが現代型の不安や心配なのではないでしょうか?

結局ヒトは、心配性なので、生活が豊かになってハッキリとした心配の原因がなくなっても、その中でまた心配の原因を探してしまうのではないかと思います。

この心配や不安が炎症と結びつくということなので、今を生きることに集中してある意味狩猟採集民に見習う必要があると思います。

ある精神科医の調査によると、人が思い煩うことの40パーセントは絶対に起こり得ないこと、30パーセントはどうすることもできない過去の出来事、12パーセントは人から受けた批判(それもほとんど事実無根の話ばかり)、10パーセントは自分の健康のこと(心配すればするほど健康状態が悪くなるのだが)、8パーセントは実際に直面 する可能性のある問題だそうです。

 イエスは弟子たちに、「何を食べようか、何を飲もうか、何を着ようかと言って、思い煩うな。 明日のことまで思い煩うな」と言います。(マタイによる福音書6章25~34節)

また私の尊敬する、中村天風師が次のような言葉を残しています。

さしあたる事柄のみをただ思え 過去は及ばず 未来は知られず

中村天風師は苦労厳禁といってます。苦労とは「過去」「現在」「未来」の苦労を指し、過ぎ去った過去をくよくよすることも、現在の苦労も、未来の取り越し苦労も禁じていました。なかなか出来ないことですが、健康と幸せのためにはそうありたいと思っています。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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2019年4月8日 | カテゴリー : 肩こり | 投稿者 : mts