思い立ったが吉日?

私が、東京から札幌に移り住んで、約19年が経ち、カイロプラクティックオステオパシー、整体治療の業界に入って約27年になります。

その間いろいろなことがあり過ぎて、すぐには思い出せないことも多々ありますが、治療師を志したスタート時点の事は、特に印象が強く、今でも良く思い出されます。

私は以前、東京の町田市に住んでいました。その当時、同じ東京の足立区に有った「シオカワ・スクール・オブ・カイロプラクティック:(通称、塩川スクール)」というカイロプラクティックの専門学校に通っていたのです。

この学校の塩川満章学長は、戦後の日本人としては初のカイロプラクターで、アメリカのパーマー大学を卒業した方です。

この学校の最寄り駅は、漫画、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で有名な亀有駅でした。町田と亀有では、同じ東京でも電車で1時間半以上、歩きや乗り継ぎ時間もいれたら、2時間位かかる距離です。

塩川スクールは、2年制で、1年目は往復4時間の道のりを何とか通っていました。私は夜間部でしたので、授業が夜の9時に終わり、家に帰ったら、いつも11時過ぎという状態です。

そんな生活の中で、茨城県取手市にあった、塩川スクールの講師を務めていた先生の治療院へも、朝から見学に行ったりしていたこともあるので、寝不足でフラフラでした。

時間的な機会損失とともに、交通費もバカにならないので、いっその事、塩川スクールの近くに引っ越そうと考えアパートを探すことにしました。

貯金も僅かしかなかったので、できるだけ安いアパートを、ということで、いろいろな不動産屋を回り、かなり怪しいアパートも何件か案内されました。

一軒目は、体格のいい50代くらいの女性に案内され、かなり年季の入ったアパートに行きました。そこは珍しく、玄関が土間になっていました。靴を脱いで中に入ると、長い廊下の左右に各部屋があり、ここの住人は、人目を気にせず、戸が開けっ放しの部屋もいくつかあった。

肉体労働者の様な人が横になってテレビを見ていたり、散らかった部屋で昼間からゴロゴロしている人がいたりと、そこには、かなり退廃的な空気が漂っていました。案内された部屋は、六畳一間で古ぼけた部屋でしたが、畳だけは新品の青畳で、そのコントラストが印象的でした。外の景色を見ようと、窓を開けたら目の前に、真っ赤に錆びた鉄屑が、山のように積まれていました。これを見た私は、「ここに住むことは無いな・・・」と心の中でつぶやきました。

帰り際、玄関で靴を履いていたら、晩秋だというのに、黒光りしたゴキブリがよろよろと出てきたのです。

ゴキブリ

すると、不動産屋の巨漢の女性が、「なんでこんなところに出てくるんだ!」と、言わんばかりに、桜島大根の様な、立派なふくらはぎをした足で、思いっきりゴキちゃんを踏みつぶしたのです。

こんな光景をまのあたりにして、さすがに私も気分が悪くなり、逃げるようにその不動産屋の女性と別れました。

二軒目は、別の不動産屋に案内されたアパートで、部屋は、可も無く不可も無くと言った印象でしたが、何となくジメジメした感じで、直観的に、いや~な感じがしました。

そのアパートに行った後、無性に足がかゆくなり、靴下を脱ぎ、ズボンをまくり上げてみたら、ダニに食われた様に赤い発疹が幾つも出来てたのです。ここにも絶対住めないと思いました。

やはり低料金だと、それなりの部屋しかないのかと、落ち込みながらも、何件かの不動産屋をその後も数回に分けて回りました。

そしてようやく、まともそうなアパートを見つけることができました。「東和荘」という名の2階建てのアパートです。不動産屋に案内を依頼したら、鍵と地図を渡され、一人で見に行くように言われました。ぶっきらぼうな対応でしたが、安アパートなので仕方が無いなと思い、地図を片手に下見に行くことにしました。

鉄の階段を上がった2階の部屋で、日当たりも良く、塩川スクールからも近かったので、ここに住むことに決めました。

六畳一間に、トイレと小さなキッチンが付いて、家賃は3万2千円。当時の私が払える上限です。

契約を交わしたのが、暮れも差し迫っていた時期で、鍵をもらっていたので、友達から車を借りて、前もって何回かに分け、荷物を運びこんでおきました。だけど、布団だけは一組しか持っていないので、運んでいませんでした。(これが、この後の苦労に繋がるとは知る由もありません)

私は、臆病者でありながらも、思い立ったらすぐに行動してしまうという二面性を持っております。引っ越しは年明けと思っていましたが、大晦日の夜、何故か、「よし、今から家を出る!」という直観が働き、町田を後にすることにしました。

といっても、あちらには、布団が無いので、とりあえず手で持っていける掛布団と毛布だけを無理やり大きな袋に押し込んでの出発です。

町田から小田急線に乗り、代々木上原で千代田線(常磐線直通)に乗り換え、亀有駅まで行く予定でした。ところがこの後、予定は、変更せざるをえなくなったのです。

なんと、私が乗っていた電車は、下北沢止まりになり、代々木上原を目の前にして、降車することになったのです。今思い返すとこれが終電だったような気がします。(大晦日の特別ダイヤだったのかな?)

仕方がないので、ここから歩いて亀有まで行くことに決めました。手には布団を持って。何とかなるだろうと安易な考えで、おおよその方向だけを頼りに、歩きはじめたのです。

ここからが長い夜の始まりになります。

次号に続く。

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