腰痛は蓄積される

なぜ腰痛が発生するのでしょうか?
結論から言いますと、それは腰に蓄積疲労があるからです。まずは腰に疲労を溜めない方法を学び、溜まってしまった疲労はできるだけ早く解消することが大切です。
いわゆる腰痛に関する負の借金がある状態を清算すればよいのです。
それではこれから腰痛借金の清算法をお伝えさせていただきます。
腰痛治療とは
腰痛の治し方で一番大切なことは、体の中心軸を整えることです。
参考書籍は、「腰痛借金」 松平 浩 + 勝平純司 共著 辰巳出版です。
日本の腰痛持ちの方の総数(40歳以上)は、推計で2800万人と言われます。平成25年度国民生活基礎調査によると、腰痛を訴える方の数は女性は2番目、男性はトップとなり、腰痛は国民病であると言えます。
実は現代西洋医学で腰痛の原因がわかっているものが全体の15%で、残りの85%は原因がわからないのです。
当院に来てくださる患者様の主訴で最も多いのは腰痛で、西洋医学では原因のわからないとされる85%の腰痛に対しても、その改善のために施術をさせて頂いております。
整体、カイロプラクティック、オステオパシーなどでは、腰痛治療といっても、腰だけを治すのではなく、全身のバランスを重視します。
一部は全体とつながっていますので、たとえ腰痛といえども、腰以外の部位への施術で治療することもあるのです。谷井治療室でも「木を見て森を見ず」にならないように気を付け、たとえ腰痛と言えども、腰以外に原因が潜んでいることを念頭に診断施術をさせていただいております。
幸い、当院の診断法の一つであるキネシオロジー(筋肉反応テスト)によって腰痛の患者様の施術部位を調べると、患部も大切ですが、それ以外の部位も施術の対象になることがほとんどなのです。
腰痛だからといって、腰の治療しかしないと、根本原因が変わらないので、腰痛が治らないだけでなく、再発を繰り返してしまうのです。
結論として、腰痛は全身バランスを整えないと治らないということです。全身のバランスと腰痛との関係を次にご説明いたします。
腰痛の治療テクニック
腰痛治療にはカイロプラクティックとオステオパシーの手技が大変有効になります。
骨盤の仙腸関節(せんちょうかんせつ)の矯正に対しても、4~5パターンの施術法があります。そして、腰椎の矯正にも同じく複数の施術方法があり、どの方法が必要かは個別にキネシオロジー(筋肉反応テスト)で調べて決めます。
なぜこのように多くの治療法があるのかというと、骨盤や腰椎の歪みはには複数のタイプがあるからです。
仙腸関節は表層は靱帯で補強され、深層は硝子軟骨という構造です。施術は表層の靱帯に対するものと、深層の軟骨に対するものを分けて行います。
これにより様々な仙腸関節の機能障害に対応できるのです。
このような考えは、仙腸関節だけでなく腰椎やその他全身の関節にも当てはまります。
限られた治療テクニックにすべての腰痛患者様を当てはめることは良くないのです。
お一人お一人の腰痛のタイプに合わせて、最も適した治療法を選択していきます。
カイロプラクティックの治療法の中に、SOT(仙骨後頭骨テクニック)というものがあります。この治療法では人間を大きく3つのカテゴリーに分類します。この分類によって同じ腰痛でもそれぞれ原因となる施術個所や治療法が違ってくるのです。
谷井治療室では、さらにそれを細分化し、SOT以外にもAKA療法(関節運動学的アプローチ)なども行い、腰痛改善の最短コースを目指します。
腰の疲労「腰痛借金」
腰痛借金とは、腰痛を発生させる「蓄積された負担」のことだと筆者は述べています。
腰痛借金は以下のように大きく3つのタイプに分けられます。
- 背骨に溜まる腰痛借金…整体、カイロプラクティック、オステオパシー
- 筋に溜まる腰痛借金…筋膜リリース、ストレッチ、運動
- 心に溜まる腰痛借金…ストレス解消、マインドフルネス、睡眠、適切な食事
背骨や筋肉に溜まる腰痛借金の解消に、整体治療やカイロプラクティック、オステオパシーなどの手技療法は大変有効です。
また、心の腰痛借金に対しても、全身のバランスを整え、身体を緩めることが有効で、体が緩むと心も緩む「心身相関」の関係にあります。
背骨に溜まる腰痛借金とは、椎骨(ついこつ:背骨を構成する骨)、椎間板(ついかんばん:椎骨と椎骨の間にあるクッション)、靭帯(じんたい:背骨を支える組織)への負担や傷によるものです。
例えばぎっくり腰などは、椎間板の中のゼリー状の髄核(ずいかく)が移動した際に周りの繊維輪(せんいりん)を傷つけ、これが一気に広がったものです。
椎間板ヘルニアは、髄核がズレた状態を放置したまま負担がかかったため、繊維輪から髄核が飛び出し、神経を刺激してしまった結果、炎症が起きて痛みが出るものです。
次に筋に溜まる腰痛借金とは、背骨を支える腹筋と背筋の中の主に背筋の筋収縮が持続した結果、筋の血流が悪くなり、筋が酸欠状態になるものです。この状態では筋肉に疲労物質が蓄積されてしまいます。
背筋とは、主に脊柱起立筋のことで、棘筋(きょくきん)、最長筋(さいちょうきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)などになります。
三番目に、心に溜まる腰痛借金についてです。腰痛は肉体的なものだけでなく、精神的なストレスでも起こるのです。腰痛以外でも、睡眠障害・疲労感、めまい・耳鳴り、息苦しさ・動悸、胃腸の不調、頭痛、肩こり、手足のしびれ・筋肉痛など精神的なストレスで様々な症状が発生します。
実際にはこれら3つの要素が絡み合って腰痛借金が増えているのです。
腰痛とシーソーの原理
それでは、背骨と筋に腰痛借金が溜まるメカニズムについてお伝えいたします。




腰にかかる負担は、シーソーの原理(テコの原理)を用いると理解しやすくなります。
これを人間の「腰」に当てはめて考えてみます。支点を第4第5腰椎の間として考えると、上半身の重さが、体の前方にシーソーを回転させる力になります。(上図)
上半身が深く前屈みになるほど、上半身の支点の位置は身体の支点から遠くなり、前方に回転する力が大きくなります。そして体重が重ければ重いほど、上半身に生じる力も大きくなります。
こうして前方に回転する力がかかる場合、腰は上半身を支えるために、後方に回転させる力を生み出さなければなりません。この力を生み出すのは、主に背筋です。
前屈みで背筋を使い続け、筋に疲労が蓄積すると「筋に溜まる腰痛借金」が増えてしまうのです。
この様な理由から、腰痛を治すには、前かがみの姿勢を長時間続けることを避け腰に疲労を蓄積させないことが大切です。
椎間板を押しつぶす力
「椎間板を押しつぶす力」は、「シーソーの支点にかかる力」で、シーソーの両端にかかる力の合計が、椎間板を押しつぶす力になります。つまり背筋の力も椎間板を押しつぶす力として働いてしまうのです。
例えば、体重70kgの男性が角度30度のおじぎ姿勢になると、椎間板を押しつぶす力は130kgにもなります。
この押しつぶす力に椎間板が耐えられないと、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアになってしまいます。
また前後方向にズレる力がかかると、腰椎分離すべり症や変性すべり症などが発症する可能性があります。


有名な研究によると、20kgの物体を床から持ち上げる時、椎間板を押しつぶす力は、340kgを超えるそうです。
またある研究では、60kgの他人を持ち上げ、ベッドから車いすに移動させる場合は、椎間板を押しつぶす力が実に500kgを超えるというのです。
この様なことから、重いものを持ち上げたり運搬するときの姿勢や体制は大変重要になります。
整体治療でせっかくバランスを整えても、作業姿勢や体制が悪いと腰痛を治すどころではなく、再発を繰り返してしまうのです。
腰痛を治すには患者様自らも、日常の体の使い方に気を付け、腰に無理な負荷をかけないことです。


上の表の様に、椎間板は年齢を重ねるごとに圧力に対して弱くなってきます。また、特に女性は高齢になると骨粗しょう症をかかえることが多く、重いものを持ち上げる瞬間だけでなく、ちょっとした動作でも骨折のリスクもありますので注意が必要です。
年齢とともに治癒力も低下し、腰痛も治りにくくなりますので、若いころから腰痛借金をためないよう工夫することが大切です!
腰痛を治す上で自分でできることでは、姿勢を気を付けたり、体の使い方の改善などがあります。それとともに、整体治療で体のバランスを整え、腰椎や椎間板にかかる圧力を適正にすることも大切です!
札幌 谷井治療室では、独自のキネシオロジー(筋肉反応テスト)により、腰痛の原因となるバランスの崩れた部位を的確に診断します。
そして、オステオパシー、カイロプラクティックなどの手技を用いて、的確に腰痛治療を行います。
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