腰痛の原因

脳がつくる腰痛イメージ画像

厚生労働省による国民生活基礎調査では腰痛は有訴者率の首位にあり、日本人に最も多いのは腰痛だということがわかります。日本の「国民病」とも呼ばれ、統計上1000万人を超える日本人が、慢性腰痛に悩んでいる計算になります。

厄介なことにこの腰痛のほとんどが原因不明となっているのです。これを専門的には「非特異的腰痛」と呼び、非特異的とは原因不明ということです。

原因がわからないため、病院では痛み止めの薬を処方するか、消炎鎮痛の湿布をはるなどの対症療法しかなく、根本的な治療がなされないため腰痛患者は病院をぐるぐる回り、ドクターショッピングを繰り返したり整骨院などに行ったりと、腰痛難民化してしまっているのです。

腰痛の種類

腰痛を大別すると、次のような分類になります。

  1. 骨や筋肉など肉体的に異常がある場合
  2. 画像診断では原因不明ですが、体のどこかに腰痛の原因がある場合
  3. ストレス性、心因性の腰痛

1の腰痛は椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症など明らかな原因が画像診断などで分かるものです。2の腰痛は原因が特定できないもので、ほとんどの腰痛がここに入ります。3の腰痛は心理社会的要因(ストレス)と考えられています。

脳で感じる腰痛

人間の体の感覚は脳で感じています。例えば腰をぶつけたりした場合、感覚器からの電気信号が神経を通じて脳に送られ、「腰を打撲した」という状況を脳が把握し、初めて痛みを感じるのです(侵害受容性疼痛)。

しかし、腰を打撲してなくても、腰から脳までつながる神経の異常によって痛みを感じたり(神経障害性疼痛)、脳の異常(脳の誤作動記憶)によって痛みを感じたり(非器質性疼痛)することもあります。

強い精神的ストレスを長期間受けていると、腰に異常がなくても、腰痛を発症することがあるのです。当院の患者さんの中にも、夫婦喧嘩で激高した後にぎっくり腰になった患者さんもいます。

その方は、学生時代にもぎっくり腰になっているのですが、たまたま泥棒を見つけたとき、怒りがこみあげてきて追いかけようとしたときにぎっくり腰になったそうです。

怒りやストレスといった心因性の問題がこれほどまでに腰痛と関わっていることには驚きでした。

ややこしい慢性疼痛患者は、脳内ドーパミンシステムの不具合が主因!

出典:厚生労働省

上のイラストの患者さんの訴えを、以下にまとめましたのでご覧ください。

  • 腰だけでなく、身体全体が重くて、歩行するのがやっとです。
  • 時々針で刺したような鋭い痛みが走る。
  • 膝から下の部分に激しい痺れがあり感覚が鈍い(熱や暑さに鈍く、冷たさに敏感である)
  • 右足のふくらはぎの部分がとても重く、しかも足首より下が自分の足の感覚がない。

長期間ストレスがかかり続けると、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの分泌に異常をきたし、腰痛だけでなく全身性の様々な症状が出るようになります。

ドーパミン神経系
脳内報酬系(ドーパミン神経系)

ドーパミンは、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関係します。ドーパミンは快感との関係があり「報酬系のホルモン」と呼ばれることもあります。

セロトニンも脳内の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる働きをするほか、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与します。近年セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれるようになり注目を集めています。

強いストレス下では、ドーパミンやセロトニンの分泌が悪くなり、うつなどの気分障害が出たり、痛みやしびれなどの不快な身体症状に悩まされることもあるのです。

ストレス性の腰痛はこの様な流れの中で起こることもあるのです。

ストレス性腰痛の治し方

脳内でつくり出されるストレス性の腰痛にはドーパミンやセロトニンが深くかかわっていますので、ストレスとうまく付き合うことで、ドーパミンやセロトニンが正常に分泌されるようになり、気分障害や腰痛をはじめとする全身症状の改善に結びつくのです。

まずはストレスがかかるような出来事があったら、その出来事をノートなどに書き記して客観的にそれを分析してみることです。そのようにすると、ものごとを俯瞰してみることができ落ち着いて正しい解釈や判断ができるようになります。

次に、ドーパミン分泌を促す良い方法の一つに、自分がワクワクするような「好きな音楽を聴く」ことが効果的です。3曲位このような音楽を聴いていると、ドーパミンが分泌されやすくなりますのでお試しください。

セロトニンを増やすには、一定のリズミカルな運動が良いとされています。その代表が歩行です。一定のリズムで軽快に風を切りウォーキングすることは、セロトニン分泌にとても有効です。

腹式呼吸も一定のリズムで呼吸筋の運動を行いますのでとても有効です。口をすぼめて長くゆっくり吐くことを意識してください。吸うときはできれば鼻から吸うようにするとより効果的です。

咀嚼も効果があるといわれていますので、ご飯を食べるときは感謝してゆっくりとよく噛んで良く味わっていただくと心も落ち着いてきます。

とにかく腰痛対策としては、日常のストレス対策が必要不可欠です。ストレスを溜めすぎないようにいろいろと対策をとってみてください。

脳の誤作動記憶とPCRT(心身条件反射療法)

腰痛は脳内でつくられるというお話の最後に、「脳の誤作動記憶」についてお伝えさせていただきます。人間は様々な刺激を受けています。例えば、五感から感じる刺激もそうですし、精神的な刺激もすべて脳で情報処理を行っています。

これらの情報の脳へのインプットが正常に行われていればよいのですが、脳への無意識のインプットにエラーが起きると脳に「誤作動」が起こります。「誤作動」を脳が「学習記憶」したとき、慢性症状が繰り返されます。

この様に脳に誤作動の記憶が起こると、その脳が支配している神経系に異常が起きます。そして神経系に異常が起きると、その神経が支配している筋肉にバランスの異常が起きます。筋肉のアンバランスは、背骨を歪め、その結果として腰痛が起こるのです。

この場合結果としての背骨の歪みや筋肉のアンバランスだけを治療しても、その効果は一時的なもので、より高次の脳からの誤作動信号が出続けていますので、慢性腰痛などの症状はまたぶり返してしまいます。

PCRT(心身条件反射療法)では、この脳の誤作動記憶に関わるエネルギーブロックをフィンガーテストや下肢反応検査法、筋反応検査法を用いて調べます。

これらの検査法で「メンタル系」に関係する脳の誤作動も検査して治療を行いますので、ストレス性の腰痛の原因と追究することができます。

当院の腰痛治療

腰痛は筋骨格的な問題である骨や筋肉、靱帯や軟骨、椎間板などに対するアプローチが一般的です。更にカイロプラクティック的には、神経伝達の異常を治すということを主眼に置いて、背骨や骨盤や頭蓋骨なども調整します。

通常の施術ではこのような範囲までの治療になり、それより深い部分の治療には踏み込めませんでした。メンタル系の問題は、精神科や心理カウンセラーなどの領域になりそれらの医療と我々の治療法を組み合わせて行う「集学的治療」を行う医療施設は私の知る限りではないと思います。

腰痛に対する集学的治療は、少数ですが存在するようです。ただ、整形外科と精神科が連携して「認知行動療法」も取り入れて実施している医療機関が全国でも限られているうえ、現在では保険適用になっていないのが現状です。

私が調べた医療機関でも、腰痛に対する集学的治療を受けるには、3週間ほどの入院が必要で、ほかの腰痛の入院治療と同じくらいの医療費(自己負担が3割の場合、21万円が目安)がかかるとのことです。

当院ではPCRTの手法を行うことで、筋骨格的治療からメンタル系の治療までをカバーできますので、ある意味での腰痛に対する集学的治療が行えているのです。

どこに行ってもなかなか治らない慢性腰痛は実は脳の誤作動記憶が原因かもしれません。PCRTが皆様の腰痛改善のお役に立てれば幸いです。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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