頭の位置が変わると咬み合わせも変化することがあります

頭の位置と咬み合わせの関係を表したCGイメージ。頚椎のカップリングモーションと下顎のカウンターモーションによって、頭位の変化が咬合に与える影響を視覚的に解説したイラスト。

この記事では、頚椎の運動学(カップリングモーション)と、私が30年以上の臨床で観察してきた頭位と咬み合わせの関係について、研究結果と臨床経験の両面から解説します。

歯を削っても咬み合わせが安定しない」「日によって当たる歯が違う」と感じたことはありませんか。私は30年以上の臨床経験の中で、その原因の一つに頭の位置や頚椎の動きが関係していると考えるようになりました。

人間は基本的に頭と目線を水平に保とうとします。この働きには、頚椎や筋肉だけではなく、下顎も重要な役割を果たしていると私は考えています。

私は長年の臨床の中で、頭の位置が変化すると下顎の位置や噛み合わせの感覚が変化する患者さんを数多く経験してきました。

臨床上の観察から、頭の前後・左右・回旋の動きに対して下顎(下顎骨)は逆方向へ動く(カウンターモーション)ことで中心を保とうと補正するような動きを示すケースが少なくありません。

これは人体の補正作用の一つで、脳や目線を水平に保つだけでなく、頚部の動きが一方向に過剰にならないようブレーキをかける安全装置の役割も果たしていると考えます。

私は長年の臨床経験から、下顎は側頭骨からぶら下がる振り子(バランサー)のような役割を担っていると考えています。成人の下顎はおよそ1kg前後の重量があります。

私は、頭の位置が変化すると、その重心を保つように下顎もわずかに位置を変え、全身のバランス維持に関与しているのではないかと考えています。

※一般的には「噛み合わせ」と呼ばれますが、本ページでは歯科医学で用いられる「咬み合わせ」という表記を使用しています。

頚椎のカップリングモーション(カップルドモーション)とは

もう一つ頭と首との大切な関係があります。それは頚椎の随伴連動運動で、一般的にカップリングモーション(カップルドモーション)と呼ばれるものです。

人の背骨(脊柱)は、側屈時に回旋を伴い、回旋時に側屈を伴います。この運動がおこることで、運動や動作時における重心の安定と過度な関節への負担を逃がし、スムーズな円運動が行われるのです。

結果的に脳や目線が水平に保たれ、正確な動作を可能にしています。

研究で分かっている頚椎のカップリングモーション

頚椎(C1~C7)のCG解剖図|カップリングモーションと咬み合わせの関係

私たちの首(頚椎)は、一つの方向だけに単独で動いているわけではありません。

例えば、頭を右へ回旋すると、回旋だけでなく、わずかな側屈や前後方向の運動も同時に起こります。このように、一つの運動に別の運動が自然に組み合わさって起こる現象をカップリングモーション(随伴連動運動)といいます。

この概念は1905年にLovettによって提唱され、その後、多くの研究によって脊椎の運動特性として検討されてきました。

近年では、3D-MRIを用いた生体内三次元解析によって、頚椎の運動を非侵襲的に詳細に解析する研究も行われています。その結果、頭部を回旋させると、上部頚椎(後頭骨・環椎・軸椎)は回旋だけではなく、反対方向への側屈や前後方向の運動、さらにわずかな並進運動を伴うことが報告されています。

また、腰椎においても、椎間レベルによって回旋と側屈の組み合わせ方が異なることや、脊柱の姿勢や前弯の状態によってカップリングモーションの現れ方が変化することが報告されています。

このように、脊椎は単純に一方向だけへ動く構造ではなく、三次元的な連動運動を行うことが現在では広く知られています。

一方で、カップリングモーションが生じる詳細なメカニズムについては、現在も研究が続けられており、すべてが解明されているわけではありません。

  • 上部頚椎(C1,C2)は、回旋する方向と反対側への側屈を伴います。
  • 下部頚椎(C3~C7)は回旋する方向と同じ側への側屈を伴います。

このような連動運動によって、頭部の安定性や視線の維持に寄与していると考えられています。

頸部の運動には、屈曲(顎を引き下を見る)・伸展(顎を上げ上を見る)、側屈、回旋があり、上位胸椎(T1〜T4)とも協調して動きます

👉出典:大阪大学, 2006, 博士論文「Kinematics of the Upper Cervical Spine in
Rotation In Vivo Three-Dimensional Analysis

私が臨床で経験してきたこと

頚椎の傾き(側屈)と下顎骨の偏位を表した画像

私は30年以上の臨床の中で、患者さんの頭の位置を変えると、左右どちらの奥歯が先に接触するかが変化するケースを数多く経験してきました。私の臨床では以下のような傾向が観察結果からわかりました。

  • 頚部を左へ側屈させると、左側の奥歯が先に接触するケースを数多く経験しています
  • 頚部を右へ側屈させると、右側の奥歯が先に接触するケースを数多く経験しています
  • 頚部を左へ回旋すると、下顎はわずかに右方向へ補正するような動きを示すケースがあります
  • 頚部を右へ回旋すると、下顎はわずかに左方向へ補正するような動きを示すケースがあります
  • 頚部前屈(屈曲)では下顎が上方へ補正するような動きを示すことがあります
  • 頚部後屈(伸展)では下顎が下方へ補正するような動きを示すことがあります

この様に姿勢や頭の位置、頚椎の関係を補正しようとして下顎の位置が変化することを長年の臨床の現場で触診や筋肉反応テスト(キネシオロジ―テスト)によって確認してきました。

こうした臨床経験から、私は顎関節症や噛み合わせの問題は、顎関節や歯だけでなく、全身のバランスも重要な要素であると考えるようになりました。

その結果、顎関節だけに着目した施術では改善が難しかった症例に対しても、新たな視点からアプローチできるようになりました。

人間の体はパーツの寄せ集めではなく、それぞれの部位が全身の動きとともに連動し協調性を保っています

顎関節症などの施術結果からも、当院の基本理念であるホリスティック的に全身を整えることの重要性を再認識したのです。

👉進化系キネシオロジーテスト(筋反応検査)の詳細はこちら

👉顎関節症の詳細はこちら

咬み合わせが高いと感じる?その原因と対処法

咬み合わせが高いと感じることはありませんか?その原因は様々です。歯の摩耗やストレス、顎の筋肉の緊張、歯科治療でクラウンやブリッジ、インレーを入れたりすることで咬み合わせが変わることがあります。

明らかに歯科治療での詰めもの被せ物等の高さが合わないものは、歯科の領域ですので、歯科医院の担当の先生にご相談することをおすすめします。

しかしそれ以外の要因で、咬み合わせが高いと感じることもあります。

  • 体の歪み
  • ストレスによる噛みしめ(クレンチング)
  • 不適切な咬み合わせによる歯の摩耗
  • 食生活(甘いものや硬いものの食べ過ぎ)

実際にはこれらの要因が複合した結果、特定の歯の咬み合わせが高く感じることがあるのです。

私の臨床経験では、頚椎や顎関節の位置関係によって、一時的に特定の歯が先に接触するケースがあります。

頚椎の傾きと顎関節の位置の偏位の関係性から、上下の歯が当たるからといって、その部分の咬み合わせが高いと早合点し、削ってしまうと「過咬合(かこうごう)」といって、咬み合わせが深くなってしまいます。

過度な咬合調整によって咬合バランスが変化すると、顎関節へ負担がかかる可能性があると私は考えています。

咬み合わせの調整が必要かどうかは、歯科医師と十分に相談し、姿勢や顎関節の状態も含めて総合的に判断されることをおすすめします。

TEL 011-211-4857

私が考えるもう一つの原因

心身条件反射療法(PCRT)を表す脳と神経系のCG画像

当院では、全身の構造と機能のバランス(ハード面)とストレス(ソフト面)の両面から咬み合わせの不調の原因を検査します。

特に心身条件反射療法(PCRT)により、普段自分では気づいていない無意識と脳の関係性から生じた「脳の誤作動記憶」にアプローチすることで、慢性的に繰り返す咬み合わせの問題にも対応いたします。

👉心身条件反射療法(PCRT)の詳細はこちら

咬み合わせのタイプとその特徴

咬み合わせのタイプには主に次の4つがあります。

  • 正常咬合
  • 開咬(かいこう:オープンバイト)
  • 過咬合(過蓋咬合・かがいこうごう:ディープバイト)
  • 交差咬合(こうさこうごう:クロスバイト)

正常咬合であっても、姿勢や体の歪み、頬づえなどの癖などによって、咬み合わせに無理がかかり、顎関節症などの問題につながることもあります。

逆に言えば、背骨や骨盤、顎関節周囲の調整をしバランスを整えれば、咬み合わせが改善され、

  • 顎の痛み
  • あごを動かすと音が鳴る
  • 口が開かない(開口障害)

などの症状の軽減につながることもあります。

また、全身バランスと顎関節の関係性が整うと、顎関節症に関連する全身症状の改善にもつながるケースがあります。

  • 頭痛・肩こり
  • 背中の痛み
  • 腰痛
  • めまい
  • 耳鳴り、耳が詰まった感じ(閉塞感)

👉頭痛の詳細はこちら

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👉背中の痛みの詳細はこちら

👉めまいの詳細はこちら

谷井治療室院長、谷井昌幸「あん摩・マッサージ・指圧師」
院長谷井昌幸

院長は、厚生労働大臣認可の国家資格、「あん摩・マッサージ・指圧師」免許の有資格者です。札幌市保健所へ届出済施術所ですので、咬み合わせと全身のバランスの施術も安心です!
独自のキネシオロジー検査法により、咬み合わせトラブルの根本原因を見つけ、その改善に全力で施術を行います!
臨床30年以上!施術実績6万人以上!

(株)谷井治療室 院長 谷井昌幸プロフィールはこちら >>

よくある質問(FAQ)

Q 咬み合わせは一日の中でも変わりますか?


A
体の歪みと顎関節は密接に関係します。様々な要因で体の歪みは常に変化しますので、咬み合わせも良くも悪くも変化します。

Q 歯を削れば咬み合わせは治りますか?

A
私の臨床経験では、全身バランスの影響が大きいケースでは、歯を削るよりも全身の調整が有効な場合があります。

Q 頚椎を調整すると咬み合わせは変わりますか?

A

頚椎と咬み合わせの関係は強く、頚椎の可動性の少ない状態では、咬み合わせにも何らかの影響が出ます。
逆に頚椎のバランスや可動性が改善されると、顎関節にもその影響が波及するケースがあります。

Q 食いしばりも全身のバランス調整で治りますか?

A 

食いしばりは心身の緊張を表します。
当院では構造的なバランスを整え、心身条件反射療法(PCRT)を施すことで、心と体の調整を行います。

Q
頭の位置を変えるだけで咬み合わせは変わりますか?

A

悪い姿勢が習慣化すると、咬み合わせにも影響しますので正しい頭の位置を意識したよい姿勢の維持に勤めましょう。
自分ではコントロールが難しいバランス調整は当院へお任せください!

まとめ

咬み合わせとは歯だけで決まるものではなく、頭位・頚椎・顎関節・筋肉・神経系など、全身の調和の中で成り立つものだと考えています。

顎関節症には様々な原因があり、すべての患者さんに同じことが当てはまるわけではありません。適切な評価を行った上で、一人ひとりに合った施術を行うことが大切だと考えています。

私は、頭・頚椎・顎関節・骨盤・筋肉・神経は、それぞれ独立して働くのではなく、一つのシステムとして連動していると考えています。

咬み合わせも、そのシステムの一部です。

そのため当院では顎だけではなく、全身を評価し施術を行っています。

当院では、効果的で総合的な咬筋のマッサージ法などの顎関節周囲のケアもアドバイスいたします!

札幌谷井治療室

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