思考の柔軟さが大切!
脳から身体を治す 世界のエリートは知っている最高の健康法 (朝日新書)
今回のブログは、前回に引き続き、「脳から身体を治す」の続編です。
この書籍は、TMS(Transcranial Magnetic Stimulation)という脳の磁気治療法についての内容が中心になっていますが、脳の特性や、心と脳の関係など大変面白い内容も網羅されていますので、その点についてご紹介させていただきます。

バランス脳
著者の久賀谷 亮(くがやあきら)先生は、バランス脳について、その大切さを以下のように記しています。
「バランス脳とは、脳のしなやかさです。外からのストレスにも柔軟に対応し、たまった疲れをリフレッシュできる潤いのある若々しい脳です」
何事もバランスが大切だと思います。私も整体治療師として日々の臨床において何が一番大切かといえば、「バランスです!」とお答えします。左右、前後、上下などのバランスは、この地球という重力下に置かれている以上、最も大切なことで、このバランスを崩すと、痛みや痺れ(しびれ)など様々な不具合や病気に罹るリスクが増えてしまいます。
ぎっくり腰や椎間板ヘルニアの患者さんは、痛みやしびれから逃避するため背骨の左右への湾曲が現れます。これは誰が見てもわかるほどのバランスを崩した結果の姿勢です。
このようなケースでも、カイロプラクティックやオステオパシーなどの施術でバランスを整えますと、曲がった背骨が徐々に真直ぐにバランスよく変化してきます。
次に著者は、心がさまようということについて述べています。心がさまようとは、その時に行っている事とは、他のことを考えていることと定義されます。
2010年の科学雑誌「サイエンス」に、ハーバード大学のグループが「心のさまよい」について、2250人のデータを研究しました。
その結果、起きている時間の半分近くの46.9%は「心がさまよっている」状態だとわかりました。
これは何を表すかというと、人の幸不幸に関わるということです。心がさまよっている時は、さまよっていない時に比べて、人は不幸せであることが研究で示されました。
つまり、日常生活に没頭している(そのこと以外考えていない)状態が、人間にとって幸せだったのです。
そしてまた、人は不幸せだから心がさまようのではなく、どうやら「心がさまようから不幸せなのだ」ということも、検討の結果わかったそうです。
昔から、お釈迦様なども、真の悟り、気づき、幸福のためには、雑念妄念を取り払い、今に集中しなさいといった内容のことを説いておられますが、心をさまよわせないための真理だと思います。今から2500年以上も前にこの境地に到達したとは、やはりお釈迦様は偉い人だったのですね。
因みに、お釈迦様の教えは仏教として、今に伝えられていますが、お釈迦様の教えと、宗教としての仏教の教えは少し違うのではないかと個人的には思っています。
脳の疲れ
次に話を脳の方に戻しますが、脳は大量にエネルギーを使う臓器であるということです。
脳の重さはだいたい1300~1400グラムで、体重の2%にすぎません。
しかし、脳への血流量は、全身の血液の13~15%にあたり、脳の酸素消費量は、全身の25%にもなるのです。
これだけ大量の血液や酸素を必要としている脳は、逆に疲れやすということです。
この様に多くのエネルギーを必要とする脳は、同時に疲れやすいということで、著者は疲れやすい人の特徴を5つ示しています。
- 考えすぎる
- 悲観的
- 完璧主義
- タスク・オリエンティッド
- 恐れが原動力
1の考えすぎるとは、過剰思考(あれこれ考えすぎる)、反芻思考(一つのことを長く思い煩う)、強迫思考(思いを振り払おうとしても振り払えない)などのことを含んでいます。
脳は基本的に怖がりです。この様な脳の特性が、考えすぎという結果を招いてしまうのでしょう。
2の悲観的とは、ネガティブ思考のことで、これも慎重で恐れを抱きやすい脳の特徴を表しています。
3の完璧主義は、「0か100か」「白か黒か」などと極端に走り、柔軟な思考に欠けているということです。
4のタスク・オリエンティッドとは、時間が空けば、そこを作業(タスク)で埋めてしまう人のことです。予定表が常にびっしり詰まっていないと不安だとか、常に忙しくしていないと落ち着かないと言う人もいます。しかし、これでは空いた時間をリフレッシュに使えません。
実はこれも、「働きたがる」という脳の傾向なのです。
5の恐れが原動力とは、恐れにばかり主動されているということで、将来の不安、人に嫌われないか、他人にどう見られているかなどと、常に恐れを抱いている人で、これでは疲れてしまいます。
次に著者は、脳をリフレッシュさせる五つの習慣について示しています。
- 休止
- 睡眠
- 今この瞬間にいる
- 運動
- 善行
1の休止とは、小休止をとるということです。グーグルの社内には、一時停止マークが貼られていて、小休止や瞑想を推奨しているそうです。
2の睡眠は、7時間以上の良質な睡眠をとれることが理想です。私のブログでも「睡眠負債」について取り上げていますので、ご参考にしてください。
3の今この瞬間にいるとは、心がさまよっていない、ということで、「今ここ」の状態のことです。脳の疲れは、過去や未来から生まれます。今に生きることが脳のために大切です!
私の尊敬する中村天風師の言葉にも次のような言葉があります。
さしあたる事柄のみをただ思え 過去は及ばず 未来は知られず
中村天風師は、取り越し苦労は厳禁と述べていました。
4の運動については、著者は次のように述べています。
運動は、脳がふだん大量に使っているエネルギーを体へと移行させます。脳内で神経栄養因子が上昇し、脳を整え成長させます。
加齢が起こす海馬(記憶の中枢)の縮みを減らせる。
この様に運動の効用は絶大です。習慣にしたいものです。
5の善行は、善い行いをすることで、これによって自分の脳がリフレッシュされるそうです。 人に善いことをしたら、巡り巡ってその善い結果が自分に返ってくるのですから、まさしく、「情けは人の為ならず」ですね!
以上のように脳は情報過多によって、意識散漫となり、その結果、「心がさまよう」状態になり、結果として不幸せになり、疲労します。
脳に必要以上の仕事をさせないというのがポイントになると思います。パソコンも、多くのページを同時に開いてしまうと、動作が重くなります。
脳もパソコンも情報処理能力は有限です。
次回のブログでは、このように有限である脳を、いかに休ませるかについて、その具体的な内容に踏み込めたらと思っています。
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