脳の使い方が大切!
今回は、「脳から身体を治す」の3回目で、最終回となります。
一人で出来る脳の育て方がテーマで、ネガティブをポジティブに変える方法をまずお伝えいたします。
この本で、著者の久賀谷 亮(くがやあきら)先生は、「認知行動療法」について取り上げています。
認知行動療法とは、一度覚えてしまったネガティブなことを、ポジティブなものに学習しなおそうとすることがその目的の一つと述べられています。
例えば、長期の痛みを患っている方が、病院で受診して、長らく通院を続けているとします。すると医師の顔や白衣、X線写真など病院の情報と、自分の痛みを関連させて覚えてしまう。(認知する)
こうなると、医師の顔やX線などを思い起こすたびに、痛みが助長してしまう様になります。
この様に条件付けされてしまったものを、認知行動療法で学習しなおすことができると著者は言っています。
また逆に、痛みを思い出す情報をあえて繰り返し見ることで、それに伴う恐怖心を徐々に減らす「脱感作」という方法もあります。これは痛みを思い出す情報に、脳を順応させることになります。食物アレルギーなどの治療にも使われる方法です。
1960年代にアメリカ人精神科医、アーロン・ベックが開発した「認知行動療法」は、「考え」と「行動」を変えていく方法です。
「考え」「行動」「感情」が、三位一体で人間を形成しているというのが基本コンセプトだそうです。
よって、「考え」や「行動」を変えれば、「感情」が好転することになります。
先程の慢性痛の例えの様に、痛みと様々な情報を結び付けてしまうことを、「条件付け」といいまして、著者は、「条件付け」とは、一種の癖で、「考えのくせ」「行動のくせ」も時間をかければ修正可能といっています。
よく「過去と他人は変えられない!」などといわれますが、厳密に言いますと、他人を変えることは可能です。
しかしこれには莫大に時間とエネルギーを要します。ヘレンケラーを教育したアニー・サリバン先生の例を考えればわかると思います。
認知行動療法において著者は、自分の考えを紙に書きだして掘り下げることの重要性を述べています。
私も、これは大変重要なことだと思います。思考や言葉はエネルギーであり非物質です。これを現実に物質化するためには、まず紙に書きだすことが肝要だと思います。思いを紙に書くという行為自体が、思考という目に見えないものを物質化することになるのです。
その他にも、紙に書くことで問題が明確になるという利点もあります。
著者は、考え方の癖は変えられると述べています。例えば「考えすぎるくせ」のある人は「ワンステップ思考」をすすめています。ワンステップ思考とは、一番初めに思い浮かんだことだけに絞るということです。
考えすぎるくせのある人は、あれこれと考えをめぐらしてしまい、無駄なエネルギーを使ってしまうことと、考えすぎは、どうしてもネガティブ思考になります。
次に「完璧主義」の人は両極端の考えを改める。(100%を目指さない)ことの大切さを述べています。白でもなく黒でも無い、グレーを目指すのです。
「休まらない脳」のくせには、LINEやゲーム依存症の人は、スマホを寝室に持ち込まないなど、制約(ルール)を決めて、行動を変えることが重要と著者はいっています。
私もこれは大切だと思います。人間は環境の影響を強く受けますので、自ら適した環境をつくることは、物事が成就するための重要な要素となります。
瞑想で心を整える
ここでご紹介する瞑想法は東洋発で、仏教にその源流を持つ「マインドフルネス」と呼ばれる瞑想法をご紹介いたします。
マインドフルネスのやり方は簡単で、目を閉じて、呼吸に注意を向けるだけです。目を閉じるのが嫌なら、目を薄く開け、1~2メートルくらい先をぼんやり見るようにするとよいです。呼吸はコントロールする必要はありません。
マインドフルネスの効果を著者は次のように述べています。
気持ちが落ち着き、うつが減り、睡眠が改善し、怒りが減り、ストレスへの反応が減るなど心と脳の状態に効果がある。
また、脳への影響力は絶大で、その形すら変えうると言っています。恐れの中枢である扁桃体の大きさを小さくするそうで、これによりストレスへの過剰な反応が低下するとのことです。
マインドフルネスでは、浮かんでくる雑念を削ぎ取ることで、雑念が減り、脳が休みやすい状態になるといわれています。
仏教の座禅もそうで、これは私も経験がありますが、雑念妄念との闘いの様な時もあります。実際にお釈迦様も魔の囁きにあったり、イエス様もサタンの誘惑があったりと、仏典や聖書にその記載があります。雑念妄念に関わらないことが大切かと思います。
マインドフルネスによって、呼吸に注意を向けながら、「今ここ」にいることを意識することが大切です。
最初にご紹介した認知行動療法とマインドフルネスを組み合わせた「マインドフルネスストレス低減法」が、アメリカでは活用されているそうで、これにより痛みを客観視し、悪い認識を見直すそうです。
そして、最終的には今の痛みを受け入れることを促進することが、その緩和につながると述べています。
痛みを拒絶するのではなく、受け入れることで良い方に状況が変化するというのです。この事は私にとっても大変大きな気づきとなりました。当院に来る患者さんでも、腰痛や椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで、強い痛みや不快な痺れなどに悩まされていり方がいます。
その中でも比較的よく治療に反応して腰痛や坐骨神経痛などが楽になる方もいれば、なかなか良くならない方もいます。それには私の治療が至らない部分も大いにあると思いますが、患者さんの内面の状態も大きく関係していると思います。
今の痛みやしびれを忌み嫌い拒絶している感情が強い方ほど治りづらいように感じます。逆に楽観的でくよくよせずに明るい未来を想像している人は体もよい方向に反応して治りやすいと思います。
バランス脳を育てる習慣
- 学ぶ
- 活動する(運動することも含む)
- 睡眠のリズムを大事に
- マインドフルネス
- 何もしない
- シンプルに、楽観的に考える
- 感謝する
- 共感する
- ありのままでいる
- 自然、人に触れる
- 俯瞰する
まとめ
人間の脳は可塑性(かそせい)を持っており、例えば怒ってばかりいると、怒るような脳の形が出来上がってしまいます。
逆によく感謝していると、良い意味での可塑性が起き、感謝する脳の形が出来上がります。
人は普段考えている通りの人間になるといわれますが、まさしくそのとおりであると感じました。
バランス脳を育てる習慣。私も実践してみたいと思いました。
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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。
全国どこでも遠隔施術も承ります。https://www.taniithiryousitu.com/distant-healing/
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