第一義とは?

人は腹いっぱい食べ物を食べれば、とりあえず満腹になる。

けれども細胞一個一個が真の栄養で満たされているかは別問題である。

人の味覚には酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛いなどの感覚はあるが、いま食べているものが栄養があるものなのか、単なるジャンクフードなのかは見分けられない。

なぜ人間にこのような感覚が備わっていないのか?

その理由は、もともと自然界にはジャンクフードのような偽りの食品は存在しなかったので、それを見分ける感覚は必要なかったからだと思います。

偽物の食品が氾濫する現代社会ではどうすればよいのか。

フランシス・ベーコンの言葉である「知は力なり」によるところが大きいと思います。

食の安心・安全に対する正しい知識を学ぶことが現代社会を生き抜くためには必要なのかもしれませんね。

また、中国の古典「菜根譚」に以下のような文章があります。

醲肥辛甘非真味。
真味只是淡。
神奇卓異非至人。
至人只是常。

醲肥辛甘(じょうひひんかん)は真味にあらず。真味は只だこれ淡なり。神奇卓異は至人(しじん)にあらず。至人はただ是れ常なり。

【現代語訳】

濃い酒や脂のよくのった肉、辛すぎるもの、甘すぎるものは、本物の美味しさではない。本物の味は淡白なものである。同様に、人並みなずれた天才は道を修める人間ではなく、道を修める人間は平凡な人間である。

グルメブームの現代社会では、味付けが濃いものばかりのような気がします。本物の味の判らない人が増えてしまったのでしょうか。

中国の菜根譚が出たところで、東洋医学と内臓の関係で、土用についてお伝えさせていただきます。

土用の丑イラスト

土用 とは、 立春(2月4日頃)立夏(5月5日頃)立秋(8月7日頃)立冬(11月7日頃)の前18日間を言います。それぞれ、立春前の「冬の土用」が1月17日頃、立夏前の「春の土用」が4月17日頃、立秋前の「夏の土用」が7月20日頃、立冬前の「秋の土用」が10月20日頃から始まります。

古来中国から伝わった陰陽五行説では、すべての事象を木・火・土・金・水の5つに分類しており、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を「土気」に分類し「土用」と呼ぶようになったようです。

「土気」を人間の臓器に当てはめると、「脾」・「胃」となります。「脾」は膵臓に当たります。

すなわち消化器系が「土気」に相当します。

そして土用は、「脾」・「胃」のバランスを崩しやすい季節です。もうすぐ立春前の「春の土用」が来ます。(2月4日頃)

この季節は胃と膵臓を壊しやすいので、飲食を慎み養生することが大切です。

西洋の諺では、『その人がどんな人かは、その人が普段何を食べているかを見ればわかる』と言われます。食癖とその人の内面はイコールなのです。

心が安定している人は、自然な食べ物を選ぶ。

心が不安定だと、不自然な食事を好みます。

よく、内科疾患の90パーセントは精神疾患であると言われます。現に内科を受診すると精神安定剤などを抱き合わせで処方されるケースが多々あります。その人の心が何を食べるかを選び、その結果として生活習慣病になるという図式はまさに、心が病をつくる典型です。

残念ながら、生活習慣病の方々は病識(自分が病気という認識)がない方が多い。こちらが食べ物や生活習慣についてアドバイスしても、馬耳東風である。そして、自分たちは、決しておかしな生活習慣をしていないと主張します。

昔、植木等のスーダラ節に『 わかっちゃいるけどやめられねぇ』というフレーズがありました。これは、半分当たっていて、半分は間違っていると思います。やめられないのは、本当の意味では分かっていないからです。

人間の思考が、運命までをも変えてしまうことを、次の言葉が示しています。

   思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから

   言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから

   行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから

   習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから

   性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから

                    <マザーテレサ>

自分の思考に気をつけ、その間違いに気づく『感性』を大切にしてください。悔い改める(喰い改める)機会は必ずあります。

病気は、その時代を反映しますが、特に食生活がそのカギを握っていると思います。医学や医療機器の進歩には、目を見張るものがありますが、それに反して病気の増加もめざましく、大病院の待合室に行ってみれば分かるとおり、巷には病人があふれています。

西洋の諺に、「食で治せないものは、医者もこれを治せない」と言うものがあり、東洋でも、「病は口より入り、禍は口より出ず」と言われております。このように、 昔の人も食の大切さを説いておりますが、その当時は今のような農薬や食品添加物も無ければ、もちろん遺伝子組み換え食品もなかった時代です。先哲たちが現代の食生活を見たら何と言った事でしょう。

また、「三つ子の魂百まで」という諺の通り、小さい頃にどのような食生活を送ってきたかが、大人になっての食習慣に大きな影響を与えます。東京で小児科医を開業していらっしゃる、真弓貞夫先生は、最近の子供は「おふくろの味」ではなく「袋の味」に慣れてしまっている。と警鐘を鳴らしております。

私の知人にコーラ好きの人がいます。その方によると、子供の頃に運動会で毎年、無料でコーラが配られていたそうで、それ以来コーラを止められなくなってしまったそうです。

先日も、当院に来院された女子高生に、消化器系統のエネルギーが落ちているので、甘いお菓子を控える旨お伝えしたところ、その子から「いつまで控えればいいんですか?」と真剣に聞き返されてしまいました。私としては、出来得るならば白砂糖を使ったお菓子は、一生涯を通して極力少なくした方がいい事をオブラートに包んだ表現でお伝えさせていただきましたが、真意は伝わらなかったかもしれません。

『一利を興すは一害を除くに若かず』(いちりをおこすはいちがいをのぞくにしかず)

「十八史略」 南宋

良い事を何か一つプラスするよりも、悪いこと、マイナスな事を取り除いたほうがよいという教えです。

『良いことの五つは真似しやすく、悪いことの一つはなかなかやめられない。』

島津義久

ストレスと食生活

食事は体だけでなく心の栄養にもなるのは確かなことです。よってストレスの多い生活を送っていると、どうしても食生活は乱れがちになります。

例えば肩こり腰痛もあまりにも症状がきつければ当然、食欲は落ちてしまいますが、程々な症状が慢性的に長期間続くとストレスが持続してしまいます。このストレスやイライラを何とかして解消するために、お酒やたばこや甘いものなどに走りやすくなります。

いつも言っていますが、カイロプラクティックオステオパシーなどで全身のバランスを調整することで肩こりや腰痛などの不快な症状を改善してストレス低減に努めることは大切です。

また、カイロプラクティックにもオステオパシーにも内臓調整の手技があります。一般的に内蔵マニュピレーションとかCMRTなどと呼ばれていつものですが、日本でも按腹(あんぷく)といってお腹をあん摩する手技療法があります。

腸脳相関と言いますが、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが悪くなると腸の機能が落ちます。腸の働きの一つにセロトニンの産生があります。セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ人間の感情と密接にかかわっています。セロトニンの90%が実は腸でつくられているのです。

腸内環境が悪ければ、腸内細菌のバランスも悪くなり、セロトニンの産生にも悪影響を与えます。按腹などで腸をよく緩めてあげると腸の蠕動運動も活発になります。腸の働きが正常になれば、幸せホルモンのセロトニンの産生も活発になり、ストレスに対して強くなりますので、ストレス性の暴飲暴食が減るのです。

この様に、食生活の改善にも単なる根性論による克己心だけで対応すれば、かえってストレスを溜めてしまうので、手技療法で内臓(特に腸)のバランスを調整しておくことが大切です。

病の根本的な解決には、食生活の改善なくしては成就はないと思いますが、私も偉そうなことは言えません。自戒の意味も含めまして、今回のテーマにさせていただきました。

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