認知症は怖くない

今回ご紹介する書籍は「心の持ち方ひとつで人生が変わる」PHP 高橋 伸忠先生のご著書です。

この世に生きる全ての人には、その一生の間に果たすべき使命と能力が天から与えられています。

認知症になってもそれは変わりません。

私たちはなぜ認知症を特別な病気と受け止めるのでしょうか?その理由の一つとして認知症の初期には、徘徊や幻覚・妄想にもとづく怒りっぽさや興奮などの異常行動が出現することがあり、家族や周囲の人がビックリしてその対応に困惑してしまうことにあります。

しかし、たとえ認知症になっても、人のために尽くす力が全くなくなったわけではありません。その方の生きる力を、また生きがいを引き出すためには、自信を無くさせたり、また、自尊心を傷つけるようなことは許されません。残された力を十分使って、互いに楽しく生きていくための工夫が大切です。

支える人と支えられる人

高齢者は人間関係で傷つくと、孤独感が強まり、「うつ」になりやすくなります。そのあと一人では出口を見つけにくくなるので十分に気を付けたいものです。

その解決の原点は、優しい温かな心をもって、より人間的な接し方で、お互いに支え合って生きることです。では具体的にはどのように努めたらよいのでしょうか。

今話題の「ユマニチュード」という認知症のケアをご存知でしょうか。ユマニチュード技法の基になっているのは、次の4つの柱です。

  • 見つめる
  • 話しかける
  • 触れる
  • 寝たきりにさせない

具体的な接し方の基本は次のようになります。

①相手を見つめるときに、上から下へ見下ろすと「否定されている」と感じてしまう。

②「オムツ交換に来ました」と言う前に、「今日はお話しながらサッパリしていただこうと思って、準備してきました」と声をかけ、終わったあと「協力してくださってありがとうございました」と明るく話す。

③突然手をつかまずに、自分の手のひらを上にして差し出し、相手が自分から手を載せてくれるのを待つ。下から腕を支えると、相手が自分から動こうとする意志を誘う。

④寝たきりや座ったままにさせない。まず立つだけでも骨が圧迫されて、自ら強くしようとする仕組みが働きだす。さらに、ほんのわずかでも歩くことによって、生きる自信と誇りがよみがえって、人間としての尊厳を回復することができる。

⑤面談や診療を拒否する人に対しては、例えば「山登りがお好きと聞きましたが?」など趣味などの会話から始めるとよい。

認知障害が高度で、意思表示が上手にできなくなっても、その方の長い人生経験からつくられた人格と尊厳は残っています。まわりの人もそこを意識して接するようにしたらいいと思います。

看護師の患者さんから、認知症の進んだ入院患者さんのお話を聞いたことがあります。その患者さんは元校長先生だった方で、看護師から「校長先生!」と呼びかけると、シャキとなって、対応してくれるというのです。認知症になっても心は生きています。その全てを失ったわけではないのです。

労働組合連合会の調査結果(2014年)によると、在宅介護でストレスを感じている家族が8割、その3分の1が「憎しみ」を感じることもあると答えています。

家族も精神的に一杯一杯になっているのも事実です。限度を超えたときには専門医に相談して大きな事故だけは絶対に避けてください。

健康長寿への道

「年齢を重ねるだけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる」という、米国の詩人サムエル・ウルマンさんの『青春の詩』があります。彼の言う「理想」を「生きる目的」と置き換えてみてもいいと思います。

人間はお腹いっぱい食べたり飲んだりして遊んでばかりいても健康や幸せを得られないようです。大きな理想でなくてもいいので、何かそういうものをもって生きていけたらと思いますね!

人生の旅

私たち現代人は、昔と比べて驚くほど歩かなくなりました。記録によると江戸から明治・大正時代の庶民は、平均して一日に三万歩、距離にすると約十五キロ(昔でいう約四里)は歩いていたそうです。それと比べて、現代のサラリーマンは平均五千から七千五百歩と、当時の六分の一から四分の一程度しか歩いていません。

歩くことは体だけでなく「心」のためにもとても大切なことです。人生は旅にたとえられます。現代は乗り物など移動手段が便利になっていますが、歩いて回る旅には季節や自然の変化を細かく感じ取れる良さがあります。

「幾山河 越えさり行かば 寂しさの終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」という歌を詠んだ若山牧水さんは、草鞋(わらじ)ばきで、一日に四十キロも歩き続けたそうです。良く歩いたからこそこれだけの名歌が生まれたのだと思います。

年齢相応の健康状態

加齢にともなう心身の衰えは、自然界に生きる私たちの「宿命」です。年齢相応の健康状態についてよく学んで承知しておく必要があります。

加齢による衰えと、病気とは違います。どうにもならないことを何とかしようとしても、逆にストレスになってしまい病気の原因にもなります。

また、過去のことや先々のことを必要以上に心配したり、またこだわりすぎても得をすることはありません。

人はいつか死ぬということを受け入れるということが大切で、それを受け入れることが老いによる変化を受け入れられることにつながると思います。

小説家の宇野千代さんは次のような言葉を残しています。

「よく生きることは、よく死ぬことでもある。一生懸命に生きたものは、納得して死を受け容れることが出来る、という意味です」  宇野千代

幸せな睡眠を得る方法

人生は長いようで短いのに、なぜその三分の一も寝なければならないのでしょうか。睡眠が必要な理由は、昼間私たちが起きているときに使用するエネルギーの20%を脳が使っているからです。脳を休ませるのが睡眠の目的の一つです。脳は睡眠中に、昼間活動していた時に生じた老廃物を取り出して栄養分を補給します。

深い睡眠時(ノンレム睡眠)に現れる、一定でゆるやかな脳波(デルタ波)と心肺活動が、脳の老廃物排出に最も効率的であることが実験により明らかにされています。

脳内には、細胞に栄養を運んだり、細胞から排出された老廃物を運び出して処理するグリンパティック・システムと呼ばれる働きがあります。

脳と脊髄には無色透明の脳脊髄液(CSF)とよばれる液体が循環しており、それは脳と脊髄に栄養分を運び、老廃物を取り除きます。睡眠中には、脳内のグリア細胞の一種であるアストロサイトが縮んで隙間をつくり、その隙間が脳脊髄液の排水溝のような役割を果たすと言われます。これがリンパ系のように脳内老廃物を効率よく運び出すことから、グリア細胞とリンパ系をかけ合わせ、「グリンパティック・システム」と呼ばれるようになったのです。

この様に深い睡眠をとっている間に、脳はリフレッシュされていて、睡眠の質が悪いと、アルツハイマー病の原因のひとつといわれるアミロイドβ濃度が高いという報告があり、睡眠と老廃物除去の関連性が重要視されています。

睡眠のもう一つの大切な役割が、脳に取り入れた情報を、必要なものとそうでないものとに整理して、必要なものだけを残すという働きがあります。

睡眠時間はどれくらいとればいいかは明確な答えはありません。ナポレオンは三~四時間、物理学者のアインシュタインは、毎日十時間の睡眠をとっていたという話も残っています。平均すると7時間半くらいになります。

究極的には睡眠は長さよりも質が大切です。快適な睡眠のためには、昼間は天から与えられた仕事を精いっぱいやって、睡眠の長さにはあまりこだわらないことが良いみたいです。

生老病死と向き合う

クオリティ・オブ・ライフ(生の質)と、クオリティ・オブ・デス(死の質)という言葉があります。

ここに、その生と死を見事に完結させた一人の女性を紹介します。漫画「サザエさん」の作者・長谷川町子さんです。

長谷川さんの死に対するかまえと、死後の発表の仕方、そしてその処理の仕方について考えると、大変立派な方だと思いました。

また、長谷川町子さんを最期にみとったのは長女の毬子(まりこ)さんです。

長谷川町子画像

死後、一か月経ってから長谷川町子さんの訃報を告知しました。
もともと長谷川町子さんは「70歳を過ぎて病気になれば、入院させぬこと、手術せぬこと、死んだら密葬して納骨をするまでその死を公表をしないこと」という遺言を残していました。

死をしっかりと見つめてたじろがぬ厳しい姿勢で、大変見事だと思います。

13歳で父を亡くし、姉の夫も戦死し、妹の夫も35歳で亡くなっています。長谷川町子さんは、生涯独身を貫きました。漫画「サザエさん」の中の家族の姿とは真逆の人生を送っています。もしかしたら、「サザエさん」は長谷川町子さんの理想の家族を描いたものかもしれませんね。

ちなみに、長谷川町子さんは、高所から転落してから体調を崩しました。実際は脳内の血腫になったのではないかと言われています。頭だけでなく、体を強打したときにも様々な歪みによって体調を崩すことがあります。そのようなときには、まず病院で検査をして、異常がないかを確認してください。それでも、体調不良が続く場合は、体の歪みが考えられますので、カイロプラクティックオステオパシー、整体治療などが有効になる場合があります。

カイロプラクティックやオステオパシー、整体治療は、腰痛や肩こりだけでなく、この様に体のバランスを整える予防医学なのです。

自然とともに生きる

私たちは、今日も生きて、今ここにあることを改めて強く感じ、感謝の気持ちでいっぱいになります。常日頃は、朝目が覚めるのが当たり前、生きているのは当たり前の当然の権利の様に受け止めて生きています。

1995年の阪神・淡路大震災、そして2011年の東日本大震災の後は、この幸せがいつまでも続くとは限らないことをしって、その思いを新たにしています。

そこからさかのぼって、1923年の関東大震災では、死者約9万9千人、行方不明者4万3千人を出す史上最大の地震災害となったのです。

大震災を経験する前の私たち日本人は、科学をはじめとする文明や技術のめざましい発達によって、これらの災害を十分に防げるものと過信していたので、その分大きな衝撃を受けました。さらに追い打ちをかけているのが、放射能汚染と予想される西南日本の巨大地震です。

日本列島は、地震や台風、火山噴火など災害列島とも言えます。この様な自然の猛威の中で、我々日本人は自然に逆らおうとせず、我慢・忍耐し、受け入れる生き方を余儀なくされました。そしてその中で無常感を強く抱いてきたのです。

この様に日本人は自然に向き合って生きてきました。二宮尊徳の歌に次のようなものがあります。

「この秋は雨か嵐かしらねども、今日のつとめに田草取るなり」

目の前のやるべき仕事をなして、秋の実りが十分であれば、それは「神の恩恵」と考える。

そこにはもはや ゛私 ”がない。わが国では古来、そのような精神が伝えられてきたのであります。

古来より日本人は『田をつくる』とは言うけれど、決して僭越にも『米を作る』とは言ってこなかった。要するに、田畑を耕すのは人の力ですが、米を育て実らせるのは、゛神 ” であると、ハッキリと区別していたのです。

これは、子づりにも言えることで、あるお産婆さんが言っていましたが、今の人は「子供をつくる」というが、昔は「子供をさずかる」と言ったそうです。

米や野菜ができるのも、人が生まれるのも、やはり人間の力を超えた大きな力が働いた結果なのです。

私も臨床の現場においていつも思うことは、様々な施術は治るための環境をつくるということで、治すのは神の力であるということです。

自分が治しているのだと有頂天になるのではなく、大勢の人のために、更なる技術の習得と、人間理解のための修業に襟を正して挑まなければと思います。

日本人と魂

宮川三郎画像

「ホタル帰る 特攻隊員と母トメと娘礼子」という実話をもとにした書籍があります。1945年6月、出撃の前夜、特攻隊員の宮川軍曹は「小母ちゃん、死んだらまた小母ちゃんのところへ、ホタルになって帰ってくる」と鳥浜トメに言い残して、翌日、鹿児島県知覧基地から出撃していきました。ところがその夜、トメの家に、本当に一匹のホタルが入ってきたのです。

私も似たような体験をしています。ある治療の団体のセミナーに参加していた時のことです。東京から創始者の大先生をお招きしてセミナーを行っていた時に、換気のために開けていた窓から一匹の赤トンボが部屋の中に入ってきて、椅子にとまったのです。

実はその年に同団体の高弟の先生が、がんでお亡くなりになりました。私はその先生が来て一緒に学んでいるような気がしてなりませんでした。

宗教学者の山折哲雄(やまおり てつお)さんは、著書に「素粒子というものは科学的に証明できるかもしれない。けれども実感としてその存在を感じられない。魂というものは、科学的には証明できなくても、実感としては強く感じることができる」と記しています。

生き方を工夫する

人生には様々な悩みや不安がつきものです。著者によると、「悟りとは、いつでも平気で死ねることではなく、どんなに苦しいときでも平常心で生きることができること」だそうです。

生・老・病・死の四苦について、次のお話があります。

愛する幼いわが子を亡くした母親が、釈迦に「あなたは偉い方ですから、どうかこの子を生き返らせてください!」と懇願しました。そのとき釈迦は、「よろしい、ケシの粒を持ってきなさい。ただしいまだかつて死人を出したことのない家からね」。と彼女に告げたのです。家々を訪ね歩いているうちに、その母親は自分の考えが間違っていることに気づきました。

仏教でいう「明らめ」(物事の道理や事情をはっきりさせること)とは、一度死んだ人間はどのようにしても生き返らないという、絶対的な事実をきちんと認めることです。私たちが良く口にする「諦め」(仕方なく断念すること)とは違います。

仏教は決して死者を生き返らせる奇跡を説くものではなく、むしろ諸行無常(作られたものはすべて無常である)という厳然たる事実を説くものです。しかし同時に、この事実のうえに、なお生死を越える道を説くのが釈尊の示された法なのです。

人間は誰でも考え方の ゛クセ ” をもっています。あまりネガティブに考えないで、一度限り、しかも持ち時間に制限のある一生です。自分の心の癖を改善し、悔いのないものにできたらいいですね!

人生は喜ばせゴッコ

『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんの『人生は、よろこばせごっこ』という生き方があります。なかなか難しいですが、そのヒントが『我以外皆我師』という吉川英治さんの言葉です。

自分以外の人には、皆、自分の持っていない長所があるのだから、それを見つけて学べばよいのです。

自分の良いところを見つけてもらったら、その人は喜んでもっと自分の長所を磨くに違いありません。

やなせたかしさんや吉川英治さんのお人柄が伝わりますね!

「人生は喜ばせゴッコ」ですので、求めるだけでは、真の癒しを見つけることはできません。自分が苦しい思いをした分だけ、人の悲しみがよくわかってくるはずです。

『アンパンマン』の作者・やなせたかしさんは、六十歳という還暦の年になってやっと気づいたことが、「人間にとって、生きていく最大のよろこびは人を喜ばせることだ」と言っています。

雨のち晴れ

日本の優れた求道者である法然や道元、そして親鸞らは、いずれも幼少時代に家庭環境に恵まれず、苦難の道を乗り越えた方々です。このことを知るとき、やはり本物のやさしさをしっかりと身につけて、心温かく包み込めるようになるためには、たくさんの ゛人間修業 ” が必要なようです。

夜の闇が深ければ深いほど、ほんのかすかな光でも温かく感じられるはずです。

伊集院静さんも、「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」と著書に書いています。

苦しんだ分だけ、人の苦しみや悲しみがよくわかるはずです。

「人生は心ひとつの置き所」といいますが、辛く悲しいことがあっても、心のギアチェンジをして、互いに相手から学び、助け合って謙虚に生きれば、平常心に近い心で、人生の厳しい峠を乗り越えていけるのではないでしょうか。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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