楽な流れに抵抗する

熊沢蕃山画像
【熊沢蕃山】

東京出身の私が北海道札幌市に来たのが、平成11年5月4日です。月日の経つのは早く、お蔭様で今年で18年目に突入いたしました。よそ者の私を温かく迎えてくださった北の大地の皆様には、本当に大変感謝しております。

今回は、北海道で出会った治療業界の皆様について書いてみたいと思います。

北海道という土地は、日本列島の中でも特殊な土地で、良く言えば独自性がある、悪く言えば、孤立している土地といえます。

本州からは、津軽海峡で隔てられている(ブラキストンライン)ため、交通手段が限られています。因みに動植物も本州と北海道では全く別の種類のものがいます。(ヒグマ、キタキツネ、エゾシカ、エゾリス、エゾモモンガ・・・など)

また、ベルクマンの法則のごとく、クマもシカも大型のものが生息しています。

話しが少し脱線してしまいましたので、整体治療の話題に戻しますね。治療業界も技術的なものを含め、日進月歩で日々新しい情報を仕入れていかなければ、時代の流れに取り残されてしまいます。

インターネットの時代になり、どこにいても情報は手にすることができますが、カイロプラクティックオステオパシーなどの技術の習得となると、実際にセミナーに参加し実技を学ばないといけません。

セミナーの開催場所のほとんどが、東京や大阪など本州の大都市圏になります。そこで北海道の同業者は、決して安くはない交通費と宿泊費をかけて本州へ学びに行きます。また、ほとんどのセミナーは午前中から開催なので、当日に移動していたら間に合わず、前日に現地入りしてホテルに泊まることになります。これでまた出費がかさみます。

そして、セミナーが終わってその日のうちに北海道に戻ると夜の10時~11時で、次の日は普通に仕事をこなさなければなりません。はっきり言って体力いります。

この様なハンディキャップを乗り越えて、北海道の同業者の皆様は、技術の研鑽に励んでいます。

しかし、距離的な問題があるため、どうしてもセミナーへの参加回数は、東京などの方にはかないません。

では、北海道の治療家は、レベルが低いのでしょうか?

結論から申し上げると、間違いなく「レベルは高いです!」と言えます。

本州の方は、セミナーに関しては恵まれすぎている環境です。私も北海道に来て初めてそれを実感しました。そのため、ありがたみが薄れ、向上心も薄れてしまいます。

逆に北海道の先生方は、セミナー選びから真剣勝負で、常に自分には何が足りなくて、何を克服すればステップアップできるのかを考えながら、自分に必要なスキルを身に着けるための最適なセミナーを探しています。

そして、セミナーでの学ぶ姿勢も、わざわざ北海道から来たのだから「すべてを持ち帰る!」という気概で参加しています。(勉強嫌いだった私でも、今ではこんな感じで学んでいます。)北海道の先生方は、そう言った意味ではハングリーで意識が高いといえます。

以前、学習塾の経営者のブログを読んだことがあります。塾に来る子供で伸びる子と、伸びない子がいて、それには特徴があるそうです。伸びる子供は、自分のわからないところや、不足しているところの問題点・課題点をまとめてきて、塾の講師に質問してくるそうです。

逆に伸びない子供は、塾で教えてもらうという受け身の態勢だそうです。

治療業界のセミナーでも同じで、課題をつかみ取りに行くという意気込みや迫力がないと、自分のものにはなりません。やはりハングリーでないと成長はないのです。

熊沢蕃山

不遇な環境での学びの大切さを伝えたエピソードがあります。

江戸時代の陽明学者、熊沢蕃山(くまざわばんざん)と、その師の中江藤樹(なかえとうじゅ)にはこんなお話しがあります。

熊沢蕃山は、中江藤樹のもとにやってきて、その教えを垣根越しに聞いていました。蕃山は貧しかったため講義を聴くのにも仕事の合間に山二つ越えて、藤樹の話を聞きに通っていました。


ある日、藤樹が「そんなに私の話が聞きたいのなら、うちの馬小屋が空いているからそこに住んだらどうだ?そうすれば山を越えてくる必要もないだろう」と言いました。


しかし蕃山は「先生のお気持ち、感謝しきれないくらいありがたく思います。けれども、私が自分を励ますために、どうかこのままでいさせてください」と訴えた。

要するに、熊沢蕃山は、わざわざ山を越えて、遠い道のりを通ってくるからこそ意味があると言いたかったのです。逆境があるから成功もあるのです。

人間生きて行く上で様々なプレッシャー(圧力)がかかります。その圧力に負けない自分をつくっておかないと、プレッシャーに負けてしまいます。蕃山は楽な流れに抵抗し、自らを高めていったのです。
人間の筋肉もある程度の負荷をかけないと発達しません。植物の根も過酷な環境程、しっかりしたものになります。植物の花も環境に恵まれすぎると咲きません。畑の麦も踏まれることで更に強くなります。

昔から、人が心身ともに健康で丈夫に育つには「三分の飢えと、三分の冷え」が大切と言われます。心も体も恵まれすぎた環境では弱くなってしまいます。そこであえて自らを厳しい環境へもっていき、克己心、ハングリー精神を高めていくことが大切だと思います。

北海道の諸先輩方に、このようなハングリー精神をとても強く感じました。私も見習いたいと思います。

 

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