ストレスと死

ストレス画像

心身一如と申しますが、あん摩・マッサージ・指圧の国家資格を取るために通った、我が母校長生学園の古い資料「長生療術講義録」よりその実例をご紹介いたします。文章は昭和27年に出版された当時のまま掲載しています。

『 気から病という諺がありますように、病気(死)であるということを意識しただけで、その精神作用によって遂に死を招来したという、驚くべき実例のあった有名な話があります。

かつてオランダの国に、ブアメードという国事犯があって、その筋の手に捕縛され死刑の宣告を受けました。

この男は壮年で体格強健でありましたが、時の医科大学長がこの犯人によって、観念の肉体に及ぼす影響に就いて試験して見ようと考え、同人を欺いていうのには「君は国事犯で死刑の宣告を受けているから、何れにしても生命はないのであるが、その君の体を我等の学問上の試験に供してもらえないだろうか。

今、学者間に人間の血量に就いて二つの問題がある。英仏の学者は、人間の血量は体重の十分の一であるといい、我が国の学者は十分の一を超えるものと主張している。併しながらこれは一度健康な人から血液を絞り取って、試験してみなければ十分の論証は出来ない。

君は国事犯で、すでに国の為に一命を捨てたものであるから、何とぞ今一歩進んで、直ちに国の為にこの試験の犠牲になってもらいたい。血液は痛くないように絞り取るから決して苦しいことはないが如何であろうか」と言うと、ブアメードはしばらく思案し、ついに決心したと見えて「よろしい、学問の為にこの身を捧げましょう」と答えました。

そこで同人を寝台にのせ目を塞いで見えないようにして足の十指にナイフで傷をつけ、ここから血液を絞り取るからと説明して、同時に傍らに水の容器を用意して、恰も血液が滴り落ちるように水を滴して、一滴一滴足下の器に入る音をさせ、一時間、二時間と次第に滴下した水量計を計って、今は何ポンド溜まった、又何ポンド溜まったと大声に唱えて本人に聞かせ、五時間の後に、十八ポンド溜まった、最早体重の十分の一以上に達した。我が国の学者の説が勝利を得たとして万歳を唱え、本人を検案して見ると全く死んでいたということです。

これはブアメードの身体に何も死ぬ程の傷害も病気もなかったのですが、血液を絞り取られて死ぬものと確信し、本当に血液は滴り落ちている、これで死ぬのだと思った結果、ついに死んだのであります。このように精神作用の身体に及ぼす影響は実に恐るべきものであります。病気が治るのも治らないのも、その人の意志の強弱によることが多いという事が解ることと思われます。』 ( 柴田純宏 講述 、長生療術講義録より)

昔から「病は気から」と言いますが、上記の事例もまさに心が病をつくるだけでなく、命までをも左右してしまうということを、その事実をもって証明しています。

セリエのストレス学説

ストレス学説を提唱したのは、カナダの内分泌学者、ハンス・セリエ(Hans Selye)です。

ストレスとは、次のように定義されています。

『寒冷・外傷・疾病・精神的緊張などが原因で体内におこる一連の非特異的な防御反応。また、その原因。まず交感神経の緊張、副腎髄質のアドレナリン分泌がおこり、ついで脳下垂体からのACTHの分泌と、それによる副腎皮質ホルモンの分泌増加がおこる』 ~広辞苑より~

※ ACTH・・・副腎皮質刺激ホルモン。下垂体前葉ホルモンの一種。副腎皮質ホルモンの血中濃度が低下すると,下垂体前葉から ACTHが分泌されて副腎皮質を刺激し,皮質ホルモンの分泌を促進する。その結果,全身に一連の反応 (全身適応症候群) が起る。

このストレスは適度にかかるぶんには、心身を健全に成長させてくれますが、過度になると生命にかかわる問題となります。セリエはストレス学説において、「警告期」、「抵抗期」、「疲弊期」の三段階に分けて説明しています。

  1. 警告期・・・軽いストレスがかかった状態で疲労感などを感じるレベル。
  2. 抵抗期・・・ストレスに対抗しようとして頑張って抵抗している状態。
  3. 疲弊期・・・ストレスに負け心身ともに疲れ切った状態。

過度のストレスがかかり続けると、心身ともに疲弊し、最終的には死に至ることもあるのです。警告期の段階でも強烈なストレスがかかると、死に至る場合もあります。

最近では心身相関の考えがだいぶ普及し、ガンやその他の病気でもストレスが関与していることが証明されてきており、「病は気から」が科学的に解明されてきております。

心の柔軟性

この様に書くと、ストレスは悪者の様に聞こえますが、ストレスとは単なる刺激であり、別な言い方をすれば、逆境、試練、困難、苦難ともいえます。これらが悪いのではなく、これらをどう受け止めるかにかかっていると思います。

例えば、ボクシングでも相手のパンチをまともにもらわない様にディフェンスがあり、柔道にも投げられたときにケガをしない様に受け身があります。

同じように心にも、ディフェンスや受け身が必要だと思います。これによりストレスに負けない自分をつくることができると思います。

先ほども心身一如といいましたが、心と体は不可分なものですので、心の柔軟性とともに体の柔軟性も大切なのです。身体のバランスが悪く、関節や筋肉が固くなっていたりずれていたりすると、背骨なども構造的にも大きく歪んできます。

心と体は関連がありお互い影響しあっていますので、体のバランスが悪くなると、心のバランスも保ちづらくなります。

そこで、カイロプラクティックオステオパシーの施術によって、身体的、運動的、神経学的にバランスを調整することが有効であると考えます。身体が楽になりますと心も軽くなるのです。すると、ストレスに対しても柔軟に対応できるようになってきます。

究極的には、ストレスは自己の成長にとって必要不可欠なものであり、避けて通れないものですので、これらとどう付き合うかが人生の課題だと思います。

「難事は良いこと!」と受け止められたらいいですね!

戦国時代から安土桃山時代にかけての山陰地方の武将尼子家再興のために「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈った逸話で有名な、山中鹿之助が、次のような言葉を残しております。

「憂き事のなほこの上に積れかし、限りある身の力ためさん」 

「憂きこと」を避けるのではなく、自分の力を試すために、逆境、試練、困難、苦難よ、ドンと来い!と言い切った山中鹿之助の様な心境になれたら、ストレスに強く生きられると思いますが、皆様いかがでしょうか?

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