忘れられない隣人

前回のブログ、「一人暮らし 4」では、一人前のカイロプラクティックの施術者を目指し、一人暮らしを始め、ようやくその生活も落ち着いた頃、隣の部屋に新たな住人が来て、様々な難題が起こった、というところのお話でした。

今回は、その後のことを書きます。

私は、Nさんとはなるべく距離を置くように生活していましたが、どうしてもお隣なので、顔を合わせることがあります。そんな時は、当たり障りのない挨拶をして、逃げるようにして、その場を離れるのです。

以前Nさんは、肝臓が悪いと言っていましたが、どの程度悪いのかは、私には分かりませんでした。この頃Nさんは、頻繁に救急車を呼ぶようになっていたのです。多い日は、1日に3回も呼ぶのです。夜中に、けたたましい救急車のサイレンの音で、何度も起こされ、私も睡眠不足になったことがあります。

この当時私は、昼間は建築現場や道路工事の現場で、警備の仕事をしていたので、起床が早かったのです。工事現場の仕事が始まるのが、どこも朝8時と決まっていたので、その前の打合せに間に合うように現場に入らなくてはなりません。だいたい7時30分までには、現場に到着するのが当たり前でした。

それも、日替わりで現場が変わることもあり、その都度、地図を片手に現場を探すという手間もあったので、現場が変わる時は、道に迷わないよう、遅刻しないよう、かなり早めに家を出ていました。起床時間は、5時位です。

そして、夕方5時に仕事を終え、その日の報告をし、翌日の仕事をもらい、家に帰るというパターンで生活をしていました。

カイロプラクティックの学校が、午後6時30分位からだったので、慌てて支度をして、それに間に合わせていました。授業が終わるのが、夜の9時位で、その後は食事と銭湯で、後は寝るだけです。

本当に疲労困憊していたので、布団に入るや否や、数秒で眠りにつくといった感じで、この時ほど眠れることが、ありがたいと思ったことはありませんでした。

この様な生活を送っている中で、夜中に、それもかなりの頻度で、救急車のサイレンで起こされるというのは、たまったものではありません。

後日、Nさんに会った時に、体の調子が悪いと言っていました。救急車を呼んで病院に運ばれても、Nさんが、生活保護者なので、病院が嫌がり、簡単な処置のみで、すぐに帰されてしまうと言うのです。

この話が事実かどうかは分かりませんが、Nさんの性格なども、災いしていたのではないかと思います。いわゆる厄介で、面倒な患者だったのではないでしょうか。

それでもNさんは、調子が悪いので、結局は何度も救急車を呼んでしまうのです。

しかし、その後しばらく平穏な日々が続きました。私も自分の生活が忙しかったので、Nさんのことを気にする余裕もなく過ごしていました。

ようやく、夜もぐっすり眠れるようになり、私の生活にも良いリズムが出来てきました。その当時、私の一日の疲れを取ってくれるものは、睡眠と銭湯での入浴でした。風呂無しアパートだったため、毎日銭湯通いです。銭湯にも定休日があるため、二軒の銭湯をうまく利用します。

銭湯

お気に入りの銭湯をメインにし、そこが定休日の時だけ、別の所に行くといった感じです。私も仕事が休みの時などは、銭湯の開店と同時に行くこともありましたが、あることに気づき、それ以来、一番風呂に入ることはやめました。

その理由はというと、一番風呂には、何故か入れ墨の人が多いということです。湯船に入る時も、お湯がかからない様にとか、体を洗う際にも、シャワーのお湯がかかったり、石鹸の泡が飛ばない様にと気にしたり、あまりジロジロ見ないよう目のやり場に困ったりと、何かと気を使うのです。疲れを取るためにお風呂に行っているのに、全然リラックスできません。

それ以来、私は夜の遅い時間に銭湯を利用することに変えました。この時間帯は、入れ墨の方々を見かけることもなく、気兼ねなくゆっくりと、お風呂に入れるからです。

ところが、あることが起き、ゆっくりリラックスしてお風呂に入れなくなりました。

それは、私がいつものようにお風呂に行った時の出来事です。脱衣場で私が服を脱いでいると、ある二人の男性が入ってきました。一人は浅黒く日焼けした、こわもてで、もう一人は対照的に色白でぽっちゃり体形の男でした。

私が服を脱いでいると、何となく視線を感じるので目をやると、その二人の男のうち「色白ぽっちゃり」の方と目が合ってしまいました。なんと、この男は私に微笑みを返してくるのです。私はすぐに目をそらし、気持ちが悪いので、その場を離れ風呂に入りました。

そして、今度は洗い場で体を洗っていると、その「色白ぽっちゃり」が、ニコニコしながら私に私の方に歩いて来るのです。

そして、私の隣に腰かけて、こちらの方をチラチラ見るのです。この人は何なんだろう? と思いましたが、私もあまり意識してはいけないと、気にしていないそぶりでいました。

その後も、この「色白ぽっちゃり」は、私の方を微笑みながら見てくるのです。これって、もしかして・・・「ホモ?」

いや、私の思い違いだろうと、頭の中に様々な思いがグルグルと回りはじめます。

その間も、「色白ぽっちゃり」は、ニコニコしながら、私の方を見てくるのです。

するとその時、もう一人の「浅黒こわもて」の男が、こちらに近づいてきました。

「浅黒こわもて」が、「おい! 行くぞ!」

と、怒ったような口調で「色白ぽっちゃり」を私から引き離すように連れていきました。

私は、このやり取りを見て、この二人は「ホモ」に間違いないと確信しました。「浅黒こわもて」の方は、明らかに私に対し嫉妬した様子でしたから。

その当時の私は、一人暮らしをする直前まで、何年間もスポーツクラブで体を鍛えていたので、筋肉質のいい体をしていたのです。これが災いして、「色白ぽっちゃり」の目に留まってしまったのだろうと思います。

世の中には、一定数この様な方々がいらっしゃることは、分かっていましたが、まさか自分がターゲットになるとは思いませんでした。

この二人とは、その後も時々、銭湯で会うこととなり、相変わらず「色白ぽっちゃり」は、私に微笑んでくるのです。まあ、それ以上の展開は無いので、ちょっと気持ち悪いですが、我慢するしかありません。

Nさんの騒動が落ち着いても、いろいろと気が休まらないことが起こりますが、これも人生と割り切り、カイロプラクティックの修行に励むのでした。

次号に続く・・・

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