仙腸関節とは

骨盤と仙腸関節

仙腸関節は骨盤の仙骨と腸骨の間の関節で、中心部は硝子軟骨でその周囲を強靭な靭帯で固定しています。人の仙腸関節の可動性は3~5mmと僅かですが、この動きが背骨のバランスを取ったり、ビルの免震構造の様に歩行や運動時の衝撃を吸収しています。

仙腸関節の可動性が僅かしかないため長い間、仙腸関節は不動関節として考えられていました。

しかし、人の体で関節として存在する部分で可動性のない部位はありません。実際にオステオパシーカイロプラクティックの世界では、可動性触診検査(モーションパルペーション)により、仙腸関節は可動関節であることが100年以上前から認知されていました。

そのため、多くの仙腸関節の矯正方法も開発され現在に至っています。当院でも、骨盤矯正として、仙腸関節の矯正は欠かせません。仙腸関節は建物でいえば基礎(土台)にあたります。

そして、背骨(脊柱)は柱に該当します。基礎である骨盤や仙腸関節が歪んでいたり、機能障害により正常な可動性がなくなっていると、その上に乗る背骨も不安定になり、歪みや機能障害を生じます。

当院での臨床上、ほとんどの腰痛股関節痛に仙腸関節の機能障害が関わっていると考えます。

仙腸関節炎とは

仙腸関節には3~5mmの可動性がありますが、この可動性が失われて仙腸関節がロックしたり、骨盤の歪みにより仙腸関節に無理な力がかかると炎症が起きます。

仙腸関節離開

特に、椅子に浅く腰掛ける姿勢は仙腸関節を支える靱帯に無理がかかり仙骨と腸骨が離開(はがれる)方向に外力がかかり、結果として仙腸関節に不安定化が起き仙腸関節炎につながるのです。

仙腸関節炎の予防のためには、椅子に座るとき腰骨をしっかり立てて座ることがポイントになります。

高さが合っていない椅子や、座面や背もたれが柔らかすぎるソファーなども、骨盤が後傾になり仙腸関節に無理な力がかかるので要注意です!

また、立位で前傾姿勢をとる姿勢も骨盤が後傾になり仙腸関節周囲の靱帯に過剰なストレスがかかります。このような姿勢で長時間の作業は気をつけてください。

仙腸関節炎は通常左右どちらか一方に起きることが多く、炎症が起きている側には痛みのため体重をかけられなくなります。

仙腸関節炎の症状

仙腸関節炎の症状は、炎症のある側の腰やお尻の痛みから下肢の痛みが特徴です。仙腸関節炎の痛みは、耐えがたいほどの強い痛みに襲われることがあります。

特に、動き始めに痛みが強く出るのが特徴です。逆に長時間の歩行で徐々に楽になることが多いのです。ジョギングや大股でウォーキング時に痛い、階段の上り下りで痛みが出る、長く椅子に座れない、仰向けに寝られない、痛みのある側を下にして寝られないなどの症状があります。

仙腸関節炎に伴う腰痛は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的です。患者さんに一番痛い部位を示してもらうと、仙腸関節の部分をピンポイントで示すことがあります。 one finger test( ワンフィンガーテスト )

仙腸関節( ワンフィンガーテスト )
ワンフィンガーテスト

ぎっくり腰のような急性腰痛の一部は、実は仙腸関節の捻挫が原因で起こります。仙腸関節の歪みや機能障害が残ったままでは、慢性腰痛に移行する場合もありますので、仙腸関節の的確な矯正が大切になります。

仙腸関節炎のその他の症状としては、仰向けに寝れない、痛いほうを下にして寝れない、 長い時間椅子に座れない 、ベッドから起き上がったり、椅子から立ち上がるなど姿勢を変えるときの腰痛や仙腸関節痛、痛い方に体重をかけたり踏ん張ることができない、歩行時の痛みが強く歩行が困難になるなどがあげられます。

仙腸関節炎の原因

仙腸関節炎の原因は、仙腸関節の歪みや過可動性、正常な可動性の消失です。この様になる要因は以下のような原因が考えられます。

  • 悪い姿勢で長時間座り続ける(椅子に浅く座るなど)
  • スポーツなどで片足に急激な体重がかかる動作
  • 片足に体重が偏った立ち方で長時間立ち続ける
  • 事故や転倒で骨盤を強打する
  • お尻のポケットに財布などを入れたまま、椅子に腰かけることで片方の骨盤が圧迫されズレる
  • 妊娠・出産に伴う骨盤の歪み

仙腸関節炎の診断

仙腸関節炎はレントゲン診断ではわからないことが多く、CT、MRIにおけるに診断に結びつく特徴的な画像所見はないというのが定説です。

まずは仙腸関節部にピンポイントの圧痛があるかをチェックし、整形外科テスト(ゲンスレンテスト、パトリックテストなど)で仙腸関節のストレステストを行い陽性か否かをチェックします。

当院ではキネシオロジー(筋肉反応テスト)にて体を丸ごと調べますので、仙腸関節炎、仙腸関節機能不全、仙腸関節機能障害などの病名にとらわれずに、適切に治療が行われます。

仙腸関節炎の治療

仙腸関節炎の治療は、骨盤矯正による仙腸関節のアライメント調整です。仙腸関節の歪みは、捻じれ、離開(開き)、上下のズレ、左右のズレ、前後のズレなど様々な歪みが存在し、これらが複合しているケースも多くあります。

当院では、独自のキネシオロジー(筋肉反応検査)により、仙腸関節炎の改善に関連する根本的な治療個所を特定していきます。

仙腸関節の触診や可動性検査、整形外科テストも大変重要な鑑別法で、仙腸関節に問題がある側には多くのケースで患部に浮腫を認めます。

当院では、腰を急激にひねるような乱暴な矯正は一切行いません。オステオパシーやカイロプラクティックの手技の中から、ソフトで安全なものを患者様の状況に合わせて選択いたします。

また、 AKA (関節運動学的アプローチ)博田法(はかたほう)を改良したJSA手技療法 (Joint Skating Approach)による施術も行います。この治療法は関節包内運動改善に大変効果的で、仙腸関節の最も深い部分の歪みを矯正し、可動性を回復させるためにとても有効に働きます。

仙腸関節は靱帯、軟骨、骨などの構成要素からできており、それぞれに対しエネルギーブロックが存在するかどうかをチェックし、問題のある部位を調整します。

仙腸関節を個別に動かす筋肉は存在しませんが、腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)、腰方形筋、梨状筋などは、姿勢と密接にかかわりますので、これらの問題もチェックし筋肉の調整をすることは仙腸関節にとどまらず、全身のバランス調整には欠かせません。

仙腸関節炎の症状が強い場合は、骨盤ベルト、ゴムバンド、ゴムチューブなどで仙腸関節を固定すると痛みが軽減しますので重宝します。

当院でも仙腸関節炎で病院で手術が必要と言われていた患者様が、数回の施術で改善したケースもあります。仙腸関節の機能障害を改善することが、仙腸関節炎に対する最善の治療法だと考えます。

札幌 谷井治療室

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