現代人の身体は少しずつ変化している

私たちの生活は、この100年ほどで劇的に変わりました。

柔らかい食品が増え、車やエレベーターが普及し、昔ほど身体を使わなくても生活できる時代になっています。

こうした文明の発達は私たちの生活を豊かにしましたが、一方で身体には少しずつ変化が起きているように感じます。

ここでいう「退化」とは、人間が進化の過程で能力を失ったという意味ではありません。柔らかい食生活や生活様式の変化によって、顎や噛む機能を十分に使う機会が減り、その結果として顎の発達様式が変化している可能性を指しています。

私は30年以上にわたり整体・カイロプラクティック・オステオパシーの臨床に携わってきました。

私が開業した約30年前と比べると、若い患者さんほど骨格が細く、筋肉量も少なく、顎の発達も控えめに感じるケースが増えている印象があります。もちろん統計ではありませんが、毎日患者さんを診続けてきた臨床家として感じている変化です。

もちろん、これは私自身の臨床的な印象であり、すべての人に当てはまるものではありません。

しかし、近年の研究でも、現代人の顎や歯列の変化が報告されています。

親知らずがない人は世界平均で約22%

以前は親知らずが4本生えることが一般的でした。

しかし現在では、生まれつき親知らずが存在しない人は決して珍しくありません。

2015年に発表されたシステマティックレビュー(92件の研究・約6万3千人を対象)では、親知らず(第三大臼歯)が先天的に欠如している人は世界平均で22.6%と報告されています。

また、女性の方が男性よりも親知らずが欠如している割合がやや高いことも示されています。

さらに2021年の研究では、親知らずが欠如している人ほど、上顎骨・下顎骨・顔全体が小さい傾向が認められました。

もちろん、これだけで顎関節症になるわけではありません。

しかし、顎の発達や噛む機能の変化が、顎関節へ何らかの影響を与えている可能性は十分考えられます。

出典:Carter K, Worthington S. Morphologic and Demographic Predictors of Third Molar Agenesis: A Systematic Review and Meta-analysis. Journal of Dental Research. 2015;94(7):886-894. DOI: 10.1177/0022034515581644

👉顎関節症の原因や当院の施術について詳しく知りたい方は、「札幌の顎関節症整体ページ」をご覧ください。

「小顔」は本当に良いことなのでしょうか

現代では小顔が美しさの象徴として語られることがあります。

しかし、生物学的な視点では、顎が小さくなることは必ずしも望ましい変化とはいえません。

顎が十分に発達しなければ、

  • 歯が並ぶスペースが不足する
  • 歯並びが乱れる
  • 噛み合わせが不安定になる
  • 顎関節へ負担がかかる

などの問題が起こりやすくなる可能性があります。

顎関節症は、姿勢やストレス、食いしばり、神経系の働きなど多くの要因が重なって発症します。

顎の発達も、その一因になっている可能性があります。

歯だけではなく、筋肉や骨も変化しているように感じます

私は日々、患者さんの筋肉や骨格を触診しています。

画像検査だけでは分からない筋肉の張りや骨格の質感は、実際に触れて初めて分かる情報も少なくありません。

その中で感じるのは、歯だけではなく、骨格そのものが細く、筋肉量も少なくなっている若い方が以前より増えていることです。

筋肉は骨に刺激を与え、骨は噛む力や姿勢を支えています。

そのため私は、歯の変化は身体全体の変化の一部ではないかと考えています。

もちろん、これは私自身の臨床的な考察であり、今後さらに研究が進むことを期待しています。

昔の治療法は、現代人にもそのまま当てはまるのでしょうか

私が臨床で用いているカイロプラクティックやオステオパシーは、130年以上前に体系化された治療法です。

当時の人々は、現代ほど柔らかい食事や運動不足の生活ではありませんでした。

もし筋肉や骨格そのものが変化しているのであれば、当時考案された治療法を、そのまま現代人へ当てはめるだけでは十分ではない可能性もあります。

だから私は、伝統的な手技を大切にしながらも、現代人の身体に合わせて検査法や評価法を常に見直すよう心掛けています。

👉カイロプラクティックの詳細はこちら

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人間にも適度な刺激が必要なのかもしれません

植物学者・田中修先生は、シシトウは成長の過程で適度なストレスを受けるほど辛味が強くなることを紹介しています。

もちろん植物と人間を同じようには考えられません。

しかし、人間もまた、適度な刺激を受けながら身体を発達させてきた生き物です。赤ちゃんは噛む・歩く・転ぶ・遊ぶといった様々な刺激を受けながら発達していきます。

噛むこと。

歩くこと。

身体を動かすこと。

こうした日常の刺激が、筋肉や骨、神経系の健全な発達に役立っているのではないかと私は考えています。

もちろん、人間は植物とは異なります。しかし、生物が適度な刺激を受けながら成長・適応するという考え方は、人間の身体にも共通する部分があるのではないかと私は考えています。

筋肉は使わなければ衰えます

ドイツの発生学者ウィルヘルム・ルーは、筋肉について次のような法則を示しています。

  • 適度に使えば発達する
  • 使わなければ萎縮する
  • 使いすぎても萎縮する

人体最大の臓器は筋肉です。

筋肉は姿勢を支え、血液循環を助け、関節を守っています。

その約70%は下半身にあります。

健康のためには「貯金」だけではなく、「貯筋」も大切です。

日常的によく歩き、身体を動かし、しっかり噛んで食べることは、顎だけでなく全身の健康にもつながると私は考えています。

顎の筋肉も例外ではありません。しっかり噛んで食べるという日常の習慣は、咀嚼筋への適度な刺激となり、顎の機能を維持するうえでも大切ではないかと私は考えています。

私が顎関節症で全身を診る理由

顎関節症は顎だけの病気ではありません。

姿勢、骨盤、背骨、首、頭蓋骨、筋肉、ストレス、神経系。

これらが複雑に影響し合っています。

だから私は顎だけではなく、全身を評価しながら施術を行っています。

大人になってから、歯の本数を増やしたり、顎の骨を大きくすることはできません。現代生活の中で十分に発達しにくくなった部分を、嘆いてばかりいても始まりません。

体は全身のバランスの中で成り立っています。顎関節だけでなく、骨盤や背骨、頭蓋骨など全身の状態を整えることで、顎関節へかかる負担を軽減できる可能性があると私は考えています。

便利な生活は私たちに多くの恩恵をもたらしました。その一方で、身体を十分に使わなくても生活できる環境は、筋肉や骨格、そして顎の発達にも少しずつ影響を与えているのかもしれません。

顎関節症を改善するためには、顎だけを見るのではなく、身体全体を一つのつながりとして考える視点が大切だと私は考えています。だからこそ当院では、骨盤や背骨、頭蓋骨、筋肉、神経系まで含めた全身の評価を重視し、その方に合った施術を行っています。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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