筋肉の重要性

筋肉を鍛えると健康に役立つって知ってましたか。

今回ご紹介する書籍は、「体力の正体は筋肉」樋口 満 著 集英社新書です。

当たり前のことですが、人は必ず老化します。そして、老年症候群や廃用性萎縮などに悩まされます。

老年症候群・・・体力の衰え、転倒(骨折)、頻尿・尿失禁、低栄養、聴力・視力の低下、認知機能の低下、咀嚼や嚥下能力などの口腔機能の低下(誤嚥)、睡眠障害、うつ、閉じこもりなど相互に関連しあう項目の症状がこれにあたります。

廃用症候群(はいようせいしょうこうぐん)・・・「生活不活発病」ともよばれ、具体的には、筋力の低下、筋肉や骨組織の萎縮、関節の拘縮、心肺機能の低下、うつ、知的活動(意欲)の低下など。

2013年時点での日本人男性の平均寿命は80.21年、女性は86.61年。同じ時点での健康寿命は、男性が71.19年、女性が74.21年です。(2020年の日本人の平均寿命は女性が87・74歳、男性が81・64歳です。)

平均寿命と健康寿命の間には男性で9.02年、女性は12.4年の開きがあります。男女とも約10年の開きがあり、この期間は「健康上の問題で日常生活に制限が出てしまった健康でない期間」ということになります。

筋肉イラスト

この「健康寿命=自立寿命」を伸ばすには、運動やトレーニング、食事によって筋肉を鍛えて体力をつけ、衰えてしまった体力を回復することです。

それでは、筋肉の話をしていきたいと思います。体の動くところにはすべて筋肉が存在します。筋肉には骨格筋、心筋、内臓筋があります。

筋肉は何のために存在するのでしょうか? 第1に体を動かすモーターとしての働きです。歩いたり走ったりするのも筋肉があるからできるのですが、身体の中の組織や器官も筋肉が動かしています。心臓の鼓動も、呼吸も、胃や腸の蠕動運動もすべて筋肉の収縮が原動力になっているのです。

第2の役割は、重力などに対する姿勢の維持です。立位や座位や寝ているときでも、低いレベルながら筋緊張を保っていて身体の姿勢を保持しています。この状態を、専門用語では「トーヌス」といいます。

トーヌスとは少し違いますが、筋肉が各関節の周りを取り囲むことによって、関節を安定させ、その動きをサポートするという役割もあります。これも姿勢の維持に役立っています。

第3の役割は、熱を作ることです。ヒトの身体は常に37℃ほどの体温が保たれるようになっています。その熱を生み出すことに一番貢献しているのが筋肉です。熱産生の約6割が筋肉で、2割前後が肝臓や腎臓、残りの2割が褐色脂肪とされています。

筋肉は熱をつくるため、いつもエネルギーを消費しています。そして、そのためのエネルギー源として糖質や脂質が使われてます。もし筋肉によるエネルギー消費が低下すると、糖質や脂質が身体の中に余分に蓄積されます。その結果、メタボリックシンドロームといった生活習慣病にかかるリスクが増えてしまいます。つまり、代謝恒常性が保たれているのは筋肉のお蔭なのです。

第4の役割は、力学的ストレスから身体を保護すること。例えば、おなかを取り巻いている腹筋や背筋の存在によって、腹腔の中にある内臓は守られています。昆虫や甲殻類の外骨格のような役割を筋肉が担っているお蔭で、内部の器官や組織が正しく機能できるのです。

5番目に挙げられるのは、内分泌器官としての役割です。2005年、運動することで筋肉が生理活性物質を分泌、放出していることが発見されました。

デンマーク・コペンハーゲン大学、ペデルセン教授の研究チームが、『筋肉からホルモンが分泌されている』ことを発見したのです。そのホルモンを、「マイオカイン(myo:筋、kine作動物質) 筋肉由来内分泌因子」となずけました。

それまで、筋肉は、たんなるエネルギー消費組織にすぎない、とみられていました。生理活性物質(ホルモン)を分泌するのは、副腎や甲状腺などの内分泌器官に限られていると、研究者たちは思いこんでいたのです。

ところが格下に見ていた筋組織から夢の万能ホルモンが30種類以上分泌されていることがわかったのです。

筋肉から分泌されるマイオカインには次のような効能があります。

  • 老化防止・・・様々な加齢病を防止する。
  • 代謝作用・・・全身の代謝機能を活性化する。
  • 認知改善・・・脳機能活性で、認知症を防ぐ。
  • 病気予防・・・種々の疾病を防ぐ効果を確認。
  • 調整機能・・・体内の代謝、分泌を調節する。
  • 血糖調整・・・血糖の値を調整する機能がある。
  • 脂質低下・・・血中コレステロールを低下。
  • 萎縮予防・・・筋萎縮、筋低下を防止する。
  • 精力増強・・・男性ホルモン増が確認される。
  • 脂肪分解・・・脂肪を分解し肥満を改善する。

ここでポイントとなるのは、マイオカインは、運動不足などでほとんど使われずに新陳代謝が十分に行われていない骨格筋からは分泌されにくく、分泌される量にも限りがあるという点です。つまり、マイオカインの分泌を促すには、骨格筋を動かす運動をコンスタントに続けて筋量を増やすのが有効なのです!

この様に、体を動かさなければ、病気にかかりやすくなることが分かります。私たちの体は動くことを前提につくられているのです。

運動は、筋力とともに柔軟性も高めます。背骨を支えているのも筋肉の働きですし、運動をしてもケガをしないで体を自由に動かせるのも筋力や柔軟性があるお陰です。

私も臨床の現場でたびたび目にするのは、筋力や柔軟性がないが故の腰痛肩こりなどです。人間の体は適度に鍛えられて初めて正常に機能するのです。

それでは、筋肉を鍛えるのにはどうしたらよいのかをお伝えさせていただきます。筋肉を鍛える方法はいくつかありますので、皆さまが最も行いやすい環境をお選びになればよいと思います。

まず第一に、スポーツジムなどに入会して筋トレをする方法です。このメリットは、初心者でもインストラクターに指導してもらいながら気軽に本格的なトレーニングができることです。

次は自宅で筋トレをする方法です。ダンベルやゴムチューブなどの器具を購入しても良いし、自重トレーニングやアイソメトリック・トレーニングなど器具を用いないでできる方法もあります。自宅トレーニングのメリットはお金があまりかからないことと、場所と時間を選ばないことです。

健康目的の筋トレをするうえでは、ジムでするのも、自宅でするのもどちらでもよいと思います。ただし、トレーニング方法や食事法などの最低限の学習は必要です!

筋トレを行う上で解剖学や生理学、栄養学などを知っておくことは、安全に効果的なトレーニングを行う上で必須になります。

後は継続あるのみです! 皆様のご健康をお祈りしています。

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