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札幌の「キネシオロジーの谷井治療室」院長の谷井昌幸です。専門のキネシオロジー、オステオパシー、カイロプラクティック、整体治療、MTS療法の事や、心と体の事、潜在意識や食事、運動など健康に役立つ情報をお届けいたします。

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治療院業界の徒弟制度

私が治療師の業界に入った当時は、どこかの治療院に弟子入りして、お世話になりながら治療技術やその他の関連する業務を覚えるというのが当たり前でした。いわゆる、徒弟制度というものです。

さすがに今の時代では丁稚奉公というものはありませんでしたが、それに近い体系はありました。

私も、何件かの治療院にお世話になり、徒弟制度の中で学ばせていただきました。この様な制度が当たり前の世代である私は古い世代になったようで、今の時代には徒弟制度はそぐわないという風潮が主流になっているようです。

徒弟制度や丁稚奉公と、昨今話題になっているブラック企業を、同列に扱っているものもありますが、私はそれは違うと思います。

ブラック企業は、従業員をボロボロになるまで働かせるだけで、そこで仕事の能力を磨いて将来は独立することができるという様な希望が全くありません。

しかし、徒弟制度や丁稚奉公というのは、頑張って努力精進すれば、将来は独立することも夢ではないという希望があります。

治療業界の様に、職人技の世界では、その技術の伝承や習得には、徒弟制度という形態が合っていると思います。治療の業界以外でも、落語や歌舞伎の世界でもそうですし、大工や左官などの職人も徒弟制度の中で、技術を習得していきます。

ただし、ここで重要なことは、良い師匠に出会えるかということです。ここで言う良き師とは、生き方を教えてくれる師のことです。よく言う例えに、「10年悪い師に仕えるよりも、10年かけて良い師を探しなさい」というものです。

確かに、職人として将来生きていくためには、全人格的成長が必要になるため、良き師に出会えるか否かは、大変重要なこととなります。

こればかりは、運というか、ご縁というか、自分ではどうしようもない要素もあるかもしれませんが、それでも志をもって歩み続ければ、きっとそのような良き師に出会うことができると信じています。

教育者の森 信三先生は、以下のような言葉を残しています。

人間は一生のうち 逢うべき人には必ず逢える。 しかも一瞬早過ぎず、 一瞬遅すぎない時に。

森先生の言葉を借りれば、会うべき師には必ず会えるということになります。そのためにも自分を高め、良き師を求めることが肝要かと思います。

徒弟制度には、複雑な技術の習得や、師と仰ぐ人物からその生きざまを直接学ぶことができるという良さもありますが、師弟関係は上下関係なので、主従の関係であり、封建的な側面も持っていますので、当然として負の部分も現れやすいと思います。

石の上にも三年といいますが、大体どこの治療院でも慣例として、3年が最低の修行期間となっています。3年の根拠には、それなりの技術を習得するには、最低でも3年位はかかるということですが、これは雇い主側の理論でもあります。

雇い主は、一度雇った弟子が早く辞めてしまったのでは、いろいろと困るので、技を教えるのにも小出しにしていく傾向があるのです。もっと酷いケースでは、全く教えもしないで、「技は見て盗め」と言わんばかりの先生もいます。

私の先輩の柔道整復師から聞いた話ですが、昔の接骨院では、脱臼の患者が来たら、院長がその技術を盗まれたくないため、弟子にタバコを買いに行かせたそうです。その反面、住み込みで働いているため、直接的には治療と関係がない炊事、洗濯、掃除や、院長の車の洗車までさせられたりと何でもしなくてはいけなかったそうです。

殴る蹴るは当たり前の先生もいますし、勤務時間に対しても労働基準法なんて概念は全く存在しないのが当たり前でした。

今の世の中の尺度で考えれば、不条理極まりないものですが、昔は当たり前のことでした。長時間労働や暴力的指導を擁護するつもりはありませんし、あってはならないことだと思いますが、この厳しさは、後の開業に向けて自分を育てる為の大きな力にもなるのです。

徒弟制度の功罪を考える時に、確かに負の側面もありますが、良いこともありますし、このシステム自体はうまく機能すれば、大変良いものだと思います。ある程度の年数をかけて、あえて厳しい環境に自分を置くことはとても大切です。

味噌づくりをしたことのある方ならわかると思いますが、一年寝かせた味噌と、三年間寝かせた味噌とでは、その味わいや風味がまるで違うのです。

人間も同じで、治療の修行も短期養成コースなどですぐに開業してしまう先生と、何年も下積みを重ねてきた先生とでは、治療技術もさることながら、その醸し出す人間力が全く違うのです。

先程、一見治療とは関係のない雑事をさせられるということも書きましたが、これとて自分が独立開業をしたら、全部自分でやらなくてはいけない事ばかりなのです。

そういった意味では、OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の観点からも、徒弟制度は優れた制度だと思います。

独立開業している先生方ならこの意味がたぶんわかると思います。確かに徒弟制度における修業時代の辛さや苦しさは大変なものです。

しかし、独立開業したらもっと辛い事が待っているのです。独立開業ということは、治療家として施術だけをしていればよいのではなく、経営者としての学びや実践も必要になってきます。

弟子時代の様に叱り飛ばしてくれる人もいないので、よほど自分に厳しくないと、ついつい怠惰な方に流されてしまいます。その結果の責任は全て自分が取らなくてはなりません。

独立開業してからの苦しさを考えたら、修行時代の苦しさなど、まだまだ甘いものです。それを痛いほど分かっている師匠が、弟子を厳しく育てるのには、その様な意味があるのです。

これをブラックだとか、封建的だとか非難する人もいますが、自分が経営者として矢面に立っていない人には、この心境は分からないことだと思います。それ位、経営者とそうでない人とは立場が違うのです。

パナソニックの創業者である松下幸之助は少年時代、大阪の船場などで丁稚奉公をして、火鉢店や自転車店で仕事を手伝っていた時期があります。

本田技研工業の創業者である本田宗一郎は少年時代、東京の自動車修理工場に丁稚奉公として働き、修理技術を磨いていました。

何でも簡単に便利に手に入る時代になりましたが、この徒弟制度がもっと見直されても良いのではないかと思っています。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を改善する整体治療院 「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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足底の痛みから教えられたこと

札幌、谷井治療室の谷井昌幸です。ここ最近の臨床の傾向では、足底(足の裏、かかと)が痛いという方が散見されます。

足底は当然立った時の接地面になり、立位のバランス上の起点になります。歩行においても足底の状態が全身に影響を与えます。

足部に問題があれば、その影響は膝関節や股関節にもあらわれ、更に骨盤(仙腸関節)、脊柱、頭蓋骨、顎関節などとその影響は波及していきます。

カイロプラクティックや、オステオパシー、整体、リハビリテーションなどの世界でも、足の関節やその機能はとても重要に考えています。

ただし、重要とはいっても、骨盤や脊柱などと比べると、足関節などは無視されがちな部分でもあり、意外と見逃されやすい部位でもあります。

全身調整においては、脊椎の椎間関節や骨盤の仙腸関節などが優先されることが多く、その反面、手足の関節などは、後回しにされることが多いのが実状です。

確かに全身調整という大局的な問題においては、足の関節が最終的なメジャーポイントとして治療箇所になる事は少ないのです。

しかし、究極的には全身のどこがメジャーポイントとして現れても不思議ではないので、足の関節などを調整することで全身のバランスを取ることも可能なのです。

将来の事は分かりませんが、現時点での私の治療の形態では、第一の優先順位として脊椎や骨盤、頭蓋骨を調整することがほとんどで、上肢や下肢の調整は、そこに個別の問題が強く残る場合に調整するという状況です。

カイロプラクティックなどでは、イネイト・インテリジェンス(先天的知能、先天的治癒力)という考えに強く固執する傾向があるため、特にストレートカイロプラクティックの世界では、頸椎などのサブラクセーションをアジャストによって矯正したら、後は何もしないでイネイト・インテリジェンスの働きに委ねると考えます。

そのためこれらの学派の先生方は、直接的に四肢の関節を調整することは、基本的にはありません。私もカイロプラクティックの哲学に触れたばかりの頃は、このストレートカイロプラクティックの理論に傾倒し椎骨のアジャストだけですべてが解決すると思っていました。

しかし、自分で臨床を行うようになると、ここで大きな壁に突き当たることになったのです。カイロプラクティックの哲学や理論は素晴らしいのですが、実際の臨床では、教科書通りに事は運ばず、悪戦苦闘の日々が続きました。

患者様からは、「踵が痛いのです」「足をつくと足底が痛いです」「膝が痛い」「手首が痛い」などと、手足の問題を訴えられ、なかなか改善しないものには困り果てていたのです。

確かに四肢の関節も脊柱や骨盤の影響を受けているため、これらを調整すれば、それなりに、関節の動きも改善しますが、頑固なものはこれだけではなかなか解決しないのです。

カイロプラクティックやオステオパシーにも四肢のテクニックは存在しますが、脊柱や骨盤などに比べたら、サブ的な存在で、私も今ほど深く追求することはありませんでした。

実践の臨床の場では結果が全てです。哲学や理論だけでは治すことも出来ず、どうしたらよい結果を出すことができるのかと、改善と研究の毎日です。

そのお蔭もあって、その当時と比べたら、四肢の問題にも幅広く対応できるようになったと思います。身体の研究に関しては、これで良いというゴールはありませんので、日々研鑽を積み重ねる大変泥臭い作業が続きます。

なかなか治せないときにも、私を信頼して通い続けてくださった患者様には、何とお礼を言ってよいか分かりません。

「窮すれば通ず」と申しますが、やはり私のような凡夫は、本当に困らないと変われないのだと思います。

足底筋膜炎や踵の痛みを訴える患者様の体を調べて行くと、今まで気づかなかった事がいろいろと見えてくるようになりました。はじめのうちは、足の痛みに対して、足ばかりを見ていたのですが、そのうちに全身との関連が繋がってきたのです。

「木を見て森を見ず」といいますが、まさしくそのような状況に陥っていたのだと思います。それだけでも、そこそこの結果は出ていたのですが、全身との関係を視野に入れて施術すると、更なる飛躍が望めたのです。

やはり身体は、どこもが繋がっているのです。足底筋膜炎で足の裏が痛いから足の関節の調整をする。五十肩で肩が痛いから肩関節の調整をする。この様な考え方だけでは、どうしても治療が袋小路に入り込んでしまい、その全体像が見えなくなってしまうのです。

四肢の問題においても、大所高所から見た、全体としての観点と、局所の観点が必要なのです。このどちらかが欠けても結果はついてこないと思います。

部分は全体とのつながりの中に存在し、全体はその部分を包含しているのです。そう考えると、どこが大切で、どこが大切でないなどと、優劣をつけることができなくなりました。

今までも、自分の中では全体をホリスティックな観点から見ていたつもりでしたが、今思うと全くもって、お恥ずかしいかぎりです。

私たちは世界をあるがままに見ているようで、実のところは、私たちのあるがままに世界を見ているだけなのです。

自分自身のレベルを上げなくては、いつまでたっても、狭い世界しか見えないということになります。臨床を通して患者様から教えられ、今があることに感謝をしつつも、更なる高みを目指してこれからも前進して行けたらと思っております。

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プロレスラーの頸椎損傷に思うこと

先日、インターネットニュースを見ていたら、プロレスラーの高山善廣さんが、頸髄損傷で首から下が全く動かない状態であるとのことで、私も大変ショックを受けました。子供の頃からプロレスや格闘技は好きで、よく観ていたこともあり、高山さんは好きなレスラーでした。

以前にもプロレスラーの三沢光晴さんがバックドロップという技を受けた後、頚髄離断という事故に見舞われ、お亡くなりになりました。本当に残念なことです。レスリングや柔道、相撲などの格闘技や、ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツも頸椎を痛めやすいスポーツです。

私も、書生時代にアマレスの選手で頸椎損傷を起こし、腕にしびれと痛みが出て、尚且つ筋力低下もともなっていた方を見たことがあります。そこの治療院は、男性患者は上半身裸にならなくてはいけなかったので、そのアマレス選手も裸になってもらったのですが、筋骨隆々としたヘラクレスの様な体にびっくりしたものです。

しかし、こんなにも頑強な体をした選手でも、その首は様々なストレスにさらされ、破壊されていたのです。頸部の筋肉はブリッジなどで鍛えることができますが、その他の部位である頚椎椎間板や椎間関節、靭帯などは基本的に鍛えることはできません。逆に激しいトレーニングや、スパーリングなどで、靭帯や椎間板、関節包などの軟部組織は、消耗し微細な損傷を繰り返していきます。

その結果、頚椎の退化病が進行し、変形性頚椎症などの退行変性疾患にかかってしまうのです。こうなってしまうと、骨棘などの頚椎の変形も進み、脊髄神経や末梢神経を痛めやすくなってしまいます。

私が以前カイロプラクティックを学ばせていただきました、シオカワ・スクール・オブ・カイロプラクティックの塩川満章先生におうかがいしたお話で、今でも印象的に覚えているものがあります。それは、角界のプリンスと言われた、先代の大関貴ノ花のことです。

塩川先生の治療室に貴乃花が訪れたときには、首を痛めていて、手に力が入らず、指の間に挟んだ紙を引き抜くと、力なく簡単に抜けてしまったそうです。相撲に怪我はつきものですが、やはり相当に疲労や損傷が蓄積していたのでしょう。

レスラーや力士など激しく体を鍛えている人でも、他の部位と比べ、首だけは脆弱なのです。

ギリシャ神話に登場するアキレスの話は有名です。無双の強さを誇ったアキレスですが、唯一の弱点である踵(アキレス腱)を射られ死んでしまいます。この神話にちなんで、アキレス腱を弱点としたり、弱い部分を形容する際にアキレス腱が例え話に出ることがあります。

確かにアキレス腱は、断裂しやすい部位だと思います。ただ、アキレス腱が切れたとしても、命に別状があるわけではありませんし、手術をして繋ぐことも可能です。

しかし首の場合はその複雑さからそう簡単にはいきませんし、生命にかかわる部分でもあります。首は頭を支えていますし、最大の中枢である脳からの神経が細い首の中に集約されているのです。頸髄の太さは小指の太さくらいで、直径は約1cm前後です。これだけ細い部分に、脳から全身へ、全身から脳へと様々な情報が集まっているため、一度問題が生じると重篤な症状に陥ることもあるのです。

身体には手首、足首などと、の付く部位がありますが、これらも痛めやすい部位です。やはり細くなっている部分は力学的に弱いのです。

頸椎はそれ程弱い部分で、どなたもでも痛める可能性があるのです。有名な方でも首を痛めた方は沢山います。

皇后美智子様の頸椎症性神経根症。THE BOOMのボーカル宮沢和史さんも、頸椎症性神経根症。盗塁王5度の阪神の赤星憲広外野手は、中心性頸髄損傷。韓流スターのヨン様こと、ペ・ヨンジュンさんも、頸椎椎間板ヘルニアになっています。ロックバンド・X JAPANのYOSHIKIさんは、頸椎椎間孔狭窄症と頸椎椎間板ヘルニアの手術をしました。

冒頭に示した、プロレスラーや力士以外でも、様々な形で首に無理がかかり、変形性頸椎症と呼ばれる退化病や、椎間板ヘルニアなどを発症し、その結果としての神経障害に苦しんでいます。

以前のブログ「頚椎椎間板ヘルニアと肩こり」でもご紹介しましたが、スマホの長時間の使用は、首に大変ストレスをかけますので、本当に注意しなくてはなりません。

日常のちょっとした負担の積み重ねにより、徐々に頸椎に変形や損傷が起こり、かなり悪くなってから初めて症状として表面化するのです。

この様な状況になる前に頸椎や骨盤などのバランスを整えることは、大変有効な予防法になると思います。機械でも動きの悪い所は錆び付き、アライメントの悪い所は摩耗が激しくなりします。

これは肉体も同じです。整体治療を通して頸椎の機能を正常に保ち続けることと、日常生活の中で、首に無理をかけないことが肝要だと思います。

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治療と慰安の選択

手技療法には、整体治療、カイロプラクティック、オステオパシー、あん摩・指圧・マッサージなど様々な治療法があります。

法律的には、「治療」という言葉は、医師、歯科医師以外には認められておらず、我々の行う行為は、「施術」と言うのだそうですが、ここではあえて治療という表現を使わせていただきたいと思います。

目の前の患者様を、何とかして良くして差し上げたいとの思いから行われる施術は、ある意味で治療と呼べるのではないでしょうか。

しかし、一般的には治療に対して、以下の様な解釈がなされています。

゛病気という名前で呼ばれる個人的状態に対し,それを回復させるか,あるいは悪化を阻止しようとしてとられる行為をいう。その内容は,病気を診断し治療することであるが,実施にあたるのは近代的社会では法律的にその資格を独占的に与えられている医師が中心になるところから,医師の行う行為一般に拡大されることもある”  (出典:世界大百科事典 第2版)

医学の父ヒポクラテスは、「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す」と表現しました。この言葉の意味するところは、人の体にはもともと「治ろうとする機能(自然治癒力)」があり、医師の役割というのは、その機能の補助にすぎず、治療や医療行為というのは治る機能を補助するものである、としているのです。

西洋の諺に、「神が治し、人が金をとる」というものがありますが、実際に体を治しているのは、人を生かしている見えざる力であります。これを神と呼んだり、自然治癒力と呼んだりと、様々な表現がありますが、最終的にはこのような力の働きで良くなっているのです。

それでは、何でもかんでもこの大いなる自然治癒力にだけ任せていればよくなるのかと言ったら、その様なことはありません。やはり、「人事を尽くし天命を待つ」の言葉の様に治療行為を通して、自分に与えられた使命を全うするということが大切かと思います。

患者様が自ら治ってゆくのを補助することが治療の目的であるならば、医師以外のものであっても、その志を持って行われた行為は、治療と呼べるのではないかと私は思っているのです。

逆に、たとえ医師であっても、経営のために過剰な検査や投薬を繰り返すだけの医療なら、それは真の意味での治療とは呼べないのではないでしょうか。

しかし、これには患者の側にも問題が無いとは言えません。沢山の検査をしてくれ、沢山の薬を出してくれる先生が、良い医者であり良い病院であるとの間違った考えがあるためです。ある意味、過剰なサービスを患者が要求するため、医療サイドもそれに応えるような形になってしまっているのです。

我々の業界でも過剰サービスや慰安行為はあります。特にあん摩・マッサージ・指圧の世界には多いのです。いわゆる慰安マッサージと言うもので、その場しのぎ的に患者(お客さん)の辛い所や、揉んでほしい所を施術するものです。

でも、これでは中々症状の改善には至らないのも事実です。実は私もマッサージ師ですし、この業界での実務経験もあるのです。

私も、本当に効果の出る治療法を求めていたのですが、お金のためにマッサージのアルバイトをしていた時期もありました。

ただし、この様な時でも目指していたのは、本当に治療のできる手技療法家になることでしたので、マッサージのためのマッサージはしてこなかったのです。今行っているマッサージは、全て将来、治療家になるための触診の勉強だと思ってやっていました。だからどんな時でも辛いと思ったことは一度もありません。好きなことをやるための通過点なので、当然と言えば当然ですが、そのためだったら何をやっても楽しかったのです。

そうやって一生懸命マッサージに励んでいたので、お客様からも気に入って頂き、多くの指名を頂ける様になっていました。実はそこのマッサージ所は、固定給であったので、いくら指名を頂いてもお給料は全く上がらなかったのです。それでも、お客様に気に入って頂いたことが嬉しくて、更に仕事に励みました。

同僚からは、「こんなところで指名をもらったって意味がない!」と嫌味を言われたりもしましたが、私はそれは違うと思いました。どんな場末のマッサージ所でも、そこでお客様の心をつかむことは、将来自分で独立開業するときに必ず役立つと思っていたからです。

独立開業した今の立場から言えることは、あの時の判断は間違っていなかったということです。そして、あれがあったからこそ、今の自分があると思っています。

慰安マッサージの利点は、手っ取り早く結果を出せるということです。マッサージを受けるお客さんも、治る治らないに関係なく、揉まれている過程の気持ちよさを求めに来ている方が大半なので、あくまでも刹那的な快楽が第一の目的なのです。

これは、「嫌なことがあったら、酒を飲んで忘れてしまおう!」というのとよく似ていて、酔いが醒めたらまた元の現実に引き戻されてしまうのです。慰安マッサージの効果もその場だけで、コリや痛みの症状はすぐに元に戻ってしまいます。

「それじゃあ、やっぱり、本当に効果のある、治療を目的とした施術の方がいいじゃないですか!」と皆様はお思いでしょうが、実にこれがなかなか難しいのです。

下手な治療家の治療を受けるくらいなら、慰安マッサージを受けていた方が、まだましともいえるのです。マッサージなら当たりハズレの差は少ないですが、下手な治療を受けたら本当にヤバイこともあるのです。歩いて治療院に行ったのに、帰りは這って帰るという笑えない話も現実にはあります。

治療を目的とした手技療法で、結果を出すということは意外と難しく、私も日々研鑽を積んでおりますが、いまだ満足のいく治療には至っておりません。

この難しさゆえに、慰安という安易な逃げ道を選択してしまう治療家もいます。

慰安マッサージが全く無意味というわけではなく、それはあくまでも真の治療という柱がしっかりしている上での補助という立場であればよいと思っています。

あん摩もマッサージも指圧も、無目的に慰安的に行うのではなく、その手技に意義や目的や価値を持たせれば、治療を目的とした立派な手技に様変わりするのです。

大切なのは、どの様な思いで治療に当たるのかということで、これによって結果は大きく変わります。

ただし先程も述べたように、手技療法において、純粋に治療を求めて道なき道を歩むということは、あえて、いばらの道を選ぶようなもので、本当に厳しい世界なのです。

それでも私は、安易に慰安的な施術に逃げるのではなく、少しでも患者様の苦痛が楽になる道を追求していきたいと思っております。

狭い門からはいれ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。

そして、そこから入って行く者が多い。

命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。

(マタイによる福音書7:13-14、口語訳聖書) 

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手技療法と大和魂

私が東京から北海道札幌市に移住して、同じ日本でも所変われば何とやらで、様々なギャップを感じたのも事実です。

幸い言葉は東京とほとんど変わらず、イントネーションも同じなので、この点は不自由したことがありません。

コールセンターで仕事をしている患者さんに聞いた話では、札幌はコールセンターの会社がひしめいているというのです。その理由が札幌の人は言葉が奇麗だからだそうです。私も確かにそう思います。

方言(北海道弁)は別として、その他の言葉はどうしてこんなにも標準語(共通語)に近いのかと不思議でなりません。その理由は北海道の歴史の浅さにあるのかもしれませんが、この問題は専門家の意見などを今後勉強してみないとわかりません。

食文化も、一風変わったものもあります。まず思いつくのが、「赤飯」です。東京の赤飯は、もち米に小豆を入れますが、北海道では、甘納豆(それも巨大な豆です)を入れるのです。そして、食紅を使ってご飯をピンク色にします。甘い赤飯は衝撃的でした。コンビニの赤飯おにぎりもこの甘納豆おにぎりです。

次に「鶏のから揚げ」のことを札幌では「ザンギ」というのです。この呼び名の由来はいまだにわかりません。因みに「トウモロコシ」のことを、北海道では「トウキビ」と呼びます。

手袋をすることも、こちらでは「手袋を履く」といいます。また、車のタイヤも履くと言います。

この様に違う所を上げたらきりがありませんので、まあこの辺にすることにします。

話題を整体治療に変えたいと思います。治療の世界は情報量では東京が最先端を行っていると思いますが、だから東京の治療が一番優れているとは言えません。今は昔と違いインターネットの普及もあり、交通網も整備されたため、たとえ陸続きでない北海道だとしても、やり方次第でいくらでも情報を集めることはできます。

確かに様々なものが揃う札幌に住んでいるので、言えるという部分もあると思います。これが同じ北海道でも地方都市であったなら、少しハンディがあるかもしれませんが、それでも昔から比べたら様々なことが便利になっているのではないでしょうか。

そう考えますと、情報に関しては、日本中ほとんどの地域が横一列になっていていると思います。あとは細かい違いとしては、47都道府県にそれぞれの地域性や習慣の違いがあることは確かで、平均寿命や病気の種類も多少の差はあるようですが、それほど格差があるわけではないと思います。

同じ日本の中ではそんなに違いが無いということにして、では海外とはどうなのでしょうか。海外の事情に関しては、まったく疎いので、偉そうなことは言えませんが、手技療法に関してはアメリカが世界をリードしているような気がします。オステオパシーもカイロプラクティックもその発祥はアメリカで、日本の手技療法も多大な影響を受けています。

ただ日本とアメリカとでは、法制度も違うし、オステオパスやカイロプラクターの位置づけも違うので、同じ土俵で比べることはできません。ただ言えることは、日本人は器用だということです。海外から様々な治療法をとり入れ、それをもとに日本独自のものを作り上げてゆく能力に長けていると思うのです。

これは物づくりでもいえることで、自動車でも、電化製品でも日本の技術は素晴らしいと思います。軍事技術などでアメリカにかなわないものもありますが、日本はよく頑張っていると思います。そもそも覇権国家であるアメリカに様々な情報や技術が集まるのは当然なのですから。

世界四大文明と言われる、メソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・黄河文明もその当時の最先端の情報と技術が集まっていました。

そして、かつての日本は、隋や唐から最新の技術や情報を学んでいましたが、現代はアメリカから学んでいます。

源氏物語の中にも、「才(ざえ)をもとにしてこそ、大和魂の世に用いらるる方も強う侍(はべ)らめ」という名言があります。これは、「他国の学問を基本にしてこそ、大和魂を世に発揮できる人が多いのである」という意味です。ここで言う「大和魂」とは、日本古来から伝統的に伝わる固有の精神という意味で、決して軍国主義的なものではありません。

この様に日本人の素晴らしさは、諸外国から謙虚に学び、それを日本的精神をもって独自の文化として高めていけるところではないでしょうか。

今の手技療法の世界もそのようになってほしいと思いますし、必ずそうなっていくと思います。日本人の日本人による日本独自の手技療法です。

そのためには、紫式部が記したように、「才(ざえ)をもとにしてこそ・・・」すなわち、他国の学問を日本的精神をもって、決して驕らず、謙虚に、そして素直に学んでいくことが真の日本人の知恵である大和魂に繋がるのではないかと思っています。

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