坐骨神経痛の原因として最も多いのは腰椎椎間板ヘルニアといわれております。このタイプの坐骨神経痛は、ラセーグ徴候陽性(下図参照)を示すことが多いです。

腰椎椎間板ヘルニア画像

椎間板ヘルニアは、悪い姿勢での作業や運動、動作や、喫煙などにより起こりやすくなります。

上の写真は腰部のMRI画像です。腰椎5番と仙骨の間に椎間板ヘルニアの存在を確認できます。またヘルニアによる神経の圧迫も示しております。

その他の原因として、臨床上では非常に少ないですが、梨状筋(りじょうきん)症候群といって、梨状筋部での坐骨神経の圧迫や絞扼(こうやく)などのストレスにより坐骨神経痛が発生するものもあります。

高齢者では変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などの腰部変形性疾患にによって坐骨神経痛が発生するものも少なくありません。

その他、原因不明のものも多々ありますが、当院の施術に良い反応を示すものが多いのも事実でございます。

腰椎椎間板ヘルニア画像

上の図は、第5腰椎と仙骨の間の椎間板に発生した腰椎椎間板ヘルニアの画像です。

ヘルニア画像
  • 用語解説
  • Meningi・・・髄膜
  • Sostanza gnigia・・・灰白質
  • Sostanza bianca・・・白質
  • Radice dorsaie・・・後根
  • Radice ventrale・・・前根
  • Nervo spinale・・・脊髄神経
  • Nucleo polposo・・・髄核
  • Anello flbroso・・・繊維輪
  • Corpo della vertebra・・・椎間板

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上の図は、椎間板を上から見たところで、向かって右側に椎間板の髄核が脱出して、脊髄神経を圧迫する様子を動きのある画像で表しています。

ラセーグ徴候

ラセーグテスト画像

ラセーグ徴候とは神経診断学における神経根症状を調べるための検査法で、SLR(Straight Leg Raising Test 下肢伸展挙上検査)、ラセーグテストとも言います。

患者様を仰向けに寝かせて術者の手を踵部にかけて、膝を伸展のまま挙上した時に70°以下の範囲で坐骨神経に沿う臀部から大腿後側、下腿部に及ぶ放散痛が現れた時に陽性所見とする。

坐骨神経痛のメカニズム

坐骨神経は、第4、第5腰神経と第1~第3仙骨神経により構成されます。

坐骨神経の走行は大坐骨孔(梨状筋下孔:りじょうきんかこう)を通り骨盤外に出て大腿後面を下降し、膝の裏の上方で総腓骨神経と脛骨神経とに分かれます。

骨盤全面と坐骨神経
骨盤全面と坐骨神経
坐骨神経と臀部筋肉

黄色い線が坐骨神経ですが、梨状筋と坐骨神経との関係は個人差があり、上図の様な標準的なタイプは全体の85%くらいで、残りの15%は坐骨神経が梨状筋の中を貫通したり、梨状筋上孔と梨状筋下孔を上下にまたいだりするタイプとなります。

この様なタイプは梨状筋の過緊張や外傷後の炎症などによって坐骨神経が圧迫や絞扼されやすく、梨状筋症候を発症しやすくなります。

梨状筋症候の症状は梨状筋から下位の坐骨神経ラインに沿って痛みやしびれを感じ、お尻~膝裏~足先まで広がります。
痛みの範囲は、お尻のみの方もいれば、下肢全体が痛む方もいます。患部を下にして寝たり、長時間のデスクワークや車の運転で症状が悪化することがあります。また、過度な運動も厳禁です!

椎間板ヘルニアなど根性症状と梨状筋症候群との判別診断が大切で、梨状筋症候群では一般的にラセーグ徴候(SLRテスト)は陰性で、筋力低下(-)、デルマトーム(皮膚分節)と症状の部位は必ずしも一致しない。梨状筋部の圧痛点の押圧により、症状の誘発をみることもあります。

整形外科的な理学検査としては、Kボンネットテストによる判別が有効です。

デルマトーム画像

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