体の声を聴く
谷井治療室での臨床検査法の柱になるのが、キネシオロジーテスト法です。この検査法は、その発祥の原点として、カイロプラクティックの学派のAK(Applied Kinesiology.アプライドキネシオロジー:応用運動機能学)が基礎になっています。
アプライドキネシオロジー(AK)は、アメリカのカイロプラクターであるジョージ・グットハート(George Goodheart)が1964年に発表したものです。ジョージ・グッドハートはケンダル(kendall)の筋力テスト法を使って、患者の前鋸筋(ぜんきょきん)をテストして弱化を検出しました。そして、前鋸筋を触診して、起始部に筋肉の硬い硬結を発見したため、その硬結をマニピュレーションしたところ、前鋸筋の筋力が改善したのです。
この発見が、AK(アプライドキネシオロジー)の発祥とされています。先程、ケンダルの筋力テスト法について述べましたが、この筋力テスト法は、正式には徒手筋力テスト法と呼ばれるもので、一般的にはMMT(Manual Muscle Testing)と呼ばれます。
ケンダル以外にも、ダニエル(Daniels)らによって、基本的な徒手筋力テスト法が発表され、医療の現場で活用されています。
MMTの目的
徒手筋力検査の目的は、個々の独立した筋力を評価する事です。例えば、腕を挙げる筋力を測ろうとしても、人間の身体は一つの動作に対して、様々な筋肉が協調して働いてしまいます。
腕の前方挙上、すなわち肩関節屈曲(可動範囲:0~180°)に関わる主な筋肉は、三角筋前部、大胸筋上部、烏口腕筋になります。腕を挙げる力を何らかの測定器や、ダンベルなどの重りを使用して、筋力を測定しようとすると、腕を挙げる事に関係する全ての筋肉に加え、全身の筋肉が腕を挙げる動作に協調的に働いてしまいます。これにより腕の前方挙上に関わる筋力以上の力を発揮してしまうのです。
また、腕の挙げ方を工夫すれば、腕の力があまりなくても重い物を持ち上げる事ができてしまいます。 (トリックムーブメント:Trick Movement)
これでは個々の独立した筋肉の筋力を測定するといった目的から外れ、筋力検査の正確性が失われてしまいます。
そこで、これらの要素を極力排除した形で個々の独立した筋力を調べる方法として、徒手筋力テスト法が開発されたのです。
徒手筋力テスト法(MMT)には、その他の目的も含んでいます。
- 末梢神経損傷や脊髄損傷の損傷部位の決定。
- 関節、筋、神経系の障害による筋のバランスや関節変形の予想を立てたり、腱板断裂などの筋・腱損傷の判断にも役立つ。
- 筋トレや筋ストレッチの部位や、その方法の決定や判断に役立てる。
- この検査はそれ自体各関節運動になるので、筋力増強訓練として役立つ。また、PNF(神経筋促通法)にも応用できます。
- 治療内容が適切であったかどうかの再評価にも使えます。
MMTの判定基準
MMTの判定基準には、0~5の6段階による評価基準があります。
5:(正常)Normal 重力と強い抵抗に抗して完全に運動できる
4:(優)Good 重力と中等度の抵抗に抗して完全に運動できる
3:(良)Fair 重力に抗して完全に運動できる
2:(可)Poor 重力を除けば完全に運動できる
1:(不可)Trace 筋のわずかな収縮はみられるが、関節は動かない
0:(ゼロ)Zero 筋の収縮が全く認められない
上記のような判定基準は、医療の現場では必須のものです。しかし、我々整体治療師はこの基準を覚えることも大事ですが、別の観点からこの徒手筋力テストを行えることが最重要になってきます。
アプライドキネシオロジーでは、一般的に三角筋や広背筋、腸腰筋などを検査筋(インジケーターマッスル)として用います。この時に、徒手筋力テスト(MMT)の要領で正確に筋力テストを行えることが要求されます。
この際に用いる検査筋は、正常な機能を有する筋肉を使いますので、MMTの判定基準で5(Normal)の筋力があることを確認します。何らかの理由で筋力低下を起こしている筋肉は、疲労しやすく、エラーが出ることがありますので、検査筋には使えません。
また、筋力低下を起こしている筋肉があれば、それも把握しておく必要があります。
徒手筋力テスト(MMT)とアプライドキネシオロジーの違いは、MMTは、目的とする筋肉の筋力を検査するだけですが、キネシオロジーテストの目的は、検査筋を使って治療の必要な個所や、その調整方法などをチェックすることにあります。
たとえ徒手筋力テスト(MMT)の評価で、5(Normal)の筋力を有する筋肉でも、キネシオロジーテストでは、場合によっては筋力低下を起こします。
筋肉は脳からの命令を、神経を介して受け取り収縮しますが、キネシオロジーテストにおいて、様々な条件設定を行い筋力テストを行うと、実際に正常であった筋力が低下するのです。
この様に、人の筋力はあらゆる条件において一定ではなく、様々な条件によって強くもなれば、弱くもなります。
では、人の筋力は、どの様なことで低下してしまうのでしょうか?
- 食事、栄養、酒、タバコ
- 薬、食品添加物、農薬
- 運動
- 骨格的歪み、関節機能障害、筋肉・腱・靭帯・筋膜などの障害、内臓の問題など
- 休養、睡眠
- 精神、感情、ストレス
- 環境
- その他
これらの事に問題がなければ、人はエネルギッシュに、健康で健全な生活を送れますが、どこかに問題があると、筋力低下を起こす要因になります。
筋力低下を起こすということは、究極的には人体細胞の一個一個が活力低下をおこしているということです。すなわち生命力の低下を起こしているのです。
これらの問題個所を、キネシオロジーテストで調べ、改善させることで健康に導くのが施術の目的となります。
当然、治療だけでは補えない問題(食事、運動、睡眠など)の生活習慣の改善も必要になります。
この目的達成のために、谷井治療室では、徒手筋力テスト(MMT)や、キネシオロジーテストを活用して体の声を聴いております。
筋力低下(生命力の低下)を起こしている部位を、生命力あふれる状態に導けますようこれからも全力でサポートさせていただきます。
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