小麦グルテンに注意!
グルテンフリーという言葉をご存知ですか? 今回ご紹介する書籍は、「ジョコビッチの生まれ変わる食事」 ノバク・ジョコビッチ著 扶桑社 です。
実は小麦に含まれるグルテンが、体質的にグルテンに弱い人にとっては、様々な不調や疾患の原因になっているのです。
頭痛、倦怠感、腹部膨満感、下痢、便秘、肥満、抑うつ、注意力低下などの症状が、グルテンによって引き起こされていると知ったらどうですか。
小麦に含まれるグルテンとは「グリアジン」と「グルテニン」というタンパク質に、水を加えることで形成される粘り気や弾力のある物質です。
パンの生地がもちもちした感じになるのも、ラーメンやうどんの麺に腰があるのも、このグルテンが決め手なのです。
グルテンフリーとは、グルテンによって引き起こされる自己免疫疾患であるセリアック病、グルテン過敏症(不耐症)、小麦アレルギーなどの予防や改善のために生み出されたもので、ジョコビッチ自身もグルテン不耐症を患っていたのです。
コンディションの調整が上手くいかないジョコビッチが、グルテンフリーの食生活によって生まれ変わり、数々の輝かしい成績をおさめ、現在もプロテニスランキング1位に君臨してるのです!
ジョコビッチの人生を変えたのは、同じセルビア出身の栄養学者、イゴール・セトジェヴィッチ博士で、彼はたまたま自宅のテレビで全豪オープンで、ジョコビッチが倒れる姿を見ました。
博士はその後、クロアチアで行われたデニスカップ中にジョコビッチとの対面を果たし、食事の問題を指摘するのです。
博士のおかしな実験
この本には、谷井治療室でも採用しているキネシオロジー(筋肉反応テスト)の事が出てきます。キネシオロジーはカイロプラクティックの検査法の一つです。以下にその一部を抜粋します。
「このテストをすれば、君の体がどの食べ物に対して過敏になっているかが分かる」と博士は断言します。
まず博士は私の左手を腹に当てさせ、右腕を横に真直ぐ伸ばすようにと指示した。
「私が押してみるから、君はそれに逆らってくれ」。博士は私の右腕を下に押しながら言った。しばらくして、博士は圧力をかけるのをやめた。「これが君のあるべき反応だ」。そう博士は言った。
そして、私に一切れのパンが渡された。
「お腹の前でこれを持って、もう一回右腕を伸ばしてみてくれ」。再び博士は私の腕を下に押しながら、説明してくれた。この単純なテストによって私の肉体が小麦や大麦、ライ麦などパンに含まれるタンパク質であるグルテンに対して、過敏なのかどうかがわかるのだという。
あまりのバカバカしさに、私は博士が気でも狂ったのかと思った。
しかし、明らかな違いが現れた。パンをお腹に近づけるだけで、私の腕はセトベヴィッチ博士の下向きの圧力に抵抗できなくなっていた。私は明らかに力が抜けていた。
「つまりこれが、君の体がパンに含まれる小麦を拒絶している証拠だ」
博士はそう言い、そこで私は「グルテン不耐症」という言葉を初めて教えられた。 (ジョコビッチの生まれ変わる食事より)
皆さん、いかがでしたか? 私たちの様な施術をするものは、この文章を読んですぐに、これはキネシオロジー(筋肉反応テスト)の事だとわかります。しかし、多くの一般読者の方は、何のことだかわからないと思います。
ここでは詳しくはご説明しませんが、体の中の原始感覚として、この様な現象が起きるのです。
ただし、キネシオロジー(筋肉反応テスト)で小麦に反応したからといって、必ずしも小麦による、IgEやIgGの抗体があるということではありません。
キネシオロジーは、血液検査ではなく、生体エネルギーを調べているのです。ですから単なるアレルギー反応だけでなく、もっと根源的な部分からの体の声として、小麦が合っていないということを読み取っているのです。
よって、体の不調もグルテンによる物質的なレベルと、エネルギー的なレベルでの不調があるのではないかと思います。
グルテン不耐症の人は、5人に1人いると言われていますが、キネシオロジーで調べてみると、かなりの患者様に反応するのは確かです。
グルテンの多いパンやパスタ、ピザ(ジョコビッチの家はピザ屋でした)を食べることで、彼の体の中には炎症が起きていたと述べています。
ジョコビッチいわく、グルテンの多く含まれる小麦製品を食べることで、鼻づまり、関節痛、内臓のけいれん、喘息などの症状に苦しめられていたそうです。
そして、2週間、小麦製品を食べなかったことで、彼の体に劇的な変化が訪れました。
14年間悩まされていた夜間の鼻づまりが突如消え去り、毎朝、最高の目覚めを迎えることが出来たというのです。
しかし、2週間ぶりに博士の指示でベーグルを食べたジョコビッチは、一晩中ウイスキーを飲んでいたかのような感覚に襲われ、ベッドを這い出るのがやっとだったそうです。
また、鼻づまりも再発し、まるで二日酔いのような状態だったと述べています。
この体調の変化を通して、彼の体が「グルテン不耐症」だと知らせてくれたのです。
私の治療室に来てくださる患者様にも、体がだるくて動けない方がいました。キネシオロジー(筋肉反応テスト)を行うと、小麦に反応していたので、しばらく小麦製品をやめるよう指示しました。
すると体調がみるみる良くなり、「庭の草むしりが出来ました!」と喜びの報告をいただきました。その後、バイトを週3回出来るまでに回復したのです。
また、私が修行時代に担当させていただいた患者様に、主食がパンという方がいました。その方は20代の女性でしたが、関節の硬さは70代くらいの硬さに感じたのを今でも覚えています。この年齢でこれほどまでに関節の可動性が少ないのも、もしかしたら食生活のせいではないかと考えています。
人間だけでなく、金魚も小麦を食べると具合が悪くなることがあるのです。我が家では三匹の金魚を飼っていますが、そのうちの一匹が小麦入りのえさを食べると、お腹にガスが溜まってしまい、水面に浮きあがってしまうのです。小麦が入っていないえさの場合は、大丈夫なのです。
ジョコビッチが言っているように、小麦のグルテンを消化できない人にとっては、グルテンが炎症誘発物質になってしまいます。
小麦粉に水を加えてまぜた容器を、洗う時のことを思い出してください。べっとりと容器にこびりついて、洗いづらいですよね! この、べっとりとこびりついたグルテンが、人間の腸の中でも同じようになったらどうですか?
腸内環境は悪くなり、腸から全身に炎症が起きて、体だけでなく心のバランスも崩してしまいます。腸と脳は相関関係にあるのです。
知り合いの歯医者さんが、小麦粉のものを食べると歯の間にこびりつき、虫歯になりやすくなると言っていました。
この本では、5人に一人は小麦グルテン不耐症の人が存在すると述べています。もちろん症状の軽い人から、重い人まで程度は様々でが、もしかしたら皆さんの中にも小麦グルテン不耐症の方がいるかもしれません。
軽い症状であれば、それに気づかずに、毎日のように小麦の入ったものを食べ続けているでしょう。
もし自分の今の健康状態に疑問や不安があったなら、まず2週間小麦の入った食品を食べないで見てください。もしかしたらこれによって、様々な問題が解決するかもしれません。
パンや麺類、お菓子など小麦製品は美味しいものばかりです。小麦断ちには意志の力が相当必要かもしれませんが、皆様の中でお考えになってみてください!
皆様のご健康をお祈りしております!
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