MTS療法とは?
MTS療法という治療法をご存知ですか?札幌でMTS療法を使った治療を行う谷井治療室の院長が、MTS療法についてご説明します。
MTS療法は、キネシオロジー(筋肉反応テスト)を用いた高度な診断と、矯正個所を限局化した精度の高いアジャストが特徴で、最小の刺激で最大の効果を目指す治療法なのです。
MTS療法の歴史
MTS療法とは、Muscle(筋力) Testing (テスト)Socius(仲間、ラテン語)の頭文字をとったものです。日本語にすると、「脳・脊髄神経機能調整」とも表現できます。札幌 谷井治療室もMTS療法を治療法の柱としています。
薬や手術によるのではなく、科学的な理論と手技療法という自然な方法で体を治します。MTS療法は人間本来の自然治癒力を発動させることで健康を維持・増進させる治療法です。
MTS療法は、患者様お一人おひとりの腰痛や肩こりなどの真の原因をしらべ、確実にアジャスト(矯正)します。MTS療法で用いる治療法は、とてもソフトな調整で骨をボキボキしたりはしません。
MTS療法は、母子小指対立筋(ぼししょうしたいりつきん)などのインジケーター筋を使って、キネシオロジー(徒手筋力テスト:筋肉反応テスト)を行いながら、問題の箇所を調べる治療法で、カイロプラクティックのAK(アプライドキネシオロジー)が、この検査法の原点になります。
MTS療法を開発したのは、恩師である東京の浦野治療室の浦野喬義先生と仰る方です。浦野先生にお聞きしたところによると、もともとは鍼灸師の資格を取得し、その後、オステオパシーの世界で学ばれたそうです。
そして、その当時アメリカから帰国して、日本でカイロプラクティックを普及しようとしていた、塩川満章先生にカイロプラクティックを学びました。浦野先生は、塩川スクールの1期生で、私も同じ塩川スクールを卒業しております。ちなみに私は17期生ですので、浦野先生は大先輩に当たります。
この様に、MTS療法の原点は、「鍼灸」と「オステオパシー」と「カイロプラクティック」です。
その後は、独自の道を進み、現在のMTS療法に至ったということです。
私もご縁あって、MTS療法にお世話にり、かれこれ四半世紀は学び続けてまいりました。東京で4年、その後、私が札幌に引っ越したため、札幌で20年以上、浦野先生のご指導を受けてまいりました。
北海道札幌市に移住してからも、私がMTS療法を続けてこられたのには、大きく2つの理由があります。一つは北海道の先輩治療師の方々が、MTS療法の教育の場を整備してくださったことです。現在、MTS療法を学べる場所は、東京以外では北海道と九州のみです。それぞれの場所で、会場を用意したり事務手続きなどを行って下さる方の恩恵で、札幌の地でもMTS療法を学び続けることができるのです。
二つ目の理由は、浦野先生が毎年、北海道まで来てくださったことです。それも1年も休まずにです。浦野先生と私とでは、親子ほどの年の差があります。歳のことをいっては失礼ですが、よくあの御歳で毎年、北海道まで来てくださったと、ただ感謝あるのみです。
MTS療法を学ぶには、初級、中級、上級の基礎学習をそれぞれ1年づつかけて行うため、これだけでも3年(現在は2年に短縮)かかります。またその後に応用の学習が続きます。初級はカイロプラクティックの考えや各テクニックの概要などで、塩川スクールを卒業し、その在学中からスクール講師の治療院に弟子入りしていた私には、もう一度カイロプラクティックのおさらいをするような感じでした。
MTS療法Q&A
- MTSの治療は痛くないですか?
MTS療法は、骨をボキボキしたり強い力で押したり引いたりなどの力任せの治療は行いません。矯正個所へのコンタクトもソフトで、更にアジャストも特殊なドロップ機構を備えたヘッドピースにより、安全に正確な矯正がなされます。子供からご高齢者までどんな方にもおすすめできる治療法です。
- MTS療法の治療時間はどのくらいですか?
私は患者様が来院してからお帰りになるまでの全てが治療と考えます。よって、一概に何分とお答えすることはできません。何故ならば治療とは、問診、望診(視診)、触診、可動性検査、筋力検査など検査にどこまで時間をかけるかでも大きく変わるからです。アジャスト(矯正)は一瞬で終わりますが、その後に術後の検査もあります。
検査個所や施術箇所が少なければ、数分で終わることもあります。逆に多くの問題を調べそれらを治療する場合には30分位かかる場合もあります。
最も大切なのは、何分かけるかという時間を切り売りする治療ではなく、どこまで問題に踏み込んで、それを確実にとることができるかなのです。
- MTS療法でなんでも治りますか?
MTS療法は、脳の機能や神経伝達の改善を主眼に置いた治療法なので、これら起因した問題であれば、とても効果的に改善します。従来のカイロプラクティックやオステオパシーは、施術者の勘や経験によるところが大きく画一的な治療になりがちです。
MTS療法は、目の前の患者様の状況に合わせて、検査や治療箇所が変化しますので、オーダーメード治療になります。
確かにすべての症状や病気に万能であるわけではないですが、他の治療法でなかなか改善しなかった問題が、MTS療法で劇的に改善することもありますので、是非一度ご相談ください!
MTS療法と私
MTS療法に対する私の考えをお伝えさせていただきます。ちょっと治療家目線になってしまいますが、誰でもわかるように、できるだけ平易な言葉でよもやま話としてMTS療法というマニアックな世界をご紹介します。
MTS療法セミナーでの事件
MTS療法、一年目の初級受講時に、私はちょっとした事件を起こしてしまいました。若気の至りで、初級担当講師の沽券を傷つけてしまったのです。その講師はMTS療法の中では、一目置かれていた先生らしく、再受講の先輩方もたくさん訪れていた程の、人気の高い先生でした。
その日は、カイロプラクティックのガンステッドテクニックの講義でした。担当講師が骨盤のレントゲンフィルムを手に説明をしていたのです。ガンステッドテクニックのレントゲン分析には様々な法則がありますが、その講師は明らかに間違った説明をしていました。
私は、すかさずその間違いを指摘しました。皆の前で恥をかかされたその講師の顔は、みるみる真っ赤になっていき、険しい表情でこちらをにらみつけてきたのです。正直、マズイと思いました。
私は、塩川スクールを卒業していたので、ガンステッドテクニックは基本中の基本でした。学長の塩川満章先生が、最も得意とするテクニックが、ガンステッドテクニックだったため、塩川スクールにもその色が強く反映されていたのです。ガンステッドテクニックは、技術の習得にも時間がかかるため、2年間、毎週ガンステッドの授業があったほどで、いかにこのテクニックを習得するかが、ステイタスになっていました。
そしてまた、私は塩川スクール在学中から、ガンステッドテクニック講師の治療院に弟子入りしていたため、レントゲン分析には少々自信があったのです。そこの治療院では、患者様に提携病院でレントゲンを撮ってもらうことが多々あり、その写真を分析しやすい様に線引きするのが、全て私の仕事になっていました。
皆様、シャーカステンをご存知でしょうか。今では何でも電子化されてしまい、レントゲン画像も、モニターにそのまま映し出すことができますが、以前は黒くて大きなフィルムに現像されていました。現像されたフィルムをシャーカステンに差して裏から光にかざして見るのです。私も患者様からお預かりしたレントゲンフィルムをシャーカステンに乗せ、ガンステッドパラレルルーラーという定規を使って、腸骨の歪みや、腰椎のローテーション、メジャー側の特定、ADの計算など、様々な作業を一人でこなしていました。
毎日ガンステッド漬けの日々だったので、お蔭様で、レントゲンを見れば、線引きをしなくても、おおよそのことが分かるようになっていました。
その様な中で、MTS療法の初級の授業でガンステッドの間違った講義を聞いてしまったため、思わず指摘してしまったのです。その後、この講師とは何となくギクシャクした関係になってしまいました。今ではこの講師も、MTS研究会をお辞めになったと聞きます。もうお会いすることもないかと思いますが、申し訳ないことをしたと、とても反省しています。
MTS療法の修行
その当時、同じ志を持ってMTS療法を学ぶ同期の治療師は、20人以上いましたが、年々減少して行き、現在では数名を数えるのみという状況です。MTS療法を学ぶ治療師の先生は全国で100名以上いますが、過去に辞めて行った治療師の先生は、その10倍以上いるのではないでしょうか。
MTS療法は、1年目の治療師でも理屈は分かるが、30年以上の治療師でも、これを行うのは難しいという治療法です。理屈が分かるのと、それを体現できるのとは別問題なのです。
例えば、野球のイチロー選手に、バッティングの手解きを受け、その理論や理屈が分かったとしても、イチロー選手の様にバッティングをすることはできません。
MTS療法も同じで、浦野先生に治療を教えていただいても、すぐにMTS治療ができるわけではないのです。たゆまぬ反復練習を行って、自分の中に落とし込まなくては、できるというレベルにはならないのです。(たいして出来ていない自分が言っても説得力はありませんが・・・)
MTS療法に入門してきた治療師の中には、明日からすぐに使える治療技術を教えてほしいと、入会してくる先生もいると思います。この様な先生方は、単純な反復訓練の修行に耐えかねて、辞めて行ってしまうのではないでしょうか。辞めてしまう理由には、根が続かないということと、もう一つ理由があると思います。
MTS療法は、もともとカイロプラクティックなどで開業していた治療師の先生方が、「百尺竿頭に一歩を進む」の禅語の如く、治療の技術は、ある程度のレベルに達しているが、なおその上に一歩を進もうと志して、浦野先生に教えを乞う形でスタートしたものと聞きます。
この様な経緯から、一から十まで教えてもらおうと思って、MTS治療の門を叩くと、期待外れに終わってしまうのではないでしょうか。
ただここで注意しなくてはいけないのは、何事にも「守」、「破」、「離」というものが存在する様に、MTS治療も浦野先生のコピーを目指すのではないと私は思っています。
MTS治療には、決まった型は無いのです。浦野先生も基本的なことは教えてくださいますが、全て自分と同じようにせよとは言いません。(言われても出来ないというのが本音ですが)
十人の治療家がいれば、十通りのMTS治療があってしかるべきなのです。カイロプラクティックの世界でも、B.Jパーマー、ガンステッド、トムソン、ピアーズ、ディジョネットなどの名だたるカイロプラクターは、それぞれ源流は同じでも、強烈な個性を放つ独自のテクニックを開発しました。また一流は一流を知るの如く、お互いをリスペクトしている点も素晴らしいと思います。
私が書生時代にお世話になっていた治療院は、ガンステッドテクニックを主に行っていました。そこの先生が次のような印象的な言葉を残しています。「日本では、ガンステッドテクニックを行う治療院は沢山あるが、ガンステッドシステムを行う治療院はない」というものです。
たしかに、始めから終わりまで、ガンステッドクリニックのシステムを導入することは、レントゲン撮影の問題などで、不可能です。しかし、それをクリアしたとしても、ガンステッドテクニックのみで治療を行うとなると様々な壁に突き当たると思います。
究極的には、治療テクニックやそのシステムは、目の前の患者様のためにあるものです。患者様をテクニックにはめ込むのではなく、テクニックが患者様に歩み寄ることが肝要だと思います。それはMTS治療でも同じです。
MTS療法と浦野テクニック
MTS療法も別の呼び方をすれば、「浦野テクニック」となります。浦野テクニックであるMTS治療は、浦野先生のものであり、いくらそれをまねしても、浦野先生にはなれないのです。
野球でも同じで、その昔、王 貞治選手の一本足打法を、まねようとした選手は何人もいましたが、結局、王選手以上の成績を残した人はいませんでした。
宗教も同じで、仏教の教祖はお釈迦様ですが、その分派である各宗派の宗祖がそれぞれ別に存在するのです。誰もがお釈迦様の様になりたいと修行をしていても、そこになかなか到達できません。
キリスト教も、教祖はイエス様ですが、その分派は無数にあり、皆がイエス様の様になりたいと目指していますが、結果は皆さまがご存知の通りです。
治療の業界は、浦野先生の真似だけで飯が食えるほど甘い世界ではありません。私も現在に至るまで、苦戦の連続です。北海道に来たばかりの頃は、浦野先生が心配してくださり、私に会うたびに「谷井君、食えているか?」と、よく声をかけてくださいました。浦野先生にご心配をかけるわけにもいかないので、かなり厳しい経営状況でも、その都度「はい!」と答えていました。今でも決して楽な状況ではありませんが、お蔭様で無事に生活させていただいています。
私のもう一人のMTS治療の師は、渋谷の山崎整骨院の山崎徹先生です。山崎先生のMTS治療に対する姿勢には、頭が下がる思いです。私生活全てがMTS治療に直結しているという生き様で、私には到底まねのできないことです。
MTS治療も技術優先ではなくて、人間性とか生き方などの部分が重要であるということを、山崎先生はその背中を通して教えてくださいました。
山崎整骨院の門下生は、通常はそこを卒業したら、浦野治療室のスタッフに入ることがほとんどでしたが、私は諸般の事情で北海道に住むことになったため、それはかなわなかったのです。
浦野先生の内弟子としてMTS治療を学んだわけではないですが、私はそのことに引け目を感じたことは一度もありません。逆に北海道で諸先輩方から、新たなる観点の治療に対するご指導を頂いたりと、感謝することばかりです。これらの事が自分の中のMTS治療と、良い意味での化学反応を起こして現在があると感謝しています。
お釈迦様の十大弟子の一人にアーナンダ(阿難)がいます。彼はお釈迦様の弟子の中で、一番悟りを開くのが遅かったと言われています。それは彼が美男子だったからだとか、いろいろと諸説ありますが、彼は釈迦族出身で、最も身近に、そして最も長くお釈迦様のそばにいたのです。お釈迦様の説教を最も多く聞き、よく記憶していたので、「多聞第一」と言われていました。最も身近にいたがゆえに、悟れなかったのは、恵まれすぎた環境であるためだったからではないでしょうか。
仮に私のMTS治療の修行環境が、浦野治療室のスタッフという恵まれすぎた環境であったなら、そのことに甘んじてしまい、アーナンダの様に、かえって成長が遅くなってしまったかもしれません。その点では、少し厳しく不自由な環境であったことが、怠け者の私にはよかったのではないかと思っています。
今まで、出来の悪い私を育ててくださった、皆様に感謝をし、これからの札幌での治療家人生も、MTS療法を基軸に、楽しんで精進して行けたらと思っています。
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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。
全国どこでも遠隔施術も承ります。https://www.taniithiryousitu.com/distant-healing/
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