頚椎アジャストの危険性!

私がカイロプラクティックの業界に入って間もなかった当時、カイロプラクティックが様々な方面でその危険性を問題視されていました。週刊文春でも「恐怖のカイロプラクティック」などのタイトルで、何週にも渡り特集を組んで、一部の危険な手技の禁止や、一部の悪徳商法を行う団体や短期養成校卒の低レベルなカイロプラクターが問題視されることがありました。
厚生労働省(その当時は厚生省)でも、「医業類似行為に対する取扱いについて」として、平成三年六月二八日に、医事第五八号として各都道府県衛生担当部(局)長あて厚生省健康政策局医事課長通知というものが出ています。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html
その通達の中で、特に注目する部分が以下の文章です。
カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。
上記の様に、カイロプラクティックにおける頸椎のスラスト法は禁止する必要があるとの見解が明文化されているのです。
ところで頸椎のスラスト法とは、いったいどのような施術法なのかということですが、これを細かく文章によってあらわすのは難しいですが、一般的に素人の方がわかる表現で例えると、首をひねってボキッと頸椎の矯正をするものがこれに当たります。
カイロプラクティックのテクニック的には、ガンステッドテクニック、ディバーシファイドテクニック、などの頸椎アジャストがこれに相当すると思われますが、細かいスラスト法の定義が存在しないためこの点は曖昧になっています。
谷井治療室では、これらのスラスト法は頸椎にとどまらず、その他の部位にも一切行いません。その理由は後程ご説明するとして、では何故頸椎のスラスト法が危険とされたのでしょうか。
当時の旧厚生省の担当者がカイロプラクティックの施術現場を見た際に、特に頸椎のスラスト法に対し危険と判断されたということですが、その科学的根拠や統計学上の根拠などはよくわかりません。
私個人の意見としては、頸椎のスラスト法は何といっても見た目が派手で、さらにボキボキと矯正音もするため、一見すると危険と判断されやすいと思います。ましてや頸椎という大変デリケートな部分を扱うのでなおさらだと思います。
しかし、頸椎のスラスト法はカイロプラクティックの代名詞的なイメージもあるので、日本国内でカイロプラクティックを標榜し開業しているからには、これらの通達を無視するわけにはいかないのも事実です。
実際問題として私もこの通達が出た当時は、寝耳に水といった感じで、では一体どうしたらよいのかと、同業の仲間と喧々諤々の議論になりました。
ガンステッドテクニックやディバーシファイドテクニックを行う先輩方も通達の内容は知っていても現場での施術は今まで通りというのが現状でした。それは今でも変わりがないでしょう。
結局のところ、カイロプラクティックの頸椎スラスト法は本当に危険なのかどうかといったところですが、以下のような残念で、痛ましい事例があります。
「カイロプラクティックが原因で死亡。34歳で急死した米人セクシー・モデルの死因に驚き」と題して報道されました。
米誌「PLAY BOY」の専属セクシー・モデル”プレイメイト”として絶大な人気を誇り、また若者に人気のSNS「スナップチャット」でも抜群の人気を獲得していたことから”スナップチャットの女王”とまで呼ばれていた人気モデルのケイティ・メイが今年2月、34歳という若さで急死し、大きな話題になりました。
死因は、カイロプラクティックによる頸椎の施術であるそうです。
また、以下のような報告もあるそうです。
「1992年、Stanford Stroke Centerの研究者は、アメリカ神経学会のメンバー486名に対し、過去2年間でカイロプラクターの施術後24時間以内に脳卒中を起こした症例を何人診たかを調査した。 この調査はアメリカ心臓協会が後援した。 177名の神経専門医が21歳から60歳までの55名の患者を報告した。 このうち1名が死亡、48名が不明瞭な発音、構文障害、めまいなどの恒久的な神経障害を生じた。 卒中の主因は椎骨動脈壁が裂けたためと考えられた。 1925年から1997年までに発行された論文116編を調べた総説によると、頸部の徒手操作に伴う頸部損傷177例の少なくとも60%はカイロプラクターによってなされたものであった。」
これらのデータだけではカイロプラクティックの頸椎スラスト法が即危険と判断するには早計だとは思いますが、一つのデータとしてお考えください。
私が臨床で頸椎のスラスト法を使わないのは、やはり事故のリスクがあるからです。例えば事故のリスクが10万回に1回だとしても、その1回は1回ですし、仮に100万回に1回でもそれは同じです。
また、正しい知識と正確な技術があれば、そうそう事故は起こらないという意見もありますが、これも説得力の低い意見だと思います。確かに施術者の教育背景や技術レベルにより安全性に差が出ることは認めます。
しかし、頸椎のスラスト法にこだわらなくても、それ以外の安全な方法で十分対処できますので、私は必要ないと考えています。
最終的にはこの通達は法律ではないので、施術者側がこれを順守し、従わなければいけない法的な根拠は不明です。
また、私達の様な国家資格の保有者は、監督官庁である厚生労働省の指示に従うのは当然の義務でありますが、無資格者の整体師やカイロプラクターにはこの通達すら認知されていないと思います。
事故が起きてからではもう遅いのです。施術者側も患者様も様々なリスクを考えて自己責任のもとでの判断になるのが現状ですが、肩こりや腰痛の施術が命がけになるのはちょっと行き過ぎではないでしょうか。
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