脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症の予防として、いくつかの体操をご紹介します。脊柱管狭窄症の治療と並行して大切なことは、ストレッチ体操などの再発予防を行うことです。
脊柱管狭窄症の患者様の特徴は、体が硬いということです。特に腰部から足までの下半身の硬さが顕著です。
脊柱管狭窄症とは、腰椎変性疾患で退化・老化病です。この様に老化による変化で、脊柱管という神経の通り道が狭くなり、脊髄神経などが圧迫されたりストレスを受けたりした結果、腰から脚への痛みやしびれが出たり、長く歩くと症状が悪化する間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状が出ます。
脊柱管狭窄症の原因
脊柱管狭窄症の患者様数は増加傾向にあります。その原因の一つが、現代社会での生活習慣の変化が考えられます。
まず座る姿勢の変化があげられます。下のイラストの様にソファーのような椅子の生活が一般的になったため、正常な背骨(脊柱)の弯曲が失われてしまいました。
この様な姿勢が続くと、腰椎の前弯という正常なカーブが消失してしまいます。骨盤も後方に倒れてしまう骨盤の後傾が起きてしまいます。いわゆる背骨がC字カーブになっている状態です。
以下に骨盤の前傾と後傾を表すイラストを示します。
人間の背骨はS字の弯曲カーブになっていますが、胎児や直立二足歩行ができない赤ちゃんは、C字カーブの背骨です。これは、骨盤後傾の状態と同じ状況です。
人間の進化の源が、直立二足歩行にあり、それを支える背骨のS字カーブが大切だとしたら、逆にC字カーブの状態は、人間の退化にあたります。
この様に、姿勢が悪いと背骨の弯曲も退化してしまい、その結果として脊柱管狭窄症になってしまうのです。
実はC字に背骨が湾曲している状態が、脊髄神経の通り道である脊柱管の面積が最も広くなる姿勢なのです。ですから脊柱管狭窄症による間欠性跛行などの症状で臀部や足に痛みやしびれが出た場合でも、椅子に腰かけ腰を丸くする(背骨のC字カーブ)姿勢をとると、脊柱管が広がり神経圧迫も改善されるのです。
しかし、このような姿勢では力学的に背骨に無理がかかります。地球上で生活する上では、鉛直方向に常に重力が働いています。背骨がS字のカーブを保っていれば、椎間板という背骨の間のクッションが正しく機能し、体重や衝撃を吸収してくれます。その結果、関節や靭帯、椎間板などへの過剰な負担が分散し吸収されるため、椎間板や靭帯、骨の変形が起こりづらいのです。
この様に脊柱管狭窄症の一番の原因は不良姿勢です。その結果、脊柱管を構成する椎骨、靭帯、椎間板に変形が起き脊柱管が狭まくなってしまうのです。
それともう一つの問題は、筋肉や腱、靭帯、などが固くなってしまい、さらに脊柱管狭窄症の悪化要因になってしまうのです。
次にこの固くなってしまった筋肉の柔軟性を回復させる方法をご紹介します。
脊柱管狭窄症 ストレッチ
脊柱管狭窄症の改善のためには、下半身の柔軟性が欠かせません。以下に効果的なストレッチ体操をご紹介いたします。
上の図のように片方の膝頭を抱え込み、胸の方へひきつけます。これを左右それぞれ30秒から1分ずつ行います。引き付ける強さは、お尻の筋肉が少し痛いけど気持ちいい程度に行い、決して無理やり強く引いたり、反動をつけたりしないでください。呼吸は止めないで、ゆっくりと息を吐きながら伸ばしている臀筋に意識を集中します。これを左右2回ずつ行います。 これによりお尻の筋肉がストレッチされ柔軟性が回復します。
次は、両膝を胸の方へ抱え込み左右のお尻の筋肉をストレッチします。ストレッチ体操の要領は先ほどの片足の抱え込みと同じです。この形が最も脊柱管が広がる形になります。
三番目は、お尻の外側の筋肉のストレッチです。上のイラストの様に右足を伸ばし、左足を右足の外側にクロスさせます。右腕で左膝の外側を内方(右側)へゆっくり押します。この時左のお尻の筋肉が伸びていることを意識します。
これを左右2回ずつ行います。
四番目として、上のイラストの様に肩から背中全体の筋肉をストレッチします。背中や腰を少し丸くなるようにすると、脊柱管狭窄症の方でも無理なく行うことができます。
最後は、ハムストリング(半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋)のストレッチです。ハムストリングとは大腿部の裏側の筋肉の総称で、脊柱管狭窄症の患者さんはハムストリングの筋肉が硬いという特徴があります。ハムストリングが硬いと骨盤が後傾してしまい脊柱がC字カーブになってしまいます。
この様になると、力学的に無理な荷重が腰椎にかかり、変性が進み脊柱管狭窄症が悪化します。
逆にハムストリングの筋肉に柔軟性があると、骨盤や背骨のS字カーブも正常になり、腰部の負担も軽減します。脊柱管狭窄症を治す上でとても大切な筋肉です。
ストレッチの方法は、上のイラストの様に右足を伸ばし、体を前傾させ両手で右足先端を持ちます。左足はあぐらの様に折り曲げます。この時体が硬くて両手が右足先まで届かなかったら足首やすねなど届くところまでで結構です。決して無理をしないことが大切です!これを左右2回ずつ行います。
脊柱管狭窄症と運動
脊柱管狭窄症を治していくためには、自力で運動を継続することが大切です。じっとしていたり、安静にしてばかりいると、血流が悪くなり、筋肉が硬くなったり、筋量と筋力が落ちてしまったりとマイナス要因が増えるだけです。
まずおすすめの運動は、ウォーキングです、脊柱管狭窄症の方は長く歩くと、間欠性跛行といって、お尻から足に痛みやしびれが出て、歩くことを継続できなくなります。その際は一度立ち止まって、椅子に腰かけ腰を丸めたり、しゃがみこんで腰を丸くしたりすると、症状が回復しますのでまた歩けるようになります。
無理をせず休みを入れながら体を動かしてください。運動によって全身の血液循環もよくなり、脊柱管狭窄症の症状改善にとても効果的です。
脊柱管狭窄症と温熱療法
脊柱管狭窄症の症状を緩和するために、痛みやしびれの出ている部分を温めてあげることは大変有効です。
人の体は温めると血流が良くなり、こり固まった患部は緩んできます。温める際の熱源としては、「使い捨てカイロ」が大変便利です。
ポイントとしては、痛みのある場所に貼ることです。例えば右のお尻が痛ければ右臀部にカイロを貼ることです。脊柱管狭窄症の患部は腰椎なので腰に貼るのが良いと思われがちですが、一番効果的なのは症状の強いところに貼ることなのです。(低温ヤケドにはご注意ください!)
お風呂で体を良く温めてあげることも大切です。逆に足腰を冷やしたり、冷たい飲み物などは、お腹の中から体が冷えてしまいますので、脊柱管狭窄症の症状が悪化してしまいます。
湿布薬や痛み止めの薬も、血管収縮作用があるものは、脊柱管狭窄症の長期的な改善にマイナスに働きますのでご注意ください!
脊柱管狭窄症の予防まとめ
脊柱管狭窄症の悪化を予防するには、日常の座り姿勢がまず大切で、腰が丸くなるような座り方は腰椎と背骨全体がC字カーブになってしまいますので、マイナスです。
また硬くなった筋肉は、ストレッチで徐々に柔軟性を回復させることが大切です。脊柱管狭窄症は体が硬くなると確実に悪化します。
ウォーキングや筋トレなどを取り入れ、全身の血流をよくすることが脊柱管狭窄症のリハビリには大切です。
また足腰の冷えに注意し、使い捨てカイロを使って温めてください。
老化病を食い止め、柔軟性を保ち、いつまでも若々しくいることが脊柱管狭窄症の予防になります。
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