画像検査で見つかる「仙腸関節の浮腫」とは

仙腸関節の浮腫(ふしゅ)とは、仙骨と腸骨の間にある関節の周囲、特に関節包や靱帯部分に液体(炎症性滲出液)がたまった状態を意味します。MRIでは、STIR画像やT2強調画像にて、白く高信号を示す所見として観察されます。
この浮腫は、仙腸関節にストレスや炎症が生じているサインとされ、骨盤の痛みや腰痛、坐骨神経痛様の症状を訴える患者に多く見られます。
私も30年以上の臨床経験において、まず仙腸関節を治療しない日は無いといっていいくらい大切な治療ポイントであります。
カイロプラクティックの診断法の中に、スタティックパルペーション(静的触診法)というものがあります。仙腸関節は、患者さんがうつぶせの状態で臀部の骨の突起がランドマーク(目印)となるのですが、ここが後上腸骨棘(posterior superior iliac spine)にあたります。

この後上腸骨棘は、脂肪が少ないところで、裸婦の絵画でもそこだけは窪んでいて目立つため「ヴィーナスのえくぼ」などとも呼ばれています。
後上腸骨棘を触診すると、ちょうど仙骨と腸骨の間に、やわらかい浮腫を触れることがあります。この浮腫は仙腸関節の歪みや機能障害と深く関係があり、浮腫が大きいほど仙腸関節のバランスも悪いのです。
仙腸関節の浮腫や炎症はあくまでも結果にすぎません。当院では、なぜ浮腫や炎症が起きたのかというその原因に踏み込んで施術いたします。
整形外科で異常なしと診断されたり、整骨院などで施術をしても改善しない皆様!あきらめないでください。当院の施術で仙腸関節機能障害を調整することで、お辛い症状に終止符を打ちましょう!
出典:Tsoi et al. (2018) のレビューでは、MRI を用いた仙腸関節炎の画像診断アプローチ、特に STIR や T2 強調画像で観察される骨髄浮腫(bone marrow edema, BME)の重要性がまとめられています。画像プロトコルから鑑別診断、限界まで解説された高信頼レビューです。
https://qims.amegroups.org/article/view/22799/html?utm_source=chatgpt.com
出典:仙腸関節痛の画像診断:最新技術
https://www.mdpi.com/2075-4426/14/8/873?utm_source=chatgpt.com
仙腸関節に浮腫が生じる原因

仙腸関節は、体幹の重みを受け止める構造上、日常生活や姿勢のクセ、または外的な要因によりさまざまなストレスを受けます。
カイロプラクティックでは、仙腸関節の別名を体重軸受け(weight bearing)とも呼びます。その理由は、上方からかかる体重と、脚から突き上げてくる力がぶつかる部分で、強い力がかかる関節だからです。
そのため、この関節が歪むと関節の一部に強い力がかかり続け、浮腫や炎症を起こします。その結果、仙腸関節の痛みや仙腸関節炎になるのです。
仙腸関節は、仙骨と腸骨の間の関節です。その中心には軟骨が存在し、関節軟骨の深層は硝子軟骨であるが、その表層は線維軟骨性である。
そして、その周りを強靭な靭帯で補強され僅か数ミリ動く半関節である。
体重や外力から骨盤という構造的な基礎を安定させるという働きと、衝撃から守ったり、仙骨のうなずき運動を行ったりするための関節可動域も僅かには必要なのです。
このように、仙腸関節は「固定と可動性」という相反する二つの役割を持つ重要な関節なのです。
この特殊性から、真の意味で仙腸関節を治すのは難しいのです。
当院ではあらゆるタイプの仙腸関節機能障害にも対応できるよう、問題個所とその状態を判断するため、進化系キネシオロジーテストを用います。
また、様々な仙腸関節機能障害に対応し、ベストな施術法で確実に調整いたします。
妊娠・出産後の骨盤のゆるみ
妊娠中、ホルモン(特にリラキシン)の分泌により仙腸関節や骨盤靱帯の緩み(弛緩性)が生じることで、関節の安定性が低下します。この変化は出産後も継続する場合があり、骨盤のゆるみに伴う痛みや仙腸関節の浮腫につながる可能性があります。
妊娠中に分泌される「リラキシン」などのホルモンにより、靱帯がゆるむことで仙腸関節が不安定になります。出産後に骨盤の痛みが続くケースでは、仙腸関節の浮腫が関与している可能性があります。
リラキシン濃度は妊娠中に10倍程度に増加し、仙腸関節の靱帯のコラーゲン構造を柔らかくし、関節の可動性を増大させることが知られています。
出典:妊娠中の骨盤帯の痛みhttps://www1.racgp.org.au/ajgp/2018/july/pelvic-girdle-pain-in-pregnancy?utm_source=chatgpt.com
姿勢の悪さや偏った動作の積み重ね
足を組む、左右どちらかに体重をかけて立つ、長時間座る…このような非対称な負荷が仙腸関節に蓄積し、浮腫や炎症を起こす要因になります。
関節リウマチ・脊椎関節炎などの炎症性疾患
強直性脊椎炎(AS)や乾癬性関節炎などの脊椎関節炎群(SpA)では、仙腸関節の炎症と浮腫が初期から認められることが多く、診断の指標としてMRIの浮腫所見が使われています。
仙腸関節の浮腫と痛みの関係
仙腸関節の浮腫は、以下のような自覚症状を引き起こす可能性があります。
- お尻の奥がズキズキ痛む
- 腰の中心より少し下・片側に違和感
- 長時間座ると悪化するが、立ち上がると楽になる
- 仰向けで寝るのがつらい
- 坐骨神経痛のような放散痛がある
これらの症状は、必ずしも腰椎の問題だけではなく、仙腸関節由来の機能障害や浮腫が関与しているケースが多くあります。
谷井治療室における整体的アプローチ
当院では、仙腸関節の浮腫に関連する痛みに対し、以下のような多角的なアプローチを行っています。
① アクティベータ・メソッド


カイロプラクティックの正規技術である「アクティベータ・メソッド」は、痛みのない軽い振動刺激で、仙腸関節のミリ単位の歪みを調整します。骨をボキボキしないソフトな方法で、関節の動きを正常化し、浮腫の原因を減らします。
院長は、北海道で唯一のアクティベータ・メソッドの正規認定者です。
② SOT(仙骨後頭骨テクニック)


特殊な三角ブロックを用い、骨盤全体の傾き・バランスを整えることで、左右の仙腸関節にかかる負担を軽減。体重のかかり方を変えることで、関節のうっ血や浮腫の改善を促します。
院長は、シオカワスクール オブ カイロプラクティック本科17期卒業生で、さらに同校SOT学部も卒業しております。
③ 進化系キネシオロジーテスト(筋反応検査)

筋肉の反応を通して、関節の機能的ストレスを体に直接たずねる独自の検査法。仙腸関節がうまく働いているか、保護反応が起きていないかを調べることで、浮腫の背景にある根本原因を明らかにします。
④ AKA博田法を進化させたJSA手技療法

当院では、仙腸関節の調整にJSA手技療法を用い、関節包内運動の改善を行います。これにより仙腸関節に無理な力がかからない、関節のアライメントと機能が回復し、浮腫や炎症を改善へと導きます。
慢性化した仙腸関節の浮腫に「脳の誤作動記憶」が関与することも


浮腫が慢性化し、画像上の異常が消えても痛みだけが残る場合には、「脳の誤作動記憶(誤認学習)」の可能性があります。これは、過去の痛みや不安などのストレス記憶が神経系に影響し、本来不要な筋緊張や防御反応が続いてしまう現象です。
谷井治療室では、こうしたケースに対し、PCRT(心身条件反射療法)を用いて脳の記憶にアプローチし、神経系の誤反応を調整する施術を提供しています。
院長は、北海道で唯一のPCRT(心身条件反射療法)の正規認定者です。
症例紹介|仙腸関節の浮腫が関与した骨盤痛の例
40代女性/出産後の右臀部痛
出産から2ヶ月後より右側の坐骨周辺にズキズキした痛み。整形外科では「異常なし」とされたが、MRIにて右仙腸関節に浮腫所見あり。当院にてキネシオロジーテストにより右仙腸関節の機能障害を確認。アクティベータ+SOTにて調整し、3回で痛みは70%改善。6回目には再発なし。
50代男性/筋トレ後から仙腸関節痛
45度レッグプレスマシーンを高重量で行った後から、骨盤の違和感が続き、その後に仙腸関節部の捻挫(仙腸関節のぎっくり腰)を繰り返し、回復後も朝、団から起き上がるときや、前傾姿勢での作業時に右の仙腸関節が痛むようになる。
仙腸関節を触診すると、明らかな浮腫を認め、右仙腸関節が後下方変異(PI腸骨)になっていました。アクティベータ・メソッドの基本調整とSOTブロック治療を合わせ仙腸関節の機能障害を改善。
4回の施術で、仙腸関節の痛みは消失。今は月1回のメンテナンスを実施して再発なし。
よくある質問(FAQ)
A:一時的なものであれば自然に軽減することもありますが、関節の機能障害が続く限り再発の可能性があります。早めの調整が望ましいです。
A:画像検査で異常がなくても、機能的な問題があれば痛みは出ます。当院では構造と反応の両方を評価し、改善の方向へ導きます。
A:すべての方に効果があるとは言えませんが、長引く慢性痛・原因不明の痛みに対しては、心と体のつながりに着目したPCRTの効果を実感される方が多いです。
A:まったく痛みはありません。当院ではスラスト法のような骨をボキボキさせる乱暴な施術は行いません。幼児からご高齢の皆様にも安心して受けていただけます。
まとめ|「構造」と「脳の反応」の両面から仙腸関節の浮腫にアプローチ
仙腸関節の浮腫は、見過ごされがちですが、骨盤痛や腰痛の隠れた原因であることが少なくありません。
当院では、アクティベータ・メソッド、SOT、キネシオロジーテスト、PCRTといった技術を駆使し、構造と神経系・脳の反応という両面からアプローチすることで、再発しにくい体づくりを目指しています。
札幌谷井治療室
〒064-0809 札幌市中央区南9条西4丁目3-15AMSタワー中島1503号室
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日 9:30~17:00
定休日 水曜・土曜・祝祭日
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