自分でできる膝痛治療

膝の痛みの根本的治療は、自分でできることがたくさんあるのです。

今回ご紹介する書籍は「100年足腰」巽 一郎先生のご著書で、サンマーク出版より出ております。

手術にはメリットもありますが、当然デメリットもあります。

現代医療の進歩は素晴らしいものですが、人間のつくり出した技術がいかに素晴らしいものでも、人間の体が自らを治すシステムの精緻さにはかないません。

私も20年前に間違ったトレーニングで左膝を痛め、膝に水が溜まり、その後に何度か膝の状態が悪化し、左膝をかばって生活していたら、今度は右膝も痛めてしまいました。

酷いときは両膝とも水が溜まり、鋭い痛みで歩くのもやっとの時もありました。

そんな私が読んでも納得の自分でできる膝の痛みの改善法をご紹介いたし産ます。

膝の痛みの原因

膝関節の軟骨

膝関節には軟骨がありますが、この軟骨には血管や神経がありませんので、軟骨そのものが壊れたり、すり減ったりしても痛みは全く感じないのです。

膝の痛みが起きる疾患は沢山ありますが、その中でも特に多いのが「変形性膝関節症」です。国内で2500万~3000万人の患者がいると言われています。

変形性膝関節症による膝の痛みの原因は、骨どうしが当たって割れる小さな骨折(微小骨折)によるものです。軟骨のすり減る場所は変形性膝関節症の患者の95%の方が「O脚」であり、「膝関節の内側」の軟骨がすり減ります。

O脚とX脚

変形性膝関節症の原因

日本人の4人に1人いると言われる変形性膝関節症の原因は次のようなものです。

  • 体重
  • 女性(ホルモンバランス・骨粗鬆症・筋力)
  • 加齢(軟骨基質の変化、筋力低下)
  • 遺伝性
  • 外傷の既往(半月板損傷など)
  • 過度の運動

この中で、スポーツなどで過去に半月板の損傷を起こしている方は、変形性膝関節症に移行しやすいのでご注意ください!

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変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の痛みの特徴は以下になります。

  • 歩き始めるときに痛みがある
  • 立ち上がるときに痛みがある
  • 階段の上り下りで痛みがある
  • 正座をするときに痛い
  • 膝の内側を押すと痛みがある

この中で一つでも該当すれば変形性膝関節症の可能性があります。

膝にかかる圧力

各動作における膝関節内での関節接触力は次のようになります。

  • 歩行:体重の3~5倍
  • 階段:上りは体重の5倍、下りは7~8倍
  • 立ち上がり:体重の6倍
  • しゃがみ込み:体重の7倍以上
  • 正座:体重の7~10倍
  • 走る:体重の7~10倍

関節軟骨

膝には平地を歩くときに体重の5倍、階段を降りるときで8倍の力がかかります。60kgの体重の人が歩くときには、300kgの力でふたつの骨が当たることになります。膝が過酷な仕事に耐えられる理由はズバリ「軟骨」にあります。

関節軟骨は「硝子軟骨(しょうしなんこつ)」でできており、半月板は「線維軟骨」でできています。

関節軟骨と半月板の摩擦係数は、氷上のアイススケートの1/10といわれています。

軟骨は「すり減る一方で再生しない」といわれますが、著者はそれは間違いだと述べています。硝子軟骨は滑膜から分泌される滑液によって栄養を受けており、適切にケアしてあげると、もとの状態に再生可能とのことです。

もし硝子軟骨がすり減って元々の硝子軟骨が無くなってしまった場合も、繊維軟骨が代わりに生えてくるといわれます。

ただし、これには大変厳しい条件がそろわないと達成されません。まず手術が必要なくらい変形が進んでいる患者さんは、保存療法のみでは軟骨再生は無理だと思います。

また、初期の変形性膝関節症の場合でも、体重管理や筋トレなど、自力で行うものをしっかり継続できるかという自己管理能力が問われます。

今までの生活習慣の結果として変形性膝関節症になったのであれば、それを変えなければ結果は変わりません。

膝が痛くなるのは普段の体の使い方や生活習慣が悪いからです。普段の体の使い方を変えることは、あなたの生き方を変えることです。

神様がつくってくれた僕たちの身体は本来、すべて自分で元に戻るようにつくられています。ですから今あらわれている不調の「原因」は何かということに向き合うことが大切です。

からだの使い方が悪いから痛みが起き、「動きたくない」→「じっとしていたほうが楽」→「日常生活の運動量低下」→「体重が増える」→「筋肉が減る」→「関節が不安定になる」→「膝の痛みが増す」この様な悪循環のわだちから抜け出すことが膝の根本的治療になるのです。

変形性膝関節症の治療

  • 消炎鎮痛薬
  • 関節内薬物注入(ヒアルロン酸、ステロイド)
  • リハビリ(筋トレ、ウォーキング、水中トレーニング)
  • 装具療法(サポーター、インソール、杖)
  • 減量(一番効果あり!)

グルコサミンなどの軟骨に良いとされるサプリの効果には疑問符が付きます。

この中で、患者さん自らが行えることは、リハビリと減量です。すなわち運動と食事管理になります。

運動の効用

筋トレやウォーキングなどの運動が膝の痛み改善には効果的といわれますが、次のような効果があります。

  • 運動すると、軟骨細胞の炎症が改善
  • 周期的に適度な運動をすると、軟骨成分であるコラーゲンがよく産生される
  • 運動すると関節内外に炎症を止める物質が産生される
  • 筋力がアップし膝関節の安定性が増す

人間の体は、うまくできていて、膝関節も適度に使ってあげると関節炎を治すための物質が分泌されたり産生されたりするようにつくられています。逆に膝が痛いからといって、安静にばかりしていたら治らなくなってしまうのです。

変形性膝関節症に効果的な体操

人間は頭が10度傾くと筋肉群の負担は2倍、30度傾くと3~4倍との報告もある。頭が前に出ると、首、肩、背中、腰、股関節、膝や足の指先まで影響が及ぶのです。

実は膝の痛みをかかえる人のほとんどがこの歩き方なのです。

年齢を重ねたら特に意識したい「長生き筋肉」が4つあります。

  • 内転筋
  • 大腿四頭筋
  • 腹筋
  • 骨盤底筋群

これらを効果的に働かせる体操がつぎの1~8になります。

  1. 正しい立ち方
  2. 内もも歩き→O脚改善
  3. 足にぎり→大腿四頭筋が復活
  4. 壁背伸び体操→腹筋、骨盤底筋群が復活
  5. CS体操→脊椎をもとの自然なカーブに戻す
  6. 足振り子体操→損傷した軟骨を再生する
  7. 多裂筋体操→インナーマッスルを復活させる
  8. 足指ほぐし→大地をしっかり踏みしめる感覚を取り戻し転倒予防にもなる

これらは体幹を整えることでもある。体幹部は大切です! 我々の行う施術も基本調整として、骨盤や背骨をまず調整してから、膝などの四肢のバランスを調整することが定石となっています。

そのほかの大腿部の筋トレは、椅子から立ち上がる体操や、椅子に腰かけ足の上げ下げ、タオルを膝の後ろに入れて伸ばすもの、寝た状態で足を10センチ上げるものなどいろいろあります。(詳しくは動画をご覧ください!)

ストレッチを無理して行うと筋肉や筋膜などを痛めてしまいます。また膝周りの筋肉を弛めすぎると、かえって膝関節の安定性が低下し膝痛の原因になってしまいます。ストレッチはやり過ぎないようにご注意ください!

先程足ほぐしのお話をしましたが、足はとっても大切で膝の痛みにも大変深く関係する部位です。その足の尊さをあらわした詩を最後にご紹介いたします。

尊いのは足の裏である 坂村真民

尊いのは
頭でなく
手でなく
足の裏である

一生人に知られず
一生きたない処と接し
黙々として
その努めを果たしてゆく
足の裏が教えるもの

しんみんよ
足の裏的な仕事をし
足の裏的な人間になれ

頭から
光が出る
まだまだだめ

額から
光が出る
まだまだいかん

足の裏から
光が出る
そのような方こそ
本当に偉い人である

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

全国どこでも遠隔施術も承ります。https://www.taniithiryousitu.com/distant-healing/
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