仙腸関節とは

骨盤と仙腸関節
骨盤と仙腸関節

骨盤は、からだの基礎にあたります。背骨(脊柱)を支え、衝撃を吸収したり、体のバランスをとる骨格的な土台です。第5腰椎の下にある「仙骨」と、左右から仙骨とつながる「寛骨:かんこつ」の骨から構成されます。この二つの骨の継ぎ目の部分が仙腸関節(せんちょうかんせつ)です。
関節といっても肩関節や股関節の様に様々な方向に動かすことはできません。可動性は2~3ミリほどで、その役目は、わずかな可動性による身体バランス調整と、背骨を安定的に支えるための保持機能です。この様に仙腸関節は「可動性」と「固定性」という相反する機能を持ち合わせているのです。

骨盤矯正で最も大切な部分がこの仙腸関節の矯正になります。

仙腸関節の機能不全と腰痛

実はこの仙腸関節の機能不全が、腰痛の根本的な原因の大部分を占めるのです。また、仙腸関節の動きがロックしてしまうと、仙腸関節炎になる場合もあります。そのため仙腸関節の矯正が腰痛治療のポイントになるのです。

ここでは腰痛と仙腸関節との関連について解説します。

この様に腰痛治療の鍵になる部位が、骨盤の仙腸関節(せんちょうかんせつ)です。仙腸関節は以前は不動関節と考えられていました。仙腸関節自体を動かすことを目的とした主動筋が存在しないため、構造的には外からの力によって受動的に動かされる関節で、現在は数ミリ動く可動性のある関節と認識されています。

仙腸関節の働き

骨盤と仙腸関節
仙腸関節に加わる力

上の図は、仙腸関節にかかる力の分布を示したものです。赤い矢印は脊柱→仙骨→仙腸関節という流れで体の上方向から下に向けてかかる圧力です。青の矢印は股関節→腸骨→仙腸関節という流れで体の下方向から、上に向かう圧力を示します。

この図の様に両者の力が仙腸関節で複雑に交わり、また様々な筋肉の作用によって仙腸関節を他動的に動かそうとする力のモーメントが発生します。この様に仙腸関節には大変強い力が常にかかり続けるため、堅牢性を要求されます。

その反面、仙腸関節は仙骨の可動性も要求されます。仙骨は主に前方 ( うなずき運動:ニューテーション ) と後方 ( 起き上がり運動:カウンターニューテーション
) の動きを持っていますが、これは重心を常に中心に持っていこうとする働きによるものです。

また、オステオパシーやカイロプラクティックの考えでは仙骨は頭蓋骨とともに常に動いているとされ、脳脊髄液の循環に深く関わっております。この脳脊髄液の循環を原初の呼吸または第一次呼吸(
Primary respiration )と呼び、通常の肺呼吸は二次呼吸と呼びます。仙骨はこの呼吸運動としての働きも持っているのです。

仙腸関節の動きが悪くなるとこの呼吸運動が乱れ、椎間板ヘルニアぎっくり腰脊柱管狭窄症腰椎分離症・すべり症など腰痛関連の症状が出たり、骨盤周囲の血流不良から、冷え、便秘、むくみ、生理痛・生理不順、不妊など全身症状が発生します。

仙腸関節の力学的な役割は衝撃吸収装置としての働きで、様々な衝撃を吸収し背骨や脳にダメージを与えないように働きます。仙腸関節がロックすると、この衝撃が腰椎にも悪影響を与え腰痛の最大の原因となります。

骨盤は脊柱の土台です。仙腸関節の微細な動きは、ビルの土台の免震構造と同じような働きをしています。

上の動画はビルの耐震実験の様子です。左が免震構造の建物で、土台の部分が人の骨盤(仙骨・腸骨・仙腸関節)に相当し、その上に建つビルの部分を背骨(脊柱・脊椎)とお考えください。

この動画の様に仙腸関節に正常な可動性があれば、背骨に無理がかかりません。逆に仙腸関節の動きが悪くなると、脊柱に無理がかかり結果として様々な腰痛が発生してしまいます。

実は今まで原因がわからなかった腰痛が、この仙腸関節と密接にかかわっていたのです。仙腸関節のズレや、可動性のない状態が、多くの腰痛の原因になっていたのです。

仙腸関節が歪む原因

仙腸関節は長時間のデスクワーク、前かがみの無理な姿勢や、足を組んだり、横座りなどの悪い姿勢、転倒、打撲などで動きがロックしてしまい機能障害に至ります。その結果、土台の免震構造を失った体はバランスを崩し腰痛が発生するのです。

仙腸関節機能障害(ロッキング)の原因

  • 長時間イスに座る
  • 前かがみの作業
  • 立ちっぱなしや、片足に重心をかけたまま長時間立つ
  • スポーツや事故での外傷(片足に強い荷重がかかった時、女性に多い)
  • 長時間の自転車
  • あぐらや足を組む座り姿勢
  • ソファーなど腰が丸くなる座り姿勢
  • 妊娠・出産時の負荷

仙腸関節のテスト

仙腸関節は、わずかな動きしかない関節ですので、歪みの診断は正確に行わなくてはなりません。仙腸関節のテスト法は次のような検査を行います。

  • 整形外科テスト( ゲンスレンテスト、パトリックテストなど)
  • スタティックパルペーション(静的触診)
  • モーションパルペーション(動的触診)
  • キネシオロジー(筋肉反応テスト)

仙腸関節のズレは腰や骨盤周辺、脚部の筋肉の柔軟性が悪いと痛めやすくなりますので、普段から足腰のストレッチを行うことで、ある程度は予防できます。

この仙腸関節の機能障害を、全く痛みのない独自の方法で調整し正常な状態に戻します。

谷井治療室では、この仙腸関節内部の軟骨部や支持組織の靭帯部など細部にまで踏み込んだアプローチをすることで、腰痛治療の効果を上げております。

札幌谷井治療室

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