高血圧と新常識

高血圧を治すうえで自分でできることはたくさんあります!

今回ご紹介する書籍は、「高血圧を自力で治す最強辞典」マキノ出版から出ております。

血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。高血圧とは、収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上のとき、高血圧と診断されます。

高血圧の人は、たとえ1mmHgでも血圧を下げれば、体に良い影響を及ぼします。なぜなら、心臓は1日におよそ10万回も動いています。血圧が1mmHg下がれば、それが10万回分反映されるからです。

アサワ医院の浅輪善行(あさわ よしゆき)医師が、午前中に脳梗塞や心筋梗塞を起こした患者さんの朝食を調べたところ、ほとんどが「パンとコーヒー」だったと報告しています。これでは、水分やミネラルを補給できず、血液はドロドロのままです。そこでおすすめの朝食は、「和定食」です。

和食は、栄養バランスに優れ、食物繊維も豊富です。また、「みそ汁は塩分が多いので、血圧を上げる」と思っている人は多いでしょう。

実は、みそには腎臓から塩分を排出しやすくする成分と、血圧を下げる成分が含まれているのです。

共立女子大学教授の上原 誉志夫(うえはら よしお)先生が血圧とみそ汁の調査を行いました。1日2杯のみそ汁を3カ月間摂取してもらい、血圧への影響を調査しました。すると、ステージⅠの高血圧の患者(最大血圧が140~159mmHg、最小血圧が90~99mmHg)においても、1日2杯のみそ汁摂取は、血圧に影響しないという結果でした。

また、みそには、老化の元凶である活性酸素の発生を抑制する効果があります。みそ汁には、具にした野菜のエキスが溶け出していますので、汁は必ず飲んでください。「減塩のために具だけ食べて、汁を残す」のは愚の骨頂です。

高血圧の場合減塩を気にする人が多いのですが、行き過ぎた減塩は死亡率が上がるという報告があります。腎臓が悪い人と、うっ血性心不全の人以外は、塩分摂取の少ない方が、心疾患や死亡リスクが高まります。日中も、こまめに水分と塩分の補給をしましょう。

時間栄養学

私たちの体には「体内時計」が組み込まれており、ホルモンや酵素の分泌など、様々な生体リズムを調節しています。時間栄養学とは、体調を整える生体リズムを導入した栄養学です。

結論から言いますと、食塩感受性の高い高血圧の人は、朝と昼は味に重点を置かずに減塩し、夕食は制限を弛めて、適度に塩味のきいた美味しい料理を味わうのが、理にかなっています。腎臓でのナトリウムの再吸収を促進する「アルドステロン」の分泌は、朝に高く夜に低くなります。つまり、夜はナトリウムが排泄されやすいのです。

実は減塩だけでは思ったように血圧が下がらないことが多いのです。過食や運動不足によって肥満になると、動脈硬化になったりして血圧が高くなります。ですから、高血圧の人にはまず「減塩よりも減量」をお勧めします。

食べ過ぎに注意して、毎日少しでも運動するよう努力をしましょう。

「七楽の教え」というものがあります。置き薬で有名な富山の薬売り商人が代々伝えてきた言葉で、今も富山の人の心の一つになっている言葉だそうです。

「七楽」とは、「楽すれば、楽が邪魔して楽ならず、楽せぬ楽が、はるか楽楽」の言葉の中にある7つの楽をさし、言葉の意味は、楽しようと思って、楽すると、結果として楽は出来ない。反対に、楽しようとせず、楽しんで努力して物事に取り組むほうが後々楽になる。つまりそちらの方が良い結果をもたらし、素晴らしい人生になるという意味だそうです。血圧を下げるための運動などの努力も同じですね!

自律神経の乱れ

高血圧は自律神経の不調で起こります。自律神経は活動時には交感神経が、安静時には副交感神経が優位になるよう、互いにバランスを取って働いています。高血圧とは交感神経が優位になっている状態なのです。

現代人は多忙でストレスが多く、常に戦闘態勢です。睡眠時間も短いため、交感神経が優位な状態で長時間過ごすことになります。生物として非常に不自然な状態です。この状態で降圧剤を飲んでも、自律神経が乱れたままでは、血圧は下がらないのは当然なのです。

自律神経を整えるためには、生活習慣を改め、力まない、緊張しない、嫌なことは聞き流すなど、リラックスする方法を見つけてください。

ミトコンドリアを活性化すれば血圧が下がる。

高血圧は筋力の低下と深い関係があります。30歳を過ぎると、10年ごとに5~10%ずつ筋力が低下していきます。すると体内で慢性炎症と呼ばれる炎症反応が起こってきます。

この炎症が原因で高血圧になると考えるのが、現在、医学界の主流になりつつあります。ではどうすべきか。その答えは、ミトコンドリアを活性化して、慢性炎症を抑制すればいいのです。そうすれば、血管壁や脂肪細胞の慢性炎症が抑制されて、交感神経の興奮が抑えられ、血圧は下がります。

少しきつめの運動をすることで、筋力を強化し、ミトコンドリアを増やすことができるのです。その少しきつめの運動が「速歩き」です。

速歩きを3分した後に、ゆっくり歩きを3分行い、これを5セット(30分)行います。このインターバル速歩を週4回行うのがおすすめです。

インターバル速歩を続けて高血圧と肥満が同時に改善したという人はたくさんいます。

信州大学の能勢 博(のせ ひろし)教授によると、Aさん(69歳女性)は、半年間で体重が6kg減って、最大血圧が180mmHgから125mmHgに下がったそうです。

能勢教授ご自身も、最大血圧が160mmHgまで高かったものが、 インターバル速歩を続け、1ヶ月後には、130mmHgなり、体重も3kg減って、標準体重になったというのです。「継続は力なり」ですね!

また、慢性炎症と関連があることとして、歯周病があります。歯周病があると全身に炎症が飛び火します。高血圧の治療には、歯周病対策も大切になってきますので、歯科治療との連携が不可欠になります。

高血圧と食品

高血圧に効果的な嗜好品として、高カカオ含有のチョコレートがあります。有効成分はカカオポリフェノールです。ポリフェノールには、老化や病気の原因物質である活性酸素を抑えたり、血管内部の炎症を鎮めたりといった作用があるので、これが血圧の改善に効果を表します。

特にカカオ70%以上のチョコレートがお勧めです。摂取量の目安は、1日に20g程度です。ポリフェノールの血中濃度持続時間を考慮して、これを朝晩の2回に分けて食べるのです。

チョコレートを摂取した患者さんのうち、5割程度に血圧改善の効果が見られました。改善値は、平均して5~10mmHgといったところです。軽い降圧剤と同程度といえます。皆さんも是非、高カロリーチョコレートを生活に上手に取り入れてください。

高血圧に効果的なマッサージ

強いストレスがかかった状態では、交感神経が優位になりがちです。すると体は緊張状態が続き、心拍数が増えて血管が収縮し、血液の粘度も高まって血圧が上昇するというわけです。

唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージ

そこで役立つのが、耳の下もみです。耳の下のちょうど奥歯が位置する辺りには、耳下腺という唾液が分泌される唾液腺があります。ここを指で揉むと質のいい唾液が分泌されます。

唾液にはサラサラ唾液と、ネバネバ唾液があります。リラックス時に多く分泌されるのが、サラサラ唾液です。唾液腺は主に3つありますが、このうち、サラサラ唾液が分泌されるのは耳下腺のみです。

耳下腺を刺激することで、サラサラ唾液が分泌されるようになり、口腔内が健康な状態になります。

また耳下腺を刺激すると、気持ちがリラックスし、ストレスを解消する働きもあります。こうして副交感神経が優位になると、心拍数が少なくなり、血管が拡張し、血液の粘度が下がります。この結果、血圧が下がってくるのです。

完骨ツボ
完骨ツボ

耳の下と合わせて、耳の後ろにある「完骨(かんこつ)」というツボをいっしょに刺激するといいでしょう。完骨は、両耳の後ろにある突出した骨(乳様突起)の下の後ろ側にあります。自律神経を整えるツボとしても知られています。

耳の下もみと、寛骨への刺激によって、自律神経のバランスが回復し、その働きが整ってくれば、血圧も下がった状態で安定してくるでしょう。

耳の下もみを行うと、その場で、血圧が5~10mmHgくらい下がることも決してまれではありません。

斎藤ファミリーデンタル院長の斎藤道雄(さいとう みちお)先生によると、典型的な「白衣高血圧」の50代の男性Aさんは、病院で測ると、最大血圧が150mmHg、最小血圧が、100mmHgに跳ね上がるのです。

そこで、耳の下もみをしてもらったところ、その場で血圧を5~10mmHg下げることができ、Aさんは非常に喜び、毎日続けた結果、現在では、最大血圧が120mmHg台、最小血圧が70mmHgで安定しています。

60代の男性Bさんは、数年前に最大血圧が180mmHgを超えました。降圧剤を服用し、150mmHgまで血圧は下がりましたが、それ以下にはならないままでした。

耳の下もみを行ったところ、最大血圧は140mmHg、最小血圧は80mmHgを記録したそうです。

高血圧の予防・改善策として、ぜひ耳の下もみをお試しください。

次に、東京女子医科大学医学部教授 渡仁尚彦(わたなべ よしひこ)先生がお勧めする「合谷(ごうこく)」のツボ押しをご紹介します。

合谷ツボ
合谷ツボ

合谷のツボは、手の甲側、親指と人差し指の骨のつけ根が交わるところにあります。ツボの正確な位置にこだわらず、硬いところをほぐすつもりで行いましょう。やり方は次のとおりです。

①左手の合谷を、右手の親指と人差し指で挟み、痛いくらいの強さで3~5分間押し続ける。右手も同様に行う。

②鼻から息を吸って、口から長くゆっくり吐く。この腹式呼吸を3~5分間行う。

※①~②を毎日朝晩、1回ずつ行う。

渡辺先生が、診察室で高血圧の患者さんの合谷を押すと、個人差もありますが、5分もたった頃には血圧が数mmHgから20~30mmHgくらい下がるそうです。

なかには、200mmHgあった最大血圧が、短期間で120mmHg台まで下がった人もいるのです。(基準値は140mmHg以下)。

合谷を押すときのポイントは、多少痛いくらいに強い力で押すことです。

「 耳の下もみ 」も「合谷のツボ押し」もどちらも血圧を下げるために効果的な指圧マッサージです。リラックス効果もあり、血圧だけでなく、頭痛肩こりめまい、耳鳴りなど様々な症状にも効果が期待できます。

血圧を下げるためには、難しい理論や理屈はいりません。生活習慣を見直し、運動を取り入れ、ツボを刺激しリラックスするだけです。ぜひ皆さんも今日から実践してみてください。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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