スマホ依存と体調不良
過度なスマホ依存は、脳疲労を起こし、様々な体調不良が発生します。
今回ご紹介する書籍は、「スマホ脳の処方箋」 奥村 歩(おくむら・あゆみ)先生のご著書で、あさ出版から出ております。
スマホの過度な使用で、認知症のような物忘れが出ることをご存知でしょうか?
その理由は、脳が疲労を起こすためです。脳疲労は神経伝達物質のセロトニンを枯渇させ、記憶障害だけでなく、セロトニン不足から身体の痛みにも過敏になってしまうのです。
脳は身体の安全管理センターですが、脳が疲れていると誤作動が起こります。そのため実際には起きていないのに、身体の様々な部位で痛みを感じるようになります。こうして原因不明の疼痛が発生するのです。
当院では、脳の誤作動記憶に対する治療として、PCRT(心身条件反射療法)を行います。腰痛や肩こり、めまいや頭痛などの根本的な改善には脳の誤作動記憶の調整が必須となるのです。
脳疲労
脳疲労とは、脳の使い過ぎにより脳の機能が低下した状態で、日頃のストレスに加えスマホを過度に使っていることが脳疲労につながるのです。
脳疲労になると、めまいも起きやすくなります。めまいには様々なタイプがありますが、脳疲労から来るめまいは、浮動性のめまい(ふわふわ)が多くなります。
脳のエネルギーであるセロトニンが消耗してしまうと、「苦痛」や「不安」を伴う「めまい」などの発作が起きやすくなります。この不安から逃れるために、お酒やたばこ、薬物など何かに依存する傾向があり、スマホ依存もさらに増強されてしまいます。
つまり、脳疲労があると依存症になりやすいということです。
さらに、自分の健康状態の不安に対して、スマホで何度も検索する心気症も増えています。
それでもスマホを全く使わないというわけにもいきませんので、情報の取捨選択が大切になります。食べ物が身体に与える影響と情報が脳に与える影響は同じです。健康や美容のために、食べ物を吟味するのと同じように、脳のために情報を厳選することも大切なのです。
また、人間関係のストレスが脳疲労につながります。それは他人の顔色をうかがうことに膨大なエネルギーを使うためです。
地球上で一番、人間の生命を脅かせている生きものはいったい何でしょう?
- 1位:「蚊」725000人
- 2位:「人」475000人
出典:https://www.gatesnotes.com/Health/Most-Lethal-Animal-Mosquito-Week
人は人が一番怖いので、自分を守るための生存本能としてSNSやその他のネットの情報をチェックしてしまうのです。
「不安」→「SNS」→「スマホ中毒」→「不安」・・・・
この様に、無限ループに入ってしまうのです。
スマホはプチ麻薬
本来、聡明な方であっても脳過労の状態になると、依存症から逃げ出すことが困難になります。これは行動を柔軟に変えていく前頭葉の働きが低下するためです。
依存しやすいものには以下のような特徴があります。
- 気持ちよさをもたらす
- 飽きない
- 無限性
- 確実・手軽
- 一見すると安全
脳疲労とスマホ依存は相乗的に悪化していきます。
スマートフォンは、脳内の報酬系(ドーパミン神経系)を刺激するため、中毒性、依存性が増し、やめられなくなるのです。
人はなぜ依存症になるのか
スマホやゲーム依存だけでなく、酒やたばこ、薬物、ギャンブルなど様々な依存症がありますが、人はなぜ依存症になってしまうのでしょうか。
その根底には、人生における苦しみや悲しみ、孤独、寂しさなど心の問題があるのです。スマホやゲームに興じている間は、それらのストレスを忘れることができます。
しかし、現実は変わらないので、スマホやゲームをやめてしまうと、また元のストレスが襲ってきます。そのためますますスマホやゲームに依存するようになってしまうのです。
日本では、アルコール依存症:約10万人、薬物依存症:約1万人、ギャンブル等依存症:約3,000人が病院で治療を受けています。(出典:厚生労働省)
スマホやゲームだけでなく、薬物やアルコールでも同じですが、これらにより私たちの脳内ではドパミンという快楽物質が分泌されます。
この快楽物質が脳内に放出されると、中枢神経が興奮し、それが快感・よろこびにつながります。この感覚を、脳が報酬(ごほうび)というふうに認識すると、その報酬(ごほうび)を求める回路が脳内にできあがります。
脳は一度この快楽を味わってしまうと、意志の力だけでは、なかなかやめられない状態になってしまうのです。
脳疲労によって起きる心身の不調
上図の様に、スマホ依存は、全身の不調を起こします。脳の疲労だけでなく、姿勢の悪さから筋緊張型の頭痛やストレートネック、肩こりなども起こります。
スマホ疼痛
アメリカ・ニューヨークの整形外科医メニス・ハンスラジュ氏によると、成人の場合、60度まで傾いた「スマホ首」では、27キロもの荷重が脊椎上部にかかるそうです。
「スマホ首」とは、スマホを使うときに前かがみになることで、首が不自然に伸びた状態で固まってしまう姿勢のことです。これが首の痛みはもちろん、筋緊張型頭痛、肩こり、腰痛などの原因となります。
この状態が続くとストレートネックになり、さらに頭痛や頚部痛、めまい、肩こりなどが悪化するのです。
そして「スマホ疼痛」では、全身の関節痛や舌の痛み、さらには肛門痛など様々な症状につながるのです。
スマホと睡眠
日光を浴びると、元気のもととなる脳内エネルギーのセロトニンが活性化して覚醒します。そして日光を浴びてから15時間後に、脳の松果体という部位から睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌され眠くなります。ところが、このメラトニンは、外部環境が明るいと十分に分泌されなくなります。
スマホから発せられる「ブルーライト」はメラトニンを減らすだけでなく、交感神経を刺激して脳を覚醒モードにします。
人が熟睡しているときに、認知症の最大の原因となるアミロイドβが脳の中で掃除されることがわかりました。不眠は、認知症の大きな危険因子なのです。
スマホうつ
スマホ使用に起因する「スマホうつ」の症状を以下に記しましたが、これらはセロトニンの枯渇がその根底にあります。
- 不眠症
- 不安症
- 対人恐怖症
- 認知機能の低下
うつ病と合併しやすい「スマホ認知症」があります。これはスマホやパソコンなどIT機器に頼りすぎることで脳の機能が低下する状態です。その特徴は次のようになります。
- 人や物の名前が出てこない
- 漢字が書けなくなった
- 簡単な計算さえできない
しかし、認知症は、進行・悪化する一方で治らないのに対し、「スマホ認知症」はスマホの使い方を見直すことで改善できます。
デフォルトモード・ネットワーク
世界で初めてデフォルトモード・ネットワークを発見したのは、アメリカ・ワシントン大学のマーカス・レイクル氏でした。
デフォルトモード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)とは、ぼんやりとしているときの脳の神経活動のことを言います。車のアイドリング状態に例えられますが、DMNのときは、エネルギー消費が高く脳全体の60~80%も占めているといわれます。
デフォルトモード・ネットワークの働き
DMNの機能を以下に示します。
- 危機管理…アイドリング機能で危機に備える
- 集中力の維持向上…集中力のONとOFFの切り替えに役立つ
- 情報の整理…重要な記憶を取捨選択して、長期記憶に移行する
- 柔軟な思考…思考をニュートラルな状態にできる
- 創造性を発揮する…創造性を発揮して、新たな発想や独創性を発揮するのに役立つ
- 記憶を呼び覚ます…記憶の紐づけと呼び覚ましに関連
DMNが適度に働くと、創造性や記憶力に良い影響を与えます。
スマートフォンは、DMNの働きを妨げてしまいます。スマートフォンの画面から発する強い光やブルーライトは色彩の情報量が多いことから脳疲労を起こします。
パソコンでも、画像の処理には情報量が多い為、情報処理に容量をくうことからも理解できると思います。
目は脳の一部と言われます。眼の中の網膜は脳の一部が体の外に飛び出してきた神経と考えられています。目が疲れるということは、脳も疲れているということです。
スマホを見てしまうと様々な刺激により、DMNが活性化しなくなり、脳疲労が起こりやすくなったり、記憶力が落ちたりすることが懸念されています。
デジタルデトックス
デジタルデトックスとは、スマートフォンやPCなどの電子機器を一定時間遠ざけることで、ストレスを軽減させ、人間本来のリズムを取り戻すことです。
デジタルデトックスにより、デフォルトモード・ネットワーク(DMN)のバランスが整い、次のような効果が現れます。
- 脳疲労がとれる
- 目の疲れが取れる
- ストレスが減る
- 睡眠の質が良くなる
- 創造力、ひらめきが良くなる
- 幸福感が増す
デジタルデバイスは私たちの脳を興奮状態に刺激させ、脳をスマートフォンやPCにつないで、ある意味で私たちの脳の機能を拡張しています。これは大変便利なことですが、人間の脳はこれにより、過剰な興奮や刺激を受け過労状態になります。
この状態では、スマートフォンを使いこなしているのではなく、スマートフォンに脳を占拠された状態で、映画のマトリクスのような状態になってしまいます。
脳を疲労から回復させるためにも、デジタルデトックスは必要です!
スマホ依存の解決法
スマホ依存から来る脳疲労状態が続くと、更に依存症体質になってしまい、コントロールすることが難しくなります。
まずは脳を休めることが先決です!そのためにはしっかりと睡眠をとることです。それ以外にも、散歩、サイクリング、スイミング、瞑想などで脳をリフレッシュさせることが大切です。
脳がリラックスしているときに、人は良いひらめきを得ることが多いのです。
三上(さんじょう)
中国・北宋時代の欧陽脩(おうよう・しゅう)という人は、良い考えの生まれやすい状況のことを「三上(さんじょう)」という言葉で表わしました。
- 馬上(ばじょう)・・・乗り物に乗っている時
- 枕上(ちんじょう)・・・布団で寝ている時
- 厠上(しじょう)・・・トイレの中
良い考えはこの様にリラックスしているときに生まれるものです。
閃き、インスピレーションは宗教、哲学、科学、芸術、文学においても大きな意味を成してきました。
エジソンの言葉にも、「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」というものがありますが、1%の閃きがなければ、99%の努力も実らないのです。
人生の時間は有限です。「時は金なり」とはアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉『Time is money』の日本語訳で、時間はお金と同様に貴重なものだから、決して無駄にしてはいけないという戒めです。しかし、時間は決してお金では買えません。
目まぐるしく変化する現代社会に身を置いて、ネットをみれば、心惹かれる情報がたくさんあります。ストレスの多い生活と、ネットの情報で心はへとへとになっています。
「ぼんやりタイム」を取り入れ、脳と心を休ませて、スマホ依存から脱却しましょう!
================================
肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。
全国どこでも遠隔施術も承ります。https://www.taniithiryousitu.com/distant-healing/
札幌市営地下鉄中島公園駅から徒歩1分と好アクセスです。
ご予約は TEL: 011-211-4857 にお電話下さい。
腰痛や肩こりの改善なら札幌市の整体|国家資格あん摩マッサージ指圧師の谷井治療室トップページへ
北海道札幌市中央区南9条西4丁目3-15AMSタワー中島1503号室
健康と医療ランキング
にほんブログ村